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「ふんふーん」


あ、ノリノリでごめんなさい

掃除好きなんです


今日はとことんやろうと思い、クローゼットの中の服の整理もしようと全部出す



そう全部…


全部………



………





「こんな少なかったけ…」


いや、まだあったよ?

だって、ほら……


この前買ったのもなくなってる



み、ミステリー!?






「……なわけないですよねー」

「なんのことだ」


いつの間に部屋に入ってきたのか、船長が私の背後にいた


いや、驚きもしないよ?いつものことだし

てか


「船長……」

「あ?」

「…私の服が減ってるんですが……」

「ほう、それは大変だな」


距離を置きながら振り返ると船長は、さも自分は関係ありません、みたいな顔している


いやいやいや…
あなたでしょ、犯人は


しかし、このオレ様はなに言っても否定するだろう

引っ掛かるかな……ちょっとかま掛けてみるかな


「………あーあ、キャスに見せる約束してたのになぁ」

「なっ、あんな露出の高い服をか!?」


・・・・うわっ
簡ッ単に引っ掛かったよ

てかキャスごめん
あなた、命ないかも


今までに見たこないぐらいの殺気を漂わせている
このあとのキャスを想像したら、無言で手を合わせたくなった


「とにかく、返してください」

「だめだ」

「キャスには見せませんってば」

「……だめだ」


くっ、この我が儘め!


「あんな服着てどうする気だ」

「え?買い物とか…」

「色気を周りに振り撒きやがって」

「いや、そんな気は…」

「色白の肌を他の野郎に見せんな」

「………へ」


なにを言って……


「そんな小振りの胸でなにしようってんだ」

「こぶっ…!?」


カチンとくると同時に恥ずかしさが込み上げてくる


うっさい!
小振りのなにが悪い!!

肩凝らないんだぞ!!


「なんだ、気にしてたのか」

「うっ…」

「安心しろ……ほら、手の平サイズだ」


なにが安心しろっちゅーねん!
嬉しくなっ………


「…い………?」

「弾力もオレ好みだし」

「……え…?」

「でも、お前がそんなに気にしてんなら…」


胸から伝わってくる熱に固まっていたら、ぐわん!と視界が動いた

今、私が見ているものは

天井と

………ニヤリと笑う隈のある男の顔




…………え?




「でかくしてやってもいいぞ?」

「…………え?」


急展開についていけない私は、ぽかんとすることしかできない

抵抗しなきゃいけないのはわかっているが


「なんだそのアホ面は」


………そろそろそのクソ生意気な口、閉じましょうか?

って、手も動かすな!!





だまってください


うるせぇ
お前がだまってオレの気持ちを受け止めやがれ

ずいぶんとまぁ、ひねくれた気持ちだこと