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- ナノ -
メリー号は平和に航海中



そわそわ

そわそわ…


甲板を右にうろうろ、左にうろうろ

とりあえず落ち着きのない私


ただ今メリー号は必要物資を求めローグタウンへ前進中

半日ほどで着くらしい


皆それぞれ自由に過ごしている


あー……どうしよう

いいかな、いいかな…


生意気じゃないかなぁ


ついさっき皆の仲間になった私はやりたいことがあるのだが、若干不安

動き回りながら考え込んでると、向こうから皆の叫び声が(び、ビックリした…!)


「おい見ろアルト!」

「えっ」

「おれ賞金首だ!!」


笑顔でこちらに来たルフィさんの手には彼の手配書が


………それは嬉しいことなの?


ニッコニコの笑顔の船長はどうやらなにかしらの言葉を待っているようだ


意を決して私は彼の目を見て言った


「お、めでとう…!」

「おう!」

「おめでとうじゃないわよ!」

「いだっ!」

「あだっ!」


いつの間に背後にいたのか、ナミさんに頭を叩かれた


………うぅ、痛い

しかもナミさんまでこっちきて……


ちくしょー!生意気とかそんなんもう知らん!!


「賞金首になったってことはもうのんびりしてられないのよ!わかる!?」

「はひ、ふひまふぇん…」


えーと、えーと…


「す……」

「「へ?」」





「すっご、い伸びる…ね!」

「「……………」」


ザザーン………













違うー!!違うんだよー!!そんなことが言いたいんじゃないんだよー!!うわぁぁぁあん!!


ナミさんがルフィさんの頬を引っ張っていたから思わず言ってしまった(ち、違うんだー!)

私の発言に目が点のナミさんは力が抜けたのか、ルフィさんの頬を離した

頬はゴムの力で勢いよく元に戻っていった


「そりゃゴムだらな!」

「だ、だよね!」

「かっこいいだろ!」

「か、かっこいい!」

「ちょい待て」


もう自分でも何が言いたいのかわからない


ナミさん、止めてくれてありがとう


「アルト、どうしたの?」

「あ…え、や…そのっ」


は、話を反らさなければ……!!


「るるるるるルフィさん!!」

「なんだ?」

「いつ、き…たの!その手配書!」

「ん?今だぞ」

「へ、えー!ウソップさんの後ろ姿もうつ、てる…ね!」

「ストップストップ!待ちなさいって!!」


再び暴走を開始する私に今度は両手で口を塞ぐナミさん

そんな騒ぎが気になったのか他の皆もやってきた


「なんだよ」

「アルトがおかしいの」

「いつも通りだろ?」


ちょ、ルフィさん

それは私がいつもおかしいって言いたいのか


サンジさんがルフィさんの頭を蹴ってくれたので、聞き流してあげようと思う


「頭打ったのかしら…」


え、ナミさんまで?


「とりあえず手、離したらどうだ?」

「そうね……」


塞がれていた口が自由になる

が、皆の視線が一斉にこちらを向くので耐えきれない


「アルトちゃん?どうしたの?」




いいかな、いいのかなぁ

……失礼じゃないかな


下唇を噛み俯く私に皆が首をかしげるのがわかった

迷惑かけて申し訳ない…


意識してないとき、時々出来たのに

なんで出来ないんだろう


あぁもう!自分のチキン!バカ!マヌケ!!
















「そんなに嫌なのか?」

「え?」

「おれは嬉しかったぞ」


笑うルフィさんに今度は私までもが首をかしげる

彼はそんな私の手を握った


「アルト、敬語じゃないかった」

「!」

「兄妹に敬語はいらねぇもんな!」


ルフィさんの言葉に目を丸くする


………ホント、ルフィさんはスゴいな

言い当てられてしまった




昔から目上の人は敬え、と言われてたからそこらへんは気を付けていた




でも、仲間になったから……敬語を止めてもっと仲良くなりたかった("さん"付けはしてるけど)


私のやりたいことがバレてなんだか恥ずかしくなってしまい、ルフィさんの横腹を小突く


「な、なにすんだよ!」

「う、るさい!"的"忘れてる!」

「やめろよー!」

「うるさーい!」


ギャーギャー言い争いながらルフィさんを追いかけ回す間に普通に話せるようになった


これぞ船長マジック!






……自分、何言ってんだろ



















「ほ、微笑ましいなぁ」

「アルトちゃん…!なんて癒しなんだ…ッ!!」

「絶対15歳じゃないわ…私は認めない、絶対認めない……!」

「…………………」

「ゾロ?どうした?眉間にシワ寄せて」

「…………別に」





ツン+デレ

=は、恥ずかしい…!



(いつまで追いかけっこしてんだ、あいつら)(……さぁな)(…お前、絶対不機嫌だろ)(……ちげェ)




(敬語なしで初めて話したのがルフィ)(…あぁ、もう嫌だ)(嫉妬してる自分が嫌だ)