用意された席は並盛商店街が一望出来る席。
こんな眺めのいい席を取れたのは恭弥の影響か。私は目の前で頬杖を付いている恭弥を見た。
指先でメニューを弄る恭弥。
私はそんな恭弥を見ながらある事を決心した。 

『あ、あのさ…っ!前から思ってたんだけど、恭弥って…何か悪い事してるの?ほら、色々と…あるし。』

語尾が小さくなったのは、恭弥のポーカーフェイスが少し崩れた影響か。目を僅かに見張った恭弥は、目を逸らす私を見て薄く微笑んだ…気がした。

「…芹奈は知らなくていいよ。
それに、僕は悪い事はしてない。強いて言うなら…この並盛の秩序を守ってるんだから。」

『う、うん?』

「秩序」の意味が分からなかったのだが、約束…と自分の脳内の語句を勝手に当てはめる。
(だって習ってないんだもん)
習っていない言葉を言っている恭弥に一種の尊敬を覚えながらも、自分のボキャブラリーの無さを呪ったりした。
(けれど、恭弥が私の頭を撫ぜてくれたから深く考えない事にしよう!)

「それより、パフェ…頼まなくていいの?」

『あ、忘れてた』

お姉さんを呼んだ後、ふとドリンクバーの所に居た人らと目があった。
何処かで見た事あると思ったら…

『ツナ君に獄寺君っ!』

「あ、」

「げっ」

私の事を驚いた様に見たツナ君と、嫌そうな顔で見てくる獄寺君。しかし、その嫌そうな目は私を通り越して…

「チッ(あの野郎も一緒なのかよ)」

小さく舌打ちを零す獄寺君をみて、ツナ君は顔を真っ青にしながら彼を咎める。

『ツナ君も…ナッポパフェ、食べに来たの?』

「(ナッポ…)…ううん。俺等は此処に来いってリボーンから。(もしかして、リボーンの奴…俺らと芹奈ちゃんらを会わすためだったのか?)」

『あ、成程。リボーン君に呼ばれたんだ?』

何故か恭弥を睨んでいる獄寺君と恭弥を放っておいて、私はツナ君との会話に花を咲かせた。
ナッポパフェを食べていないらしいツナ君に、勧めてみたら「ある人を思い出すから遠慮しとく」と渋い顔付きで断られた。
(ある人って誰かな?)→
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