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お願いが…て、え?


白い雲に、青い空

そして更に深い青色をしている海

そこに釣糸を垂らしながら私は水平線を眺めていた


……これから、いくんだろうな"偉大なる航路〈グランドライン〉"に

…いや、もう行くことはいいんだよ

なんだかんだで、みんなと一緒にいるって決めたし(ハッキリとは言ってないけど)


………でも




「……ん?…お、おい!アルト!!竿がしなってんぞ!」

「大物だな!早く上げろ!!」

「……心残りがなぁ」

「いや、ホントこれ逃したら心残りだから!」

「逃げるぞー!」


周りでギャーギャー騒ぐルフィさんにウソップさんを華麗にスルーしながら考え込む


このまま行っていいのかなぁ…うーん








…………やっぱダメだ

このまま行くとずっと引きずる


無事決断ができ、ナミさんに頼もうと柵に座っていた腰をあげた


「ナミさーん!頼み事があるんですけ…ど?」

「「あ」」






ボッチャーン!!


「がぼべっ!」

「「アルトが海に落ちたァァア!!」」

「はぁ!?」

「アルトちゃーん!!」


腰をあげた瞬間、物凄い力で引っ張られた私は抵抗する間もなく海に引きずり落とされた


「だずげっ…!」


泳ぎは得意、だが魚に引っ張られ思うように泳げない


…え?釣竿を離せって?

そんなのヤダよ!私の宝物なのさ!


……それにねぇ、




釣糸が絡まってるのさァァア!!助けてェェエ!!


気合いでなんとか海面で留まるが、限界は近い


「アルトが死んじまう!」

「よし!まかせろ!」

「だぁぁあ!テメェは行くな!」

「お前ら邪魔だ!どけ!」


いいからー!もう喧嘩とかいいからー!死んじゃうから私ー!!


もめる四人

限界の近い私


もう半ば諦め、沈むことを覚悟したとき










「………いいから」

「「「「ん?」」」」

「さっさと行ってこい!!」


ドン、ドンドンドン!


「うぎゃぁぁあ!!」

「うわわわわ!!」

「ナミッ…テメェェエ!!」

「乱暴なナミさんも素敵だぁー!!」





「………え」


ドボン!ドボン!ドボン!バッシャァァアン!!


痺れを切らしたナミさんが四人の背中を蹴り飛ばした

突然のことで対処できなかったのか、四人は私同様に海に飛び込み、綺麗な水しぶきをあげたのだった














「バカかお前は!?」

「あんたらがもたもたしてるからよ」

「ルフィ、無事かー?」

「ぶうー…!」



「……………」


恐ろしい、恐ろしいよナミさん


とりあえず、皆無事生還

死にかけている私をゾロさんが、泳げないのに蹴り飛ばされたルフィさんをサンジさんが抱えメリー号に引き上げた(ちなみに魚さんは四人が落ちてきた音で逃げていきました)(そしてウソップさんは自分のことで精一杯だったらしい…)


「…ッの毬藻!ナミさんになんつー口聞いてんだ!!」

「うるっせぇ!テメェは少しくらい怒ることを知れ!!ホントに死ぬぞ!!」

「ナミさんに殺されるなら本望だ!」

「………よし、今すぐくたばれ」


……あの二人って、気が合わないのかなぁ…

よく喧嘩してるし


渡された毛布にくるまっていると、横にナミさんがやってきて風呂を勧められる


…………っと、ごたごたして忘れてた


濡れてる手を拭き、ナミさん服を引っ張る


「ナミさん!お願いがあるんです」

「風呂は行かなきゃダメよ」


………あ、はい


「じゃなくって……私、行きたいところがあるんです!」

「どこだ?おもしれーとこか!?」


いつの間にか復活したルフィさん

そして他の皆の視線が一斉にこちらに向く

その真ん中で私は大きな声で言った










「私の、住んでた島に!」





覚悟+お願い

=私の島へ!



(この近くなの?)(うーん…確かローグタウンってとこから一番近い島です)

(…あ、一日で着くわ)(ホントですか!?)