絶対ロマーリオとはそんな関係にはならない……と言わない方が賢明だろう。
ディーノは更に事を荒げまいと口から零れそうになったその言葉を間一髪飲み込んだ。

事の発端はつい先ほど。
イタリアから遥々遊びにやってきたディーノの彼女、芹奈に日本で冬に良く食べられるナベを食べさせようとした。勿論外食でも良かったんだけれど、此処は日本の住宅でした方が良い雰囲気が出るんじゃないかと言うロマーリオの意見でこうなった。
空港へもうすぐやってくると言う芹奈を迎えに行く前にでも材料を買おうとディーノはロマーリオを連れて近所のスーパーでナベの材料を購入してから芹奈を再会を果たしたのだ。
車では芹奈は無言だったのに家に着いた途端いきなり声を張り上げて……。

「ならば何で何時もロマーリオを取るの?ナベしよっかって私に言ったのディーノじゃん!
はっ、もしやディーノは三角関係を!?」

「いや、んな訳ねぇし。」

「そんな訳あるから言ってんの。ナベの材料買いに行く時に私じゃなくってロマーリオを取っていったじゃん!」

「あーれーはー、芹奈に重たい荷物を持たせるまいと思ってだな。
それに芹奈に会う前だったじゃねぇか!」

「私はジャッポーネのドラマによくある仲良くスーパーでカートを押したかったのに!!
そして「何買うんだった?」って聞いてきたディーノに「ナベよ、貴方って忘れやすいのね。もう」とか言っちゃってあまーいショッピングをねっ!」

元々被害妄想の激しい芹奈。
此方としては女性である彼女の負担にはかけさせまいとしているのだが、彼女から見ればかえってそれが不都合なのだと言う。
単なる意見の相違……と言ってしまえばそうなのだが、先程の「重たい荷物を持たせる」と言う部分をもっと別の言い方(芹奈が怒らなさそうな言い方)にしとけば良かったのかもしれない……と今更思いつめても後の祭り。
まぁ結局の所、どう転んでも彼女の癪に障ると言う部分は覆りそうに無い……と何個か脳内でシュミレーションを行ってもみたが無意味と悟った。

それより今はどう芹奈を静めるべきか……これを優先しなくちゃいけない。勿論オレとて男な訳で、此処まで愛されたら嬉しくないはずも無い。つか、逆に嬉しい。けどな、けど……流石にロマーリオとはやめて欲しかったな!うん。
(オレはソッチ系じゃないと断固言い切れる自信があるっ!)

ロマーリオには悪いが俺は芹奈一筋だ。


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