「おや、こんな所にいマシたかv」

さぁそろそろ鬼ごっこの鬼をやろうじゃないかと腰を上げ、ロードの作った空間内を回っていれば目的の人物は思ったよりすんなりと見つかって。ぬいぐるみを抱き締め埋もれ眠る様子は見た目の柄の悪さとは相反していた。ぎゅうと抱き締めるうさぎのぬいぐるみを見て、ウフフと笑みを深くしてしまう。一体それは誰に渡すつもりでいるのか。起こしてしまわぬよう慎重に勇介を抱き上げた。

「帰る場所を無くしてしまえば、逃げる意味も無くなるんデスがねぇ…v」

そうしてしまえたらどんなに楽か。
けれどそれだけは出来ない。何故なら彼は希望だから。人の希望となり人の希望を奪い。救世主、恐怖の象徴ともなりうる脅威の二面性。そんな彼から、彼が希望と見る者・物を亡くしてしまったその時は…。ただ静かに自らの命を絶つだけ。

「常時欠番のメモリー…。我々は幾度アナタを喪えばいいのか…」

現存していることのほうが少ないメモリー。レンズ越しに見るのは一体何時の時代の“希望”か。過去の彼・彼女は姿を現しては様々な方法ですぐにこの世を去っていった。この勇介もいつまで生きていられるか分からない。いっそ生まれたての赤子だったなら刷り込みのように己を希望と思わせ育てたのに。

「…サァ、帰りましょう。我々の家にvV」

それを彼が望むとは限らないけれど。
目が覚めた時の勇介の反応を考えると、笑みが零れた。


I am a hope!
ふざけんな!


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