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「#幼馴染」のBL小説を読む
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謎の追求



「じゃあアルトを連れてってもいいんだな!?」

「あぁ」

「やったぶっ!!」

「アルト!!」

「な゛みざ…!」


ダンさんに抱きついていたら、ナミさんに呼ばれた

ナミさんは両手を大きく開いていて…


「ごれがらもっ…ずっどいっしょで、ず!どもだちで…す!」

「えぇ!」


その胸に飛び込み熱い抱擁(ぎゅう!とね)(…ちょっと苦しい、かな)


これが友情ってやつだね!


「………ナミ、なんでおれを突き飛ばしたんだ?」

「邪魔だったから」

「…こんにゃろー!」

「止めろルフィ!勝てねぇって!」

「おれとしては二人まとめて抱き締めたい…」

「おい」


あぁ、嬉しいな

こうやって皆とまた騒げると思うとさ…


鼻水を啜りながら更にギュッ!と抱きついていたら、いきなりバリッと剥がされてしまった


「さぁさぁ!喜ぶ前に荷造りだよ!」

「うわわ…!」


マイルさんに引きずられ二階の自分の部屋へと連れていかれる


「そ、そんなに急がなくても…」

「……アルト」

「わぁ、超荷造りしたい!」


急に無表情で見つめてくるマイルさんに背筋が伸びる(こ、こわいぃぃい!)

汗ダラダラにし彼のあとに付いていった


に、荷造りがんばりまっす!



















――――……



アルトがいなくなり少し重い空気、になった気がした

珍しくルフィが何も喋らない

あの黒髪の男を睨み付けてるところを見ると、そいつを大分嫌っているようだ


………ま、おれもあんまし好きじゃねぇし


「…クッ、睨むなよ。そんなにおれが嫌いか?」

「おぉ、嫌いだ!」

「ハッハッハ!直球だな!安心しろ、おれも嫌いだ」


先程とは一変して緩い感じになった男

嫌い、なんて言いながらも笑っている


「でも、ま…感謝はしてるさ」


そう言うと男は椅子から立ち上がり、床に手をつける


その様子にもちろん驚いたのはおれだけじゃなくて


「な、何してんのよ!?」

「…………とう」

「え………!?」
















「ホンットに…!ありがとう……ッ!!」


震える声が部屋一面に響き渡る


「おれぁ…死んだかと…もう、ダメかと思って……"あの人"に会わせる顔がねぇと……思って…!」


未だに頭を下げ続けるこいつを見て、さっきまでの態度は強がっていただけだとわかった




ずっと心配で心配で、

おれらみたいな見ず知らずの野郎になんか任せたくなくて、


今度こそ側から離さずに、しっかり守ってやりたいんだろう


「安心しろ!」

「………!」

「アルトはおれらが守る!」


絶対に!


そう言ってにしし、といつものように笑うルフィに男もつられて笑う


「…あぁ、しっかり頼む」


……言われなくても


初めて会った時よりかは大分印象がよくなった頃

男が新たなタバコを出して火を点けた


「…………あ、そうだ」

「なぁ、なんか飯ねぇか?」

「………………」

「腹へっちまぶっ!!」

「気にしないで続けて」


ナミの拳がルフィの頬にめり込む(まぁ、今のはルフィが悪い)

男は無言でその様子を見つめ、煙を吐きながら言葉を続けた


「あいつ、腰に刀さしてたが…ありゃあ、どうした?」


……刀?そういや持ってたな

あいつ、抜かないからんなこと忘れてた


ルフィいわく、あの刀はおれが鷹の目に斬られたあと(やなこと思い出したな、くそ)、奴から貰っていたらしい


鷹の目……たしか、あいつアルトのこと知ってる風に言ってたような…

……いや、聞きたいことは他にもある


「………鷹の目、てこたぁ…ミホークの野郎か」

「おめぇ知ってんのか?」

「まぁな、こんなんでも昔は刀片手に暴れてたし」


……聞きてぇことがまた増えた


こうなったら全部聞いてやる


もう先程の土下座の姿なんか微塵も感じさせない態度のこの男に声をかける


「おれも聞きてぇことがある」

「断る」

「……………」

「ハハ!嘘だ嘘だ、何でも聞け」


……こいつ斬りてぇ


「…………アルトの親父は、何もんなんだ?」

「……あー、それが来るとは思わなかった」




思わなかった?

悪いな、こっちは気になる発言をいくつか聞いてるからよ





ウソップのところで聞いて


『…嘘じゃない。正真正銘私の父ちゃんなのに。私だって、誇りなのに…!』


そして、熱でぶっ倒れてたとき、意識が朦朧としてる中


『………私じゃ、無理だ……った……ひぐっ……父ちゃん…いつなの…いつになっ、たら……ただいまって言ってくれる、の?』


あまりにも小声で、聞き取れたのはきっと担いでいたおれだけ

それでも心の底からの声だった












…さぁ、答えてもらおうか

お前、何でも答えるっつったよな?


「そうだな、それじゃあ少し昔話をしてやろう」


いつもはうるさいルフィも黙りこむ(さっきの不機嫌顔とは違い真剣な顔つき)

ナミもウソップもコックも、目の前の男を黙って見つめた




















「アルトの親父は……周りが引くほどの親バカだった」

「「「「「ちょっと待った」」」」」

「うるせー、黙って聞け」





親父+アルト

=それは少し昔の話



(出だしからもう聞きたくねぇ!)(それ笑い話でしょ、シリアスな雰囲気出してたくせに!)(んだと餓鬼共が)

(とりあえず重要なんだよ!)(嘘つけ!)