:: 勇者の場合
「リンク、はい！」
「ナマエの手作りだ！嬉しいな」
「どう、美味しいかな……？」
「ん、やっぱりナマエは料理上手だね！ナマエのチョコが一番美味しいよ」
「えっ本気で嬉しい」
「ゼルダはチョコよりごはんの方が美味しいんだよね。クラネ先輩やクイナさんのチョコは普通に美味しかったけど。ルビアさんは懐かしいおふくろの味、パナンちゃんはかぼちゃ料理は上手なんだけどな、ジャクリーヌさんは、」
「いくつ貰ったの？」
「……多くて数え切れない」
「リア充め」
:: 繊細非力の場合
「セバスン、これ！」
「わあ、美味しそう！これどうしたの？」
「今日はバレンタインだよ」
「僕がもらっていいの？」
「もちろん！」
「わあ、ありがとう！嬉しいなあ、僕女の子からチョコ貰ったの初めてだよ」
「可愛い萌える」
「え？」
「ううん、何でもない」
:: 頑丈純情の場合
「バド、チョコだよ！」
「おっ美味そうじゃねえか！……ってなんだ、ナマエかよ」
「嬉しくなさそう」
「あー、普通に嬉しいんだけど、なんつうか、その」
「ゼルダから貰えた？」
「………」
「もう、だからナマエさんが作ってあげたんじゃないですかー！ゼルダから貰えなくて寂しい思いするのは可哀相だなって思ったからさ、こんなに可愛いチョコをバドの為にわたしは一生懸命」
「おいナマエ」
「はい」
「何で俺がゼルダから貰えないこと前提なんだよ」
「………」
:: 熱血秀才の場合
「キコア先輩、どうぞ！」
「むっナマエ君！もしかしてこれはバレンタインのチョコかい？はっはっは、どうもありがとう！先輩にもきちんとチョコを配るなんて良い心掛けだね！そう、そういう礼儀の積み重ねも一人前の騎士になるためには必要なことだよ！僕も誰も見ていないところで掃除をしたり、見回りをしたりして自分自身を鍛えているんだ！これも立派な訓練さ！だから面倒臭いとか思わず頑張るんだよ！努力は人を裏切らないからね！塵も積もれば山となるんだよ！」
「先輩」
「なんだい！」
「ちょっと、面倒臭いです」
:: 魔族長の場合
「ギラヒム様、どうぞ」
「何だこの黒い塊は」
「チョコです」
「何故ワタシに」
「今日はバレンタインです」
「バレンタインとは」
「女性が好意を寄せる相手にお菓子、一般的にはチョコレートを渡す人間社会の習慣です」
「………！」
「どうしました」
「……ナマエ君は、ワタシに好意を寄せているのか！？」
「いえ違います」
「いいや照れなくてもいいんだよ！そうか……そういう事だったんだね！」
「あの」
「ナマエ君が容姿端麗眉目秀麗なワタシの魅力の虜になるのも時間の問題だと判ってはいたんだけれどもね！」
「バレンタインには義理チョコというものが」
「ナマエ君、遠慮はいらないよ！さあじっくりと……たっぷりと……ワタシの情熱のセ」
「いい加減にしろ！」
St. Valentine's day!