嵐により、緊急脱出
「なんて言うかー、うん…一目惚れって本当にあるんだねぇー。あ、ねぇお嬢ちゃん、アルトって言うんでしょ?アルトちゃんって呼んでいい?ちなみにおれ、ニックって言うの」
「「……………」」
ベラベラと喋るダルさん…ではなくニックさん(…かすってもなかった)の前で、文字通り目が点の私とゾロさん
そんな私たちに気づかず、またニックさんは長々と話始めた
ここでようやく意識が戻る
な、なんか告白されたけど……よくわかんないけど
……ここは逃げよう!
逃げるべきだ!!
まだ固まっていたゾロさんの肩を叩き伝えると、彼も頷きながら私を抱えてくれた(……や、抱えなくても)(おんぶして、とは言ったけどさ)
「と、りあえず…全速力でいくぞ」
「は、はい」
そう言ってゾロさんが真っ直ぐ走り出した瞬間、今までグダグダと話していたダルさん…じゃなくてニックさんが私の腕を掴んだ
「ちょ、待ってよ」
「誰が待つか!離せ!」
「いだだだだだだ!」
腕!腕がー!
いだだだだだだ!
二人して逆方向に引っ張るせいで腕が、いや、胴体から裂けそうになる(ぎゃぁぁあ!)
「アルトちゃん!別に告白だけをしに来たんじゃないんだよ!」
「ちょ!いだだだだだだ!!!」
「その刀のことなんだけど…!」
「裂けるー!千切れるー!」
「離せっつーの!」
「いだい゛ー!!」
「いい!?今後絶対もって歩いちゃダメだよ!特に町中は!」
「うるせぇ!この海軍が!」
「…なんなんだ君は!今おれが話してるだろ!?」
「黙れ!そして離せ!!」
「そっちが離せ!!」
「どっちも離してェェエ!!」
私死んじゃうー!裂かれ死にしちゃうー!いやだー!こんな死に方いやだー!!
限界間近
本当に体が真っ二つに別れると思った瞬間
ゴォォオ!!
「わっ!?」
「いっ!?」
「うぎゃっ!?」
人が吹き飛ぶほどの突風
それによりニックさんが腕を離した
その隙をゾロさんが見逃すはずもなく、体制を崩しながらも全力で走り出す
「こりゃあ、ものすげぇ嵐だな…!」
「ゾロさ…!今ので目にゴミが…!!」
「ん?あ、おいルフィ!んなとこでなにしてんだ!?」
「ゾロさん!ゴミが!目にゴミが!揺れてちゃ取れないよ!」
「走るぞ!ぐずぐずすんな!」
「おう!」
「あれ!?アルトちゃん、なんでおれらより後ろにいるの!?」
「あの、だから…ゴミが……!」
「あー!アルトいたー!」
「ゲッ!わけわかんねぇ三人組!」
「おい!アルトを返せよ!」
「待て、今はそれどころじゃない」
「いったんこの島から脱出だ!」
「………ッグレるぞォォォオ!!!」
目が開けないので詳しくはわからないが、どうやら私が裏路地に行っている間に行き違えたルフィさんたち、そしてその先にいた兄ちゃんたちと合流したらしい
みんな私の話を聞かずに道を走り抜ける
私の扱い酷いよね?
これ、泣けてくるほど酷いよね?
………ぐすん
両手で顔を押さえながら落ち込む
とりあえず、このピンチを無事脱出したら
「あんたたち遅いわよ!」
「ナミすわぁーん!ただいまぁー!」
「おー!可愛い船だなぁ!」
「…うん、シンプルで改造のしがいが…」
「すんな」
「…………誰だ?そいつら」
「よくわかんねぇけど、アルトの兄ちゃ「な゛み゛さぁ゛ーん!」
……とりあえず
ナミさんに泣きつきたいと思います!
「みんながイジメるーー!!」
「は?」
「…………あんたら、ここで置いてくわ」
「「「はぁ!?」」」
「……なんてねぇーちゃんだ」
嵐+無事脱出
=話だけでも聞いて!
(ふざけんなぁ!)(おいこら!ロープ切るなよ!)(待ってー!)(早くアルトだけをこっちに!)
(……とりあえず、おれらもお邪魔するか)((……あぁ))
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