唐突だが、俺は転生だったりする。
何をいきなりやれやれ中二病かと言わないでほしい切実に。いや実際今の俺中二… 年齢的な意味で中学2年生だけども。
転生者だなんて突拍子もないこと言ったが本当なんだ。前世の記憶もちゃんとある。前の俺は大学4年生。無事企業から内定をもらい一先ず仕事は心配しなくてよくなったというのと、就活というプレッシャーから解放されて浮き足立っていた。
就活貧乏になっていたのもあって普段の生活は節約節約。しかしもうそれも終わりとなり鬱憤を晴らすため酒を飲み。浴びるほどというまでは飲んでいないが足元が軽くフラつくぐらい。
それが悪かった。
その日の帰り道、そんな足元フラフラさせながら階段を登っていたら踏み外してしまい、落下の際頭を強く打って死亡というワケだ。そして思い描いたような死後の世界とか一瞬も経験せずにダイレクトに赤ん坊になっていた。突然のことにマジビビったわ…。意味わかんねーし不安だし体小っちぇーしおむつや授乳が恥ずかしくてホントよく泣いたよ…。今の父さん母さん大変お世話になりました。
まぁそれで。落ち着きを取り戻した俺は折角なんだし第2の人生を楽しもうと!前回は出来なかった結婚や子育てを今度こそはやってやろうと!思ってたんだけどここが並盛って気付いて早くも死亡フラグが立ち上がるのを予感しました/(^o^)\

いやいやいや、今度はそんな簡単に生を諦めまいよ!やっぱあれじゃん?ベタだけど主人公たちに近付かなきゃ大丈夫なんじゃね? そう思い至った俺の行動は早く、「沢田綱吉」を探し始めたんだが…。うん、見つかったには見つかったんだが… それがさぁ

「うひゃぁっ!」
「じゅ、10代目大丈夫ですかっ!?」
「おいおいツナ、気を付けるのな。女の子が顔怪我したら大変だぜ」
「う、うん、ごめんねありがとう…」

そう言ってふにゃりと笑うと差し出された獄寺の手を取る可愛らしい女の子。ふわふわとしていて少し毛先の跳ねている髪、日常となっているドジッ子。そうです彼女がボンゴレ10代目沢田綱吉です。名前がそのまんまだから普通に男なんだろうと思ってたらコレだよ。見つけた喜びよりも驚きのが勝ったね。だってまさか性転換…。主人公がそうなってるってことはもしやこの世界全体が?という訳ではどうやらないらしく笹川京子は変わらず女の子だし、沢田を取り巻く獄寺と山本も男のまま。沢田だけが違う。その事に何か意味があるのかと考えたがやめた。どうせ何かあったって俺には関係ねーし。俺はひっそりと生きて今度こそ老後を過ごすんだ。奴らとは何がなんでも関わらない!

「貴裕どしたん?何か気合い入ってね?」
『はっ!いやいや何でもない。ただちょっと初志貫徹を』
「何でもなくなくね!?」
『…お前ホントチャレぇなぁ』
「ちょwww 貴裕ひどwww 」

コイツが新たな俺の友人。
前世で付き合っていた友人たちとはまったく真逆のタイプなんだが、こうして連るんでいられる。俺が人生2周目で大分悟ってきたのもあるだろうけど。
あ、そういえば

『沢田ってさぁ、好きなやついんのかな』
「え!?まままさか貴裕ドジッ子属性に萌えを感じるタイプだった!?」
『違くて。ああやってイケメン2人と一緒にいるんだからどっちか好きになったりしねーのかなって』
「ああそういうコト」

沢田が男だっとら我が校のマドンナ笹川京子に好意を寄せていたが、今は沢田も笹川も女。となれば一体誰にその好意は移るのか。まさか百合だなんてないだろうし。いつも一緒にいるあの2人がその候補に上がるんだろうがどうもそういう様子は見えないし…。この現実でもその役に当てはまりそうな人物はいなかった、と思う。
いなくてもいいいんじゃないかという事はない。何故なら漫画では事あるごとに主人公沢田綱吉が片想い相手の笹川京子の為に頑張るからだ。必要な存在。それは彼が彼女になったここでもそうだろう。なら誰が?まぁ俺じゃないだろ。だって今まで関わったと言えば数えるほどでみんな事務的なことばかりだし。
いずれ巻き込まれるであろう見知らぬ誰かさんに合掌。



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