そんな所謂幽霊というやつを彼女たちは信じていない… いや、寧ろガッツリ信じているだろう。好奇心の塊のような連中だ。ツナにはそう思えた。
唐突に続いていたキーを叩く音が止む。

「月岡データ見つけたぜ。そこから6つ目のサーバーに入ってる。今こっちで弾き出すから」
【頼む】

カタタ、と手中に収めたシステムを操る。そうすれば月岡のいるシステム室。そこに並ぶサーバーが1つ前に出てくる。どこかレコーダーデッキにも似た機械。それに近付きながら懐からフラッシュメモリを取り出した。これももちろん普通の電器店では売っていない大容量のもの。ちょっとやそっとじゃデータも損なわれない。
その分値段も張るがそんなのは意にも介さない。金なら幾らでも工面出来る。

データサーバーにUSBプラグがあるのを確認して差し込む。後はまた安達がやる。
インカム越しに安達の操作音を聞きながら待つだけ。楽な仕事だ。一応気を張っているが警備員が来る気配は無い。ザザザ、と小さなノイズ。

【嵐データ移行完了した。もうそれ引っこ抜いていいぞ】
【行き同様帰りも細心の注意を払って下さいね】
『分かってる。ガキじゃねーんだから大丈夫だ』

あまりに手早く簡単に終わってしまったこのミッション。それを間近で見たツナの感想は

「(この人たちと居たら人生と言う名のゲームが簡単に終われそう)」

だった。


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