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ムカつく海軍



なんか魔獣さんに縄を解くようお願いされちゃった!


うん、絶対イヤ


え?約束守るって?なんの?
いや、約束とか関係ないから

怖いんだって


だからね、ルフィさん


「縄を解いたとたんにぼくらを殺して逃げるに決まってますよ!!」

「そうですよ!」

「殺されやしねぇよ。おれは強いからね」

「あぁ!?」


ルフィさんの言葉に魔獣さんの眼力が増した

そりゃあ、もうやべーくらいに


彼の視界から消えたいのに相変わらずルフィさんに担がれている私はどうしようもできないので大号泣だ

コビーさんに助けを求めようと横を向いたら


「しーっ」


かわいらしい女の子がいた

その女の子は驚くことに魔獣さんのもとへかけて行ったのだ!


いやいやいやいやいや
待とう!それはダメだよ!


「ちょっときみ、危ないよ!」

「そうだよ!魔獣さんに食べられちゃうよ!男は狼なんだよ!!………ッハ!てことはロリコン…!?」

「んなわけあるかァ!!」


ヒィ!
怒られた!!


なんてやり取りをしてる間に女の子が魔獣さんのもとに行ってしまった

彼女の手にはおにぎりが二つ握られていた


……おいしそう(食い意地?張ってますが??)

あ、魔獣さんにあげるんですか?

………なんていい子!そして私より勇気のある子!


心の優しい子はそのおにぎりを魔獣さんへあげようとした


…………な・の・に


「いらねぇっつったろ!帰れ!!踏み殺すぞガキ!!」


な、なんて奴だ!

その子はあんたみたいな怖い奴でも怯えずに近づいてったのに…


それを『踏み殺す』だぁ!?


コノヤロー!逆に踏み殺してやろうか!?


「…ッ!……ッ…!!」

「よくわかんねーけど、言いたいことは口にしろ」

「アルトさん…」


…………怖くて無理ッス


自分の意気地の無さに落ち込んでいるとおかしな笑い声が聞こえてきた

見た目もおかしな人だけど、どうやら女の子は魔獣さんの魔の手から助かるらしい(だって海軍だから)

それならよかった、とホッとしていたのに…


「ぶぇ!マズッ!砂糖が入ってんぞ!!」

「だって甘い方がおいしいと思って…!」

「こんなもん食えるかボケッ!!」

「ああっ!やめてよォ!!」


ケツアゴォォオ!!おまっ
なにしてんだァァァア!!


女の子が作ったおにぎりを勝手に食べてといてそれを踏み付けるなんて


怒っているのに、殴り飛ばしたいのに、相手が相手なだけあって行動にうつせず拳をにぎりしめる


海軍はボロボロ涙を流す女の子を塀の向こう、つまりこちら側に投げ飛ばしてきた


「いやぁぁあ!!」

「「「!」」」


ドサッ…!


地面にぶつかる前にルフィさんがキャッチしたので怪我はなかった


なかったが…


「………ッ」


ムカつく…

ムカつくムカつく


ムカつく!


だから海軍はイヤなんだよ!


塀の方を睨むが、もうそこに海軍はいないだろう


「アルト」

「はい」

「来い」

「はい」


・・・・・・


「はい?………って、うわ!」


女の子をキャッチするため私を離してくれたのだが、なぜか再び担がれてしまった


来いって、どこ!?

……ちょ、なんで塀に手をかけてんの!?


ま、まさ……


「なんだてめェら、まだいたのか」


ギャバァア!!

やりやがったよこの麦藁帽子!





塀+乗り越え

=やりやがった



(…おい、抱えてる奴大丈夫か?)(ん?どうしたんだ?アルト)(この人アホだこの人アホだこの人アホだこの人アホだこの人アホだこの人アホだ…)


(……なんなんだ、こいつらは)