※やっぱり下品です

2月14日はバレンタインデー。老若男女の90%以上が知っている常識的なイベント。 女子はもちろん男子もそわそわとして落ち着かない日。
女子はあの手この手で男子にチョコレートを渡そうとし、男子もあの手この手でチョコを手に入れようと画策する。 しかし、世の中には前述したようなどうにかしてチョコを手に入れたいと願う男子とは別に、労せずチョコを受け取れる男子がいる。 恋人がいるか、女子から想いを寄せられているか… はたまた、やたらモテるか

「…随分チョコ貰ったね、貴裕」
『うん? まぁそうかもなー。みんなよく頑張るね』
「(ムカムカムカ)」

明らかに不機嫌になりながら雲雀が見つめるのは、応接室のソファに座る貴裕の横に置いてある紙袋。 3つほど並んでいるそれの中身は可愛らしくラッピングされたチョコレート。それがパンパンに入れられて、今にも紙袋が破れそうだった。

「(まったく… 貴裕ったら変態のクセに無駄に顔はいいんだから困るよ。こんな風に虫が寄ってきちゃって…!)」

忌々しげに見つめるのはチョコレートをぼんやりと眺めている貴裕の顔。 驚くほどに彼の顔立ちは大変に整っていて、10人が10人振り返るほど。雲雀と付き合っているというのに、未だ多くの女生徒が彼に想いを寄せている。 一目惚れをする者も多く、実のところ雲雀もそうだったりする。だがしかし中身はアレ。天は二物を与えないというのは本当らしい

『なーなーきょーやー』
「伸ばしが多い。何」
『(わぁご機嫌ナナメ)恭弥からのチョコはねぇの?』
「…菓子類の持ち込みは校則で禁止されてる。“それ”だって特別に目を瞑ってあげてるんだよ」
『へー。で、チョコは?』
「…………。」

諦めずにチョコを催促してくる貴裕に思わず黙る。



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bkm
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