届いたメッセージ
皆さん、怒ったときってどんなポーズをしますか?
そのときそのときで様々でしょうが…とりあえず今の私は
「………………」
「悪かったって」
「………………」
「むくれんなよ。昨日のことは謝るから。な?」
定番の頬っぺたぷくーをやっています
誰が見ても怒ってるということがわかるこのポーズ(いやぁ、便利便利)
おまけに視線をぷいっと反らし相手の顔を見ないようにする
相手の顔、とは先程私を蹴っ飛ばしたゾロさんで
「おい、こっち向けって」
つん、
「ぶふぅ」
「…………(地味に楽しい)」
……そんな彼から反省の色がまったく見えないのです(今も私の頬っぺたで遊んでるし!)
空気のない頬っぺたを今なおしつこくつついてくる。その行為に流石にそろそろムッときた私は、痛くない程度にその手を叩き、その場から走り去った
ふーん、だ!私だって怒るんだからね
根に持ったりするんだからね!
「………………」
「あーあ、嫌われたー」
「!」
「かわいそうにねぇ、あの子を思っての行動だったのに」
「…………んだよ、ナミか」
「ふふふ、私がどうにかしてあげようか?」
「あ?」
「今ならさっき届いた"これ"でアルトの機嫌は直ぐ治るのよ」
「…?」
私だってみんなの仲間、麦わら海賊団の一員なんだよ
そりゃあ、いろいろと力不足だろうけどさ?それでも邪魔者みたいに中に蹴り飛ばさなくてもいいんじゃない?
「王女さまもそう思いますよね?」
「…まぁ、蹴られるのは痛いしね」
「そう!痛いんですよ!」
クワッ!と歯をむき出しにしながら叫ぶ
あのあと、走り去った先にたまたま王女さまがいたので私の愚痴を聞いてもらっているのだが…
「私だって役に立ちたいんだよー!」
………溜め込んでいた量は相当のようで、止まることを知らない
話すだけじゃ晴れないこの思い。王女さまに当たらないよう手足をばたつかせていると、ぽこんっと軽く頭を叩かれた
顔を上にあげると呆れ顔のナミさんが
どうしたのか声をかけようと口を開くが、彼女が昨日の蹴り飛ばし事件の犯人その2であることを思いだし、すぐさま視線を背ける(ぷーん、だ)
「あらぁアルト、そんな態度とっていいのかしらねぇ」
「………いいの」
「へぇ、せっかくいいお知らせを持ってきたのに?」
「……………………いいお知らせ?」
そりゃいったい何ですか?
もったいぶるナミさんの発言が気になり、背けた視線をチラチラ向ける
それでも彼女の思うつぼのようで悔しく、何があったのか聞けないでいるとナミさんは手に持っている"それ"……新聞を広げてこちらに見せてきた
そこにはでかでかと文字書いてあり、写真も載ってる
………いや、つーか……え?ちょ………
…………い、今…!?
「ナ、ナミさんそれ見せて!」
「おーっと、見たければやることは一つよ」
あのしょげてる緑頭を許してあげなさい。そしたらこの新聞、あげるわ
にっこり、と笑顔でそう言ったナミさんの言葉に、私は弾かれたように立ち上がり、先程去った彼のもとへと走っていった(ゾロさぁぁぁぁあん!!!)
「………えーと、いったいどうしちゃったの?」
「ん?知りたい?…この新聞の記事読んでみなさい」
「え、えぇ…」
「……………………その記事に書いてある人たちね、あの子の…アルトの家族なのよ」
「……………………………………ぅ、えぇえ!?」
『先日グランドラインのテクタイ島にて海賊が暴れた。
被害状況は海軍基地が半壊したのみ。
海軍側の敗因の一つは五人の少数海賊団と甘く見ていたところにあるだろう。
しかし一番の問題はそこではなかった。
約二十年前、この海で二人男の話が持ちきりになっていた。
良い噂もなく野蛮な二人組。
海軍の手を煩わせていたのも覚えている。
そんな彼らが噂も姿も消してしまった事を。
世界に出回っていた手配書も何故か取り消されていて謎だけが残った。
そして十五年たった今、「ガルディーニ・ダン」と「ルベル・マイル」が"キャロット海賊団"として復活。
何故行方不明だったのか、何故今になって出てきたのかわからないが、今後海軍が苦戦するのは確実だろう。
なお、手配書の賞金額は十五年前と変わらず出回るようだ。』
新聞+いいこと
=一面に写るみんな
(うひひっ、みんな元気そうだ!)(お、おいおい…まだ別れて1日だろ?もう問題起こしたのか?)(楽しそうだな!おれらもやるか?)(やらねぇよ!)
(何でピースしてんのか、何でそんな海賊団の名前なのか、何で背中に人参の刺繍がしてあんのか)(…とかツッコミは入れていいのか?)(ダメだろ)
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