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「#幼馴染」のBL小説を読む
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餌付け、ちゃった?



目が覚めたら男の人が二人いました


…………いや、だれ?


「お、目が覚めた」

「だ、大丈夫ですか?」


心配そうにこちらを覗き込んできた二人(…麦藁帽子の人は鼻ほじってるけど)

体を起こすと、脇腹に鈍い痛みがはしった
その痛みのおかげで先程のことを思い出した


「…ッ…海賊たちは?」

「安心してください。ルフィさん…この人がみんな倒してくれましたよ」

「……………えぇ!?」

「おう!あいつら弱かったぞ」


にしし、と笑いながら握りこぶしをつくる人を見て口を開ける


倒した?
あの人数を?
一人で?




………ここにも化け物級の人がいた


きっとお腹に激突してきたのもこの人だろう

助けてもらった手前文句は言えないが…


「あの…何故あんなところに居たんですか?」


眼鏡をかけた人が尋ねてきた
その質問に一から話していく




私は東の海〈イーストブルー〉にあるとある島に住んでいました。とっても平和な島です。
そんな島でみんなと仲良く暮らしていたんですが……ある日家族と喧嘩をしたんです。

理由は……まぁ、それは置いといてっと。

とにかく私はなんの準備もせず、海に飛び出しました。
無謀なことだとわかっていましたが………そのあと津波に巻き込まれたので準備もなにも意味はありませんでしたよ。

ラッキーなことに流れ着いた先はとある田舎町でした。そこの人々はみんな優しくそこで暫くお世話になりました。
体力も回復したころ、私は小船をいただきました。

…ホント、お世話になりましたよ、あの町の人々には。

一緒に流れ着いた少ない荷物を持ちながら町を出た私は自分のいた島を目指していたのですが…


「そこで小船が浸水し始め、慌てて乗り込んだのが海賊船だった………というわけです」

「…波瀾万丈ですね」

「い、いや…そんなことありませんよ」


ただ、ハプニングが重なっただけ…ということにしとこう、うん


気持ちを持ち直し、二人と向き合う
危険なところを助けてもらったのだからなにかしらでお礼をしなければいけない
しかし、私が出来ることといえば……


「あ、あの…お腹空いてませんか?」

「空いてる!!」


お、おぉ…元気のいい返事だ


今まで静かだった(お腹空いてたからかな)麦藁帽子さんが勢いよく答えた

とりあえず少し待ってもらい、自分の少ない荷物である釣竿に餌を付け、海に垂らす

そして


「はい、一匹目!」

「うぉ!でっけー!!」


釣り上げた


私が出来る…数少ない特技、それは釣り
小さい頃からやっていたのでこのくらいの魚を釣るのは簡単だ


「す、すごいですねっ!」

「へへへっ、まだまだこれからだよ」


再び糸を垂らす


「キッチンないから料理できないですが」

「いや、新鮮だから生でもいける!」

「確かに!刺身で食べられますね」

「おっ、これもなかなか…」


えへへー
喜んでもらってうれしいーなぁ









……………『これも』って、なに?


くるりと視線を向けると、私の所持している魚の餌を貪り食べている麦藁帽子さんが…


「って、うおぉぉぉぉい!!なに食べちゃってんのォ!?」

「る、ルフィさぁぁぁぁぁぁん!?」

「ゲテモノ」

「そう思うなら何故食べる!?」


ゴクン、と飲み込み満足そうな麦藁さんを見てうなだれる


…いや、喜んでもらったのなら光栄です

………でも、餌無くなった


「な、なんかすみません…」

「大丈夫です…」


ぶっちゃけると…餌を食べた彼の正気を疑います


「あー、食った食った!お前いいなぁ。好きだぞ、おれ」

「はぁ、そうですか…(なんか、餌付けた?)」

「よし!お前仲間になれ!」

「えぇ!?」

「…………?なんの??」

「海賊だ!!」

「へぇ〜…






……ッうぇぇええぇぇぇえ!!?」





お礼+餌付ける

=仲間入り?



(そーいえば、海賊王とか言ってた…!)

(おれ、モンキー・D・ルフィ!こっちは、)(あ、コビーです………じゃなくって!)(か、海賊だったん、だ……)