…とは言ったもののどうしても不安になる。信じてはいる。だがあれだけ噂が流れていたらどんな男だって気になっちまうだろう。お陰様でここ数日は剣の修行に集中出来てねぇ。寝ても覚めても、任務中だって結花のことを考えちまう始末。そのせいで瀕死の重傷を負うところだった。
流石にこれでは命が幾つあっても足りない。そう思ったオレはあまり気乗りはしないが結花の浮気調査をすることにした。結花のことは信じていないワケじゃない。これはオレの不安を取り除く為の行動だぁ。
勿論調査は人知れず行わなければならない。
調べてんのがバレてみろ。絶対に、確実に、アイツらがからかってきやがる。100%だ、断言出来る。
故に部下にも頼まず己1人で調べ上げたんだが…。

「どうなってやがんだぁ…」

眉間にシワを寄せ、テメェの手帳を睨み付ける。そこには件の結花の浮気調査についてつらつらと書いてある。…んだが、そこには表情を顰めさせる結果しかなかった。結果は白だ。素晴らしいことだ。無論そうだと信じていた。
が、解せないのはならば何故こんなにも噂が飛び交っているのかということ。それは現在進行形でだ。その噂の出所を探れば、と思い出所を辿ってみたがどういうワケだか辿り着けず。
情報屋のような専門のプロではないとは言え、それなりに情報収集能力はあると自負していたのに…。何とも言えない微妙な結果に心が折れそうになった。その余りに、と言ったらあれだが

『どうしたのスクアーロ。急に“話がある”なんて呼び出して』

本人に聞く、何ていう極致に至ったのも無理はないと思ってほしい。ピッタリとオレの体にくっつき甘えたように見上げてくる結花に頬が緩みそうになるが、どうにか堪え表情を引き締める。

「…結花はしらねぇかもしんねーが、最近ヴァリアー内でテメェが浮気してるみてぇな噂が立っててなぁ゛」
『あら』
「勿論オレはお前を信じてるぞぉ゛! …だが、その…」
『…調べたの?』
「っ悪い!ど、どうしても不安になってだなぁ…!」


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