×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
小さな体でも守るんだ!



「何考えてるんですか!?」

「いや…体が勝手に…」


再び海軍基地を目指し、コビーさんと一緒に走る

ちなみにルフィさんは物凄い速さで先に行ってしまった


先程の行動に文句を言いながらも付いて来てくれるコビーさんも、私と同じ気持ちだと思う


「あれ?いない?」


塀を乗り越えてみるとルフィさんの姿は見えず、魔獣さんしかいない


おかしいな、先に行ったはずなのに…


コビーさんと一緒に首を傾げながら魔獣さんのもとへ行く




まずはこの縄を解かなくてはいけない


「お前らまで…一体なんなんだよ。海賊はお断りつったろ」

「えぇ、まぁ…こっちもお断りなんですけどね」


この人も勘違いか……くそっ

私は海賊になった記憶はないってのに


魔獣さんの縄を外していると、ルフィさんの居場所がわかった

どうやら基地の中に乗り込んだらしい


………うん、知ってた
あの人バカってこと、知ってた


「おい、いいのか!おれに手を貸せばてめェらが殺されるぞ」

「あなたに捕まる理由はない筈です!ぼくはこんな海軍見てられない!」

「ぶっちゃけると…私はもう手遅れですし……」


よくよく考えると…結構ヤバイことしたんじゃね?私……


右側の縄をコビーさんが、左側の縄を私が外しにかかる


……縄、固ッ!


「ぼくはきっと正しい海兵になるんです!ルフィさんが海賊王になるように!」

「えっ」

「か、海賊王だと…!?意味わかって言ってんのか!?」

「コビーさん海軍に入りたいの!?」

「・・・・・」

「痛いっ!」


自分でも少し空気読めてないと思ったら、無言で魔獣さんに蹴られた


………何故足も縛らなかった、海軍よ


「えへへへ…ぼくも驚きましたけど、だけど本気なんです!彼はそういう人です!!」


確かに、彼は本気だろうな


まるで自分のことのように言うコビーさんに、こっちまで嬉しくなっていたら、パン!と銃声が

驚いて横を見ると肩を撃たれ、血を流し倒れているコビーさん






「……えッ…!?」


突然のことで頭が真っ白になる

髪の色が真っ白だから中まで真っ白なのか〜

なんて、意味のわからないことを思うぐらい混乱している


「っ死ぬううああ〜ッ!!」

「!こ、コビーさん!」


彼の叫び声で意識が戻って来た

が、混乱は解けていなかったらしい



ど、どどどどどうしよう!

気付かれた!?そうだよね、これ!!

早く逃げなきゃ!


あぁ、でも縄固くて取れないし!!



どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう…!


そ、そうだ!!


「助かりません!あなたは三日後に処刑されるんです!!」

「何言ってやがる…!おれはあのバカ息子と約束を…」

「約束なんて初めから守る気なんてなかったんです。だからルフィさんとアルトさんはあなたにかわってあいつを殴ったんだ…!!

真剣に生き抜こうとしたあなたを踏みにじったから!!」

「な、何だと…!?・・・・・・・・・・で、その殴った片方はなにしてんだ?」

「何言ってんですか!救出に決まってるでしょう!!」


魔獣さんを縛り付けている丸太が突き刺さっている地面をひたすら掘る私


なぜかって?
…だって縄が取れないんだよ??

だったら丸太を掘り起こすしかないじゃないか!(混乱中)


「とりあえず、落ち着け」

「あがっ!」


地面を掘る私に魔獣さんは落ち着いた声で踵落としを決めた

脳天の衝撃に私はうずくまる


「と、とにかく!この縄をといたらルフィさんたちを助けてください!」

「…………」

「あなた方が力を合わせればこの町からだって逃げ出すことができるでしょう!逃げてください!」


撃たれたところが痛いのか、コビーさんは息を切らしながら話す


そうだよ

逃げなきゃ…


そう思い立ち上がったその瞬間






「そこまでだ!!」

「「「!!?」」」



やはり海軍に見つかっていた私たち

たくさんの海兵たちに銃を向けられてしまった




どうやらこの場で処刑されるらしい


「ヒィイ!死んだァァア!!」

「アァァア!!」

「……ッ!」


ヤバイ…恐すぎで涙が止まんない………!


足もガクガクして立ってるのがやっと
しかし、コビーさんは座り込んでいるし、魔獣さんは縛り付けられている


ここで動けるのは私だけ
ここで動かなければいけないのは私

ここで守るのは私しかいない


「ロロノア・ゾロ…てめェの評判はきいていたがこのおれを甘くみるなよ」


片手が斧の男

周りの海兵に指示を出してるところを見るかぎり、ここの大佐のようだ


「構えろ!!」

「「!!」」



「………ッ!…ダァア!!」



「なっ!?」

「アルトさん!?」


動けない二人を庇うように前に出る
両手を広げながら海軍たちに叫ぶ


「この二人には、夢があるんだァ!うた、うっ…!撃たせてたまるかァ!!」


足はガクガク

鼻水ダラダラ

涙もグショグショ


気を抜いたら気絶してしまいそうなぐらい怖い


でも


「射殺しろ!!」

「ッウワァァアアア!!」




ここで勇気を振り絞らなけりゃ

私はどこで振り絞るんだ







ズドドドドッ!!



「お前ッ!!」

「ルフィさんっ!!」

「…ふっ……うっ!!」









「効かーん!!」

「「「「うぉぉぉお!!?」」」」

「んなっはっはっは!」





涙で目の前が霞む

だけど、撃たれたのに怪我一つしてないルフィさんはしっかりと見えた


「アルト、がんばったな」

「…ふぇッ」




「あとはまかせろ!!」





涙+奇跡

=無傷の彼



(な、なんで無傷なのぉお…ッ!)(うおっ!な、泣くなよ!)(おまっ…一体何者なんだ!!)


(んっ?おれは海賊王になる男だ!!)