オマケ

了平に勉強を教え終わった後、外は予想通りと言うかなんと言うか……大雨が降っていた。そんな日に何故か傘を持っていなかった俺は「俺はアホだ」と呟きながら項垂れ、了平から傘を借りるために

「何なら泊ってもいいのだぞ」

「んー、今日は遠慮しとく。これ以上傍に居たらそれこそ緊張所じゃねぇし」

俺の言葉に了平は首を傾げ、京子は顔を真赤にさせる。そんな二人の違った反応に笑いつつ「お邪魔しましたー」と声を上げて扉を開けると「ま、待ってください!」と京子の小さい制しの声が掛った。
何事かと振り返れば長靴を履いている京子は視界いっぱいに広がって「見送ります」と嬉しいお言葉が。しかし女の子をこんな夜遅くに出すのは男としてだめだろうし、ましてや外は大雨だ。風邪でも引かれたら困る。

「また今度でいいよ。今見送ってもらったら俺が京子を見送らないといけねぇしな。それに送り狼に注意しろ!……って言うだろ?」

ま、この場合は少し違うけど。
唇が京子の頬に触れるか触れないかという至近距離での囁きにバッと身を引かれた。口をパクパクと開閉させる京子が可愛くって、髪を乱暴にかき混ぜた後、未だ疑問符を浮かべている了平に片手を挙げ、意を決してざあざあと降っている雨の中へと進んでいった。


END…………
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