オイ… みんなちょっと聞いてくれ!何だかよく分からないがあの鉢屋に懐かれたんだ…!マジ意味分かんね/(^O^)\
いやホント俺何もしてねーよ?してなさ過ぎて最近後輩に睨まれる始末。
それらを無視しつつもいつも通り自分の鍛錬に勤しんでいたらいきなり鉢屋が現れて。そしてまたいきなり「中里はアイツのこと好きじゃないのか?傍にいなくていいのか?」と言ってきやがった。アイツとは恐らくどっからか降ってきた天女のことだろう。出現と質問に驚きつつも『別に何とも思わないし、傍に居たら強くなれるワケでもねーし』と返したらコレだ。

「なあなあ中里っ、次は何するんだ?」
『次ぃ?…そうだな、じゃあ組み手するか』
「分かった!私がお前を強くしてやるからな。そしたら2人でアイツを殺してしまおう」
『物騒!マジろ組おっかねぇ!』

確かに体術の相手欲しいとは言いましたよ?
だからといって何で鉢屋…!コイツすぐ人のことからかうし見下すしで苦手なんだよ…。懐かれてからそんな事ねーけど。正直止めてほしい。俺はこの機にステップアップを謀るんだから。やるなら忍者らしくひっそりこっそり1人でな? まぁ忍者も集団になって行動するけども、俺が強くなるのを待つより鉢屋1人でとっとと殺っちまったほうが早いと思うんだがな…。
鉢屋、学園で天才って言われてんのに気付かないんだろーか? 頭のイイ奴の考えることは分からん。首を傾げながらもぐるぐると肩や足首を回す。準備運動を怠ったら後が怖いからな。

「準備出来たか?」
『おう。…お手柔らかに、お願いします』
「ははは、嫌だ」

胡散臭くも爽やかな笑顔でそう言う鉢屋は、一瞬で間合いを詰めてきて。ヤバいと思った時には俺の視界は青空一色となっていた。
コイツ… いきなり投げ飛ばすとか…!
実力差を分かっててやってる!?お前天才、俺劣等生!経験積むことも大事かもしんねーけどそれよりも先ずは身につくようにしなきゃじゃね?俺今投げ飛ばされたっていう結果が分かっただけだもん。
どんな風にして投げられたとか全く分かんなかったからね!ちっとも身についてない。
『…鉢屋は人に物教えるのに向いてねーな』
「何だ急に。失礼じゃないか」
『俺が今得た答えだこの野郎おぉぉ』

大地に仰向けになった状態のまま鉢屋へと怒りの言葉を投げつければ、何でかすんごく楽しそうに笑い出し。え、怒られて笑うとかコイツそういう性癖なの…?14で早くもそんな趣味嗜好の道を開いちゃってる鉢屋に引かずにはいられず、仰向けになりながらもにじりにじりと後ずさりをした。
だって近くにいたら俺にまで影響及びそうなんだもの…。顔も実力も平々凡々な俺がアレな性癖なんてマジ痛くて気持ち悪い奴にしかならん。鉢屋みたく顔が良けりゃ許されるかもしれんが…
、でもコイツの顔って不破のだから…。いやこういう奴って大概素顔もイイもんだよ。クソ羨ましい。Mのクセに。

「私Mじゃないからな!?」
『人の心読んでんじゃねーぞろ組いぃぃ!』

その万能さにイラッときたので持っていた棒手裏剣を投げれば普通に避けられた。チッ 今なら命中しそうな気がしたのに。そこから勢いで始まる組み手。投げられるのは俺ばかりだったけど何でか今回は不屈の精神で何度も挑み。最終的には鉢屋が根負けした。あの鉢屋に勝てたこの日を俺は生涯忘れないだろう。

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