×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
魔獣さん≠悪い人



塀を乗り越えてしまったルフィさんと私(強制)

魔獣さんと約一メートルぐらいの距離になってしまい、再び恐怖が訪れてきた


「おれら今一緒に海賊になる仲間探してるんだ」

「………ちょ、ルフィさん?私仲間になってませんよ」

「ハン…!自分から悪党に成り下がろうってのか。ご苦労なこって」

「私は違いますよー」

「おれの意志だ!海賊になりたくて何が悪い」

「私、なりたいなんて言ってないんですけど」

「で?まさか縄ほどいてやるから力貸せ、なんて言い出すんじゃねぇだろうな」

「別にまだ誘うつもりねぇよ。お前悪い奴だって評判だから」

「あ、私も悪い奴なんで仲間にしない方がいいですよ」

「…お前ちょこちょこうっせぇな!」

「アルトうるさいってよ」

「……………はい」


怒られてしまった…

ごめんなさい


しかし、こう抱えられてるとお腹が痛い…


「…言っとくがそんな条件こっちから願い下げだ。おれにはやりてェ事があるんだ!」


…………私だって、やりたいことぐらい

まぁ、臆病者の私は行動にうつせませんが


どうやら一ヶ月このままで生き延びれば魔獣さんは助かるらしい

その約束をあのケツアゴとしたと言う




なにがなんでも生きのびる


そう言った魔獣さんはかっこよかった
彼を見て私はとてもうらやましく思う


「おい!…それとってくんねェか」


それ、とはさっきケツアゴによって踏み付けられたおにぎりだ

ルフィさんいわく、それはもうドロの固まりらしい


それなのに


「いいから黙って食わせろ。落ちてんの全部だ!」


大きく開けた口に放り込まれたドロドロのおにぎりを涙目になりながらも飲み込んだ


「…………」


その姿を見つめる


この人、見た目はこんな怖いけど…実際は優しい人だ




「あ、あのガキに…伝えてくれねぇか…!」

「何を?」




「『うまかった』『ごちそうさまでした』…ってよ」





「………あの」


魔獣さんの印象が少しずつ変わってきた私は勇気を持って声をかけてみた


「…あ?」

「…なんで、捕まったんですか?」

「…………うるせぇ。言う必要はねぇ」











「ほんと!?」

「ああ!残さずバリバリ食ってたよ」


あのあと、私は海軍基地を離れおにぎりを届けた女の子のもとへ来ていた


「あの人…優しいんだね」

「そうだよ。あのお兄ちゃんは私を助けてくれたんだよ」


女の子によると、あの魔獣さんはあのケツアゴが飼っている狼を斬ってしまったがために捕まってしまったらしい

女の子を助けるための行動なので魔獣さんはまったく悪くないのだ


「だから悪いのはモーガン親子よ!少しでも逆らえばすぐ死刑で、みんなびくびくしてるの」


モーガン?…あぁ、大佐の人か



なるほどね、親が大佐だからケツアゴはあんなに偉そうなんだね


ことの事実を知り、またムカムカしているところに耳障りな笑い声が響いた


「ひぇっひぇっひぇ!三日後、ゾロの奴を公開処刑にする!みせしめだ、楽しみに待ってろ!!」

「…えっ?」

「三日後?」


ケツアゴの発言に目を丸くする

ルフィさんも不思議に思い奴に尋ねた


「一ヶ月の約束はどうしたんだ!」

「そんな約束ギャグに決まってんだろっ!ひぇっひぇ〜!!」



「………ッ!!」


ドカッ!!


「「「!!」」」


ムカつくケツアゴをルフィさんが殴った

それに町の人はもちろん、私やコビーさんも驚く





……………あぁ、この人も凄い

うらやましいな


私みたいに恐怖にも縛られず、自分の思うままに行動ができて




『いいかアルト、おれはお前がなにしようと止めねェ…

海に出ようが、出なかろうが、
海軍になろうが、海賊になろうが、


……だがな、お前は

後悔だけはすんな』


「…………」


『もし、後悔するようなことがあったなら』






「ルフィさん!こらえて下さい!!」

「知るか!何やっててもクズはクズだ!」



「な、殴りながったな!このおれ…ヲ゛ッ!?」


ドコッ!


「「「!!」」」

「アルトさんまでなにを!?」

「アルト…」


『それ以降、後悔しないような行動をしろ

前した分の後悔を忘れるくらいの行動を起こせ

そうすりゃ気持ちも晴れる』


「…ししし、アルト!決めたぞ!!……おれはゾロを仲間に引き込む!!」

「うん、それがいいと思う」


右の拳が痛いや


…そういや、こいつ
海軍だっけ




ま、いっか
今……すっきりしたから








「ルフィさん!行きましょう!!」





約束+破る

=魔獣さんを仲間に



(よーし、これで二人目だな)(………ハッ!まさかそれは私もカウントに!?)(当たり前だろ?)


(ま、まって下さいよ!二人とも!)