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信じるもんか!!



「あぁああ!!」

「ひゃっほー!飛んでるみてェだ!!」

「ブッ飛んんだよバカ!!…ハッ!アルトちゃん、大丈夫かい!?」

「………だ、だめです…!!」


死んだ

絶対死んだよ、私


空を飛ぶ船にしがみつく私たち

何故こうなったかというと…







「いやー、はっはっはっー!はえーはえー!!」

「アーロンパークへ!」

「はい、水」

「ありがとうございます…」


先程急に現れた(襲いにきた)牛さんに船を引っ張ってもらい、猛スピードで島に近づいていた


サンジさんに貰った水を飲むため、体を起こす


「あ、嬢ちゃん元気になったんですか?」

「え、あ…はい!」

「おー!よかったなぁ!!」

「アルトちゃん…」


これから行くところは危険かもしれない

魚人という、人間よりかも強い種族がいる島

戦うこともあるかもしれない


だったら、これしきの風邪でみんなに心配をかけるわけにはいかないんだ


そういう意味を込めてサンジさんに笑ったら、無言で頭を撫でられた

そのあと、「無茶しないでね」と言われたので、私の気持ちは伝わったみたい


大丈夫です

ナミさんに会うまで倒れませ…


「おい!そっちじゃねぇ!!」

「あの建物だって!!」

「ぶつかるゥ!!」


「……ん?」


ドッゴォォオ!!


「よ゛!!?」


目的地とは違うところに進んでいく牛さん

牛さんはそのままのスピードで岸に突っ込んだ

そして私たちの船はその勢いで空を飛び


「「「あぁあぁああ!!」」」


冒頭に戻る


…ヤバイんですけど、ヤバイんですけど!

倒れるどころか死んじゃうんですけど!!


……あぁ、短い人生だった(諦め)


「林に突っ込むぞ!!」

「うわぁぁあ!!」

「アルトちゃん!こっちに!!」

「うわぁ…!」


上に向かっていた船が下に傾く

そして、前方の林に突っ込んだ


下り坂だったためか、物凄い速度で突き進んでいく船


サンジさんの腕の中にいるので振り落とされる心配はなかった、が


「と、止まらないィィイ!!」

「あー!アルトちゃんがおれに抱き着いてきたー!!」

「え、」

「んなこと言ってる場合か!」

「ズリィ!変われサンジ!!」

「え、」

「あんたもかァ!!」


あぁ、死ぬかもしれないってときに何やってんだろう…

ていうか、もうホント…


「…ムリッス」

「アルトー!!」

「アルトちゃーん!?」

「こっちもムリッスー!!」


ドカァアン!!


「いっ!!?」

「「「ああぁぁあぁあぁ!!」」」


ドッゴォォオ…!!










「てめェら一体何やってんだ!!」

「何って、ナミ連れ戻しにきたんだよ」

「わー、サンジさんがいっぱいいるー」

「しっかりしてー!!」


サンジさんの腕の中で目を回す


つーか、生きてたよ

自分信じられない


いや、それ以上にゾロさんが信じられないよ


猛スピードで林を進んでいたら、いるとは思っていなかったゾロさんが前方にいた

そのまま彼をひいてしまったのだ(まさかの確率!)

そのうえ全員生きてる(まさかの奇跡!)


「っと、こんなことしてる場合じゃねェ!!」

「ん?どうした?」

「ウソップがアーロンに捕まってるんだ!」


アーロン…どちらさま?


……いや、この雰囲気からして敵さんですよねー


予想通りの戦闘の予感に涙を流す


「だから早く行かねェと殺さ「殺されました!!」

「!ジョニー…」


辺りに響き渡る大きな声

そして彼の台詞にみんなが固まる


殺さ、れた?


ウソップさん、が?


「う、嘘だ…」

「嘘じゃありません…ウソップの兄貴は殺されました!!





………ナミの姉貴に!!」

「「「「!?」」」」



「…………――」


………は、

今、なんて?


風邪のせいで元から正常に機能していない頭

ジョニーさんの言葉の意味を直ぐには理解できなかった


理解できたのは、ルフィさんがジョニーさんに掴みかかったとき


…理解はしたけど、認めたくはない

ナミさんがするわけない!!


「ナミがウソップを殺すわけねェだろうが!!おれ達は仲間だぞ!!」

「信じたくなきゃそうすればいいさ!おれはこの目で…!!」


認めたくなかった

信じたくなかった

嘘だと願っていた




でも










「誰が仲間だって?」

「…ナミ」






「何しに、来たの?」


私たちの前に現れたナミさんは、私の想いを全て否定するかのように…冷たかった





ウソップさん+殺された!?

=犯人はナミさん!?



(仲間だから迎えに来た!)(大迷惑)


(ナミさん…嘘だ、嘘ですよね?)(………)