×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
ポジションは"漁師"



ウソップさんとルフィさんはコーヒー、私は焼き魚を食べながら今後について話し合う


「ウソップは"狙撃手"に決まりだな」

「まァ、ひとまずそれで甘んじてやろう」


いや、"船長"よりあってると思う


魚を頬張りながら内心頷く

頷いていると、彼らの話に巻き込まれてしまった


「アルトは妹だな」


このタイミングで何を!?

しかも妹じゃありません!
妹『的』です!


驚いているウソップさんに説明をし、誤解をとく

そしたら、呆れた表情を向けられた(なんかイラッとした)


でも、ポジションがあるのはいいなぁ…


ボケーッとしながら自分のポジションを考える

どうやら考えていたのは私だけではなかったらしい

何かに閃いたルフィさんはコーヒー片手に私を指差した


「じゃあ"漁師"!」

「え?」

「おれが"船長"、ゾロが"剣士"でナミは"航海士"!ウソップが"狙撃手"に決まって…アルトは"漁師"!」

「"漁師"って…他に言い方ねェのかよ」


"漁師"…うん、海賊って気がしない

というか、海賊に必要か?そのポジション


首を傾げながら眉間にシワを寄せる


「まァいいじゃねェか、おれらの幸せを釣る"漁師"ってな」

「「くさっ…」」

「う、うるせェ!!」


自分の発言に赤面するウソップさん

確かに今の台詞は恥ずかしいものがあったが、それを私はかっこいいと思ってしまった


「うん、いいかも」

「あぁ、そうだな!アルトは魚と幸せを釣る"漁師"だ!」


ウソップさんの一言で"漁師"を受け止めた私

こうして私のポジションが決まり、この船全員のポジションが決まった


しかし、これをきっかけに話し合いはさらに進んでいく


「もう一人必要なポジションがあるよな!」

「そうよね、立派なキッチンもあるし」

「長旅には不可欠だな」

「いろんな美味しい魚料理食べたいです!」

「魚好きなんだな」


みんなが頷きながら必要な要員について話し合う

私たちの話し合いの結果、ルフィさんの出した答えは


「やっぱり必要だよな





音楽家」

「何故!?」


予想外の答えに、ルフィさん以外の全員が驚く

そんな彼を責めるように立ち上がり怒鳴る


「アホかてめェは!!」

「珍しくいいこと言うと思ったら!」

「アルトだって分かってたのに!」

「それってどういうことブショイ!!」

「汚ッ!なんだよ、そのくしゃみ!?」

「ことぶしょい???」


あぁ、ルフィさん…
ほじくり返さないで…

忘れて、こんな恥ずかしいくしゃみ


音楽家は居てもいいが、やっぱり今私たちに必要なのはそれではない

私も責めたいが鼻水が垂れているので何も言えないでいる


とりあえずティッシュでかもうと息を吸った




そのとき


「出てこい海賊どもォーっ!!てめェら全員ブッ殺してやる!!」

「ブビーッ!!!」


突然見知らぬ男の声が響き渡った

驚いた私は力の限り鼻をかんでしまったため、耳に痛みが走る

ティッシュを片手に耳を押さえ込む


「全く…加減ってものを知らねェのか」

「だって…鼻、水が」

「仕方ねェからツナギしっかり着とけ」

「はい…」


袖を通してチャックを全てあげる

これで大分暖かくなるのだ


「って、なに和んでるのよ!そこォ!」

「あ?」

「そそそそうだ!知らェね奴が暴れてるってのに!」


窓から外の様子を眺めるナミさんにウソップさん

どうやらいつの間にいなくなっていたルフィさんが相手しているようだ


「……だって、どうにもできないし」

「それに相手は何人だ?」

「一人だけど…」

「じゃ、あいつに任せとけ」


ルフィさんに全てを任せた私たちは中で戦いが終わるのを待つことにした


「ほら、悪化するからしっかりツナギ着とけ」

「着てますよ」

「袖捲くってるだろ、おろせ」

「ういっす…」

「早いとこ治せよ?くしゃみがうるせェし」


袖をおろした私

これで全身真っ白になった







「おれの相棒殺す気かァ!!」



「…ッ船を………壊すなッ!!」

ドゴォ!!


外からものすごい音がした、かと思うと静かになった

どうやら戦いが終わったらしい



もちろん、こちらの勝利で


「……………」

「…ゾロさん?どうしました?」

「…いや、なんか聞いたことある声な気が……」


そう呟いたゾロさんは刀も持たずに外に出ていってしまった

そして外に出た彼からは驚きの声があがる


「知り合いなのか…!?」

「…どうなってんの?」

「どうし…ッフワッブショイ!!」

「…あーもー……ほら、鼻かみなさい」

「………一人でかめるまふ」


ティッシュを持ったナミさんが、それを私の鼻に添える


あれだ、俗に言う『はい、チーンして』だ





「それが…!!ヨサクの奴…!!」



「ナ、ナミさん!外でなんかあったんですよ!早く行きましょう?」

「かんだらね」

「………………」

「アルト」

「………ブピーッ」

「そうそう、よくできました」

「……なんだかんだでお前も過保護だよな」





奇襲+知り合い?

=ゾロのアニキ?



(ゾロのアニキー!ヨサクがァ!)

(だれ?)(おれが知るか)(なんか死にそうな奴、連れてきたぞ)(とにかく事情を聞きましょ)