×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
初めまして、おれたちは



やっと見つけたアルトは、地べたに座り込みながら泣いていた


だったら、やることは一つ


「状況把握は?」

「できてるぜ!天才だからなっ」

「とりあえずあの麦わら野郎を助けりゃいいんだろ?」

「あぁ、雑魚はやっとく。だから任した」

「あいよ!…っと」


おれらが笑顔にしてやるっきゃねぇ


そこら辺にいる海賊を倒しながら死刑台へと向っていたら、あの麦わらの兄ちゃんは助からない


でも…おれの能力なら……!


ニヤリとこちらに向かってきた雑魚一人を倒し、足に力を入れる


「!おい!やっぱ待て!!」

「あ?ぬわぁ!?」


地を蹴ろうとした瞬間に襟を掴まれケツを強打(ぐわぁあ…!)

掴んだ犯人を睨むために振り向いたら、そこにはジッと空を見つめる奴が


「おい!アルトのために助けんだろ!?何してんだ!!」

「知るか!こいつに聞け!!」

「くるぞ」

「「はぁ!?」」


いつも一緒にいて思うが、こいつは言葉が足りねぇんだ


意味がわからずそいつと同じところに視線を合わした時





降り下ろされる


「わりぃ、おれ死んだ」


剣に


響き渡る


「…ッ嫌だァーーーーーッ!!!!」


アルトの泣き声





そして


「耳、塞いだ方がいいぞ」

「「は?」」




バリ!

バリバリバリバリッ!!!


ドドォオオン!!!!












「…………は?」

「……………え?」

「あ、雨」















「なははは!やっぱ生きてた。もうけっ」


笑顔の麦わらの兄ちゃん


突然の展開に辺りが静まり返る


兄ちゃんの首が斬られる瞬間、落ちてきたのは雷

それにより死刑台は壊れ、鼻が赤い海賊も倒れた


目の前でのんびりと会話する麦わらの兄ちゃんと、緑と金色の髪の兄ちゃん二人

それを見たおれはとりあえず、その麦わら帽子を


「ふざけんなァ!!」

「うぶっ!?」


殴った


「何すんだおめぇ」

「うるっせぇ!黙れ!アホ!トンマ!マヌケ!オタンコナスにオッペケペー!」

「失敬なやつだな!」


ぶーと口を尖らすこの野郎の首もとを掴み顔を近づけた

横の兄ちゃんらが構えたがそんなのは知らねぇ


今おれは、この気持ちを吐き出したい


「雷落ちて助かりましたぁ?なんだその奇跡!ふざけんなよ!テメェのバックにぁ神でもついてんのか!?あぁ!?だいたい笑ってる時点でおかしいんだよ!周りを騒がせといてなんだそれは!!ムカつく!ムカつくからくたばれ!今すぐくたばれェェェェエ!!」

「くたばっちゃダメじゃね?」

「ぷ……バカ丸出し」


一息で言ったため息切れで肩を揺らしながら息を吸う


後ろで二人がうるさいが…い、今は息を吸わせろ!


「…誰だテメェらは」

「人間」

「男」

「若者…ぜぃ、はぁ」

「…………」

「か、刀抜くな!今は逃げるぞ、おい!」


聞かれたままを答えたが、どうやらお気に召さなかったようだ

額に青筋を浮かべる緑頭の背後から、大量の海軍


あれから逃げるっつーこたぁ…海賊か

ご苦労なこって


なんて笑いながら振り返ったら…いるはずの二人がいなかった


……いや、いたけど……なんか走って逃げ、え?


「おい、メカ!逃げろって!」

「捕まるぞー」

「はぁ?」


いつの間にか放心状態のアルトを抱えたあいつらの発言に首を傾げる


全くもってわけがわからない


………が、すぐにわかることになった


「そこの七人!待て!!お前ら海賊だな!?」

「やっべぇ!逃げっぞゾロ、サンジ!」

「…ん?あ、おい!アルトちゃんが!!」

「あぁ!?なんなんだあいつらは!」


ダバダバと目の前を走っていく三人を見送り……動きを止めた


…………今?七人っつった?


緑頭と金髪と、麦わら野郎………あと四人は?





ま・さ・か…!!


「おれらも海賊だと思われてるみてぇだぞー!!」

「………は、やく言えェェェェエ!!」


どしゃ降りの中、一番前のバカ共に叫びながら走り出す

すぐに追いついた手前の三人を追い抜こうとしたとき、緑頭の兄ちゃんに腕を掴まれた


「お前ら!アルトを拐ってどうしようっつーんだ!!」

「あぁ!?拐う!?おれらは助けにきたんだ!!」

「はぁ!?」

「何なんだ?オメェら」

「おれら?おれらはなぁ……」


掴まれていた腕を払い、ビシッと軽くポーズを決める

海軍に追いかけられながらの自己紹介


「アルトの兄ちゃんだぜ!!」


おれの発言に驚く三人


ハッハー!傑作だな!!





三人+ビックリ顔

=超笑える!



(おいおいおい、何だぁこの急展開)(んなことよりアルトを返せ)(そーだそーだ!)(あぁ!?)

(ハッ!…もしかしてテメェらか…!?)