コイツ何言ってんの?
そう思ったのはきっと俺だけじゃないはず。だって 寝て起きたら女の子になってました☆ なんて言われて信じられるか!大体女の子になったって… 女になってる部分何一つねぇじゃねーか!変わらず背は小っせーし、目は女みてぇにデカいし睫毛長いし!体つきも華奢だし声だって男にしては高いまんま!何より胸が!無い!!!

『どこが女になったか言ってみろぉぉお!!!』
「もう止めてそれ以上オレのオレの心を傷つけないでっ!」

俺が声に出してツナを客観的に見た特徴を上げていけば、両手で顔を覆って泣き崩れた。ショックだったらしい。自分でも事実だと思ったんだな。
ハッ!と鼻で笑ってやれば手を外して勢いよく顔を上げてきた。なんだ、もう立ち直ったのかつまらん。

「……なった」
『あ?』
「だから!…し、下が女の子になってる、よ…」
『…下って言うと、下か』
「うん…」
『ご子息が、いらっしゃらないと?』
最早声に出すのも辛いのか唇を噛み締めながら耐えるようにゆっくりとツナは頷いた。ご子息ってーとアレだ。俺ら男の股の間にぶら下がってる男の象徴。それがいない。14年間片時も離れず共に成長してきた息子が。

『大事じゃねーか!!』
「だからさっきから言ってるだろぉぉお!!」

いや、大事だとは一度も言ってねーよ!
あっ違うそんなことはどうでもいいんだよ!問題はそこじゃなくてあるべきものが無いってことだっ!
自分のことではないけども、そんな超常現象が目の前しかも幼なじみっていう身近なヤツに降りかかってるとなるとテンパらずにはいられない。こういうのって病院行けばいいのか? …そんな事したら珍しすぎる症例ってことで変な研究所に連れて行かれそうだな、却下!

『あ、でも無くなっただけなら別に女の子になったワケじゃ…』
「……なってたよ」
『見たのか』
「だって…!」

まぁ、そうだよな見るよな確認の為に。つかきっと“ある”っていう感覚がなかったから不思議に思って… なんだろうけど。しかし寝て起きたら女の子ってマジどゆこと?体質? や、今までずっと一緒にいたけどンな体質は初耳だな。奇跡っちゃ奇跡なのかもだけど、俺こんな奇跡嫌だ。願い下げ。つかコレどうやって直すんだ。



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