継母、そしてその連れ子である義姉たちに虐げられ苦痛の日々を送るシンデレラ。涙を堪え、遠い異国に出稼ぎに出さされている父を想い、必死に我慢してきたシンデレラですがついに救われる日がやってきた… かもしれません。
今宵お城にて行われる舞踏会にてこの国の王子様の婚約者が決められます。
有名な国のお姫様や名高い貴族のご令嬢だけでなく、庶民の中からも選ばれるということもあってか招かれた娘たちは皆気合い十分。玉の輿を狙って、シンデレラの姉たちもめかし込んで赴きました。その瞬間、シンデレラは復讐のの火蓋を切って落としたのです。
『この説明だと私が悪女みたいじゃない?』
「前半は悲劇のヒロインなのにな」
「シンデレラは悪女じゃなくてS女だけどな!」
上から順にシンデレラ・魔法使い・馬(笑)の順でお送りします。 継母たちを見返すため、王子を我が物にせんと1人画策していたシンデレラの元に現れた魔法使い。そして更に魔法使いによって喚ばれたシンデレラのペットな青年・ディーノ。この3人の手腕いかほどによって王子を手に入れることが出来るのです。魔法使いからもらった美しいドレスに身を包みながらシンデレラは眉を潜めました。
『で、これからどうするの?まさかこれ(ディーノ)だけで終わりってワケじゃないでしょう?』
「(物扱いされた…!はぁはぁ…!)」
「もちろんだぞ。馬がいても馬が引く馬車がなきゃ意味がねーからな」
その可愛らしい赤ん坊の見てくれとは相反して、とてもニヒルに魔法使いは笑いました。そうして何かを探すようにキョロキョロと辺りを見渡して。
目当てのものが見つかったのか、それのあるほうにぽてぽてと歩いて行きました。
一体何を探していたのでしょうか?
その疑問もすぐに解消されました。
「コレを馬車にするぞ」
『カボチャ?』
コレと言って指差したのはシンデレラの家の作物であるカボチャでした。オレンジ色の、大きなカボチャ。これを一体何に使うと言うのでしょう?
訳も分からずシンデレラとディーノは頭に疑問符を浮かべます。
そんな2人に構うことなく、魔法使いは自慢のステッキを一振り。
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