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不思議な出会い


お魚さんTシャツを着てテンションマックス

私の服を買ったから次はナミさんのかなー、なんて思ってたら腕を掴まれた(え?)


そして急にナミさんが「靴を買いにいくわよー」と言ったのだ(ノオォォォオ!!)


「いーやーだー!靴はいーやーだー!!」

「はかなきゃダメよ!!怪我したらどうすんの!!」

「……でもいーやーだー!!」

「いいから来なさい!!」







「………………何してんだ?」


町中でナミさんと靴をはく、はかないの攻防戦で騒いでいたら、ばったりとゾロさんに出くわした


あぁ!神のお助けだ!!


「ゾロさん助けてー!!」

「いや、状況の説明をしてくれ」

「靴、やだ、はきたくない」

「…………あぁ、なんとなくわかった」


やり取りの途中でも力を緩めないナミさん

互いに引っ張りあいながらその場に止まっている


「ふん…あんた助けを求める相手、間違えたようね」

「え?」

「ゾロ!!」

「…はいはい」


…………………え?


ナミさんが怪しく笑った瞬間、いきなり視界が揺れた

体は、浮いた


…………ま、まさか…


「はー、疲れた」

「あ、金返す」


担がれてるー!!!


普通に会話する二人、というかゾロさんの肩で、ガボーン!とショックを受ける(逃げらんないー!)


「あー、それアルトの靴代にして。そしてあんた暇でしょ?」

「まぁ、用事は終わったからな」

「だったらアルトのことよろしく」


そう言いこの場をあとにするナミさん

きっと自分の服を買うのだろう、何も買ってなかったし

従うしか選択はないとわかった私は力なく項垂れたのだった


「まったく…なんでそんなに嫌なんだよ」

「うぅ…だってなんかムズムズする」

「……………水虫?」

「違ーう!!」


ギャーギャーワーワー騒ぎながら(主に私が)靴を買いに町を歩く


……歩く

…………歩く

………ある、く



…………………


「ゾロさん」

「あ?」

「絶対ここないよ、靴屋」


つーか何処さ、ここ


明らかに人通りがない裏道に出てきた私たち

薄気味悪いところで不気味だが…まぁ、一人じゃないし


しかし、何処??


とりあえず肩から下ろしてもらい、辺りを見渡す


「………え、これ迷子?え?」

「……………いや、合ってる」

「え、なにが?まさか靴屋までの道が?」

「…………………」


すっかり黙りこんでしまったゾロさん

彼もわざとではないだろうから、これ以上責めることはしない


……しない、が

う゛ーん、どうしよう


人がいない道の真ん中で二人佇む

人がいない、ので道を聞くことができない(どうしよう……)


腕を組みながら打開策を考えていたら、隣のゾロさんが謝ってきた


「なんか、わりぃ」

「え」

「おれのせいで」


気まずそうに頬を掻くゾロさん


あ、あぁ……!

別に怒ってるわけじゃないのに!


えーと、えーと、えー……っと


と、とりあえず!


「どっか歩いてたら町中出れるよ!」

「……そうだな」

「うん!行きましょ、行きましょー!」

「え、ちょ」


私より一回りも二回りも大きい手を掴み引っ張って行く

ゾロさんがキョドったけどそこは勘弁して欲しい


だってここ薄気味悪いしね!あ、あはははは!


「(うぐっ…手なんか握らないでくれ!た、頼むから!)」

「うーんと」


私の第六感でいくと……………


「そこを右だ!」

「………はぁ(……そんなこと思っても振りほどけない自分……もう嫌だ)」



































「…………ホント、申し訳ないです」

「…………いや、お互い様だろ」


第六感なんてくそ食らえ


あのあと、私の勘で突き進んでいったら余計に迷った


………おかしいな、ここって結構栄えてるからすぐ出れると思ってたのに


落ち込んでいたらゾロさんに頭を優しく叩かれ泣きそうになった(…ぐすん)





「あららららー?」

「あ?」

「へっ」


そこに聞こえてきた第三者の声

少し間延びしてておバカな感じがするが、今の私たちにとってそれはまさに神の声なのだ


「お二人さん、立派な刀持ってるねぇー」


振り返るとそこには、声同様にダルダルな格好をしたダルダルの男

ボサボサの黒髪を掻きながらダルダルと歩いてくる


「誰だテメェ」

「あー、怪しいものじゃないから

ふんふんふん…どれもいい刀だねぇ

んん?………お嬢ちゃん、ちょっと貸してもらっていい?」

「え、あ…はぁ」


なんか、こう…のんびりしたしゃべり方だなぁ


戸惑いながらも腰の刀を差し出す

すると男の人……とりあえずダルさん(ダルダルな人だから)は私の刀を調べ始めた


……いったいなんなんだ?


「………おい」

「はい?」

「大丈夫かよ、わけわかんねぇ奴に渡しても」

「大丈夫だよ…多分」


聞こえないよう小声で話し合いながらその様子を見守る

しばらくして一通り見終わったのか刀を返してくれた(ほら、大丈夫だった!)


「うん、やっぱりそれはあれだ……えと、んーと、あれだ」

「「どれだよ」」

「………忘れちゃった」


もうこの人、変

いきなり来て、なんなのさ


「とにかく、これは良業物だ」

「…りょーわざもの?」

「いい刀ってことだよ」


ほうほう、そうなのか


両手で握りながら刀を鞘から出す


………うん、見た感じ普通


「その刀は、切れ味は物凄くいいんだけど……定期的に手入れをしないと斬れないんだよ」

「へぇ…よく知ってんなぁ」

「うん、知り合いに刀に詳しい女の子がいてさぁ」

「ほー………ん?」


手入れかぁ…

ま、使わないし…今はいっか


刀を腰に戻すと、ダルさんの発言を聞いて頬をひきつらせるゾロさんがいた(何故?)


「髪の短い眼鏡かけた子でさー、その子なら刀の名前もわかると思うんだ」

「へー!」


すっごいなぁー、その人


「あ、なんなら呼んでこよっか?」

「あ、いいんで「こ、断る!」むがっ!?」


せっかくだから、と思いその人を呼んでもらおうとしたら、ゾロさんに口を塞がれてしまった


「おれたちは急いでんだ、大通りの道を教えてくれ!」

「大通り?ならそこの道を真っ直ぐ行けば出れるよ」

「そうか」

「む゛ー!!」


ゾロさーん!手!手!


塞いだ手を離すことなく引きずっていくゾロさん

転ばないよう一生懸命足並みを合わしていたら、ダルさんに声をかけられた


「お嬢ちゃーん、その刀さしてると危ないから極力持ち歩かない方がいいよー!」


へ?それってどういう意味?


わけがわからず振り返るが、そこにはもう誰もおらず…私たちは首を傾げた


「何者だ、あいつ」

「……悪い人じゃない、といいなぁ」


そう二人で呟き、教えてもらった道を真っ直ぐ進んでいった





刀+ダルさん

=不思議な人



(大通り、来たー!)(意外に近くだったな)(うぅ、人がいるってすばらしい!)


(んじゃあ靴屋行くか)(…忘れてたぁあ!)