最高の夏休みはあっという間に過ぎ、新学期が始まった。あの後、夏祭り終わってからの日々は本当に充実していた。特に用があるワケでもないのにメールしたりして…。や、それは付き合う前からもしてたけども関係や心持ちが違うじゃん?
何か返信がくる度にスゲー嬉しくてたまんねぇ。
心身ともに充実した今なら、あのうるさい男装女子&取り巻きを見てもスルー出来ると踏んで始業式登校してきたのだが…。

『はぁ?転校したぁ?』
「おう。詳しくは知んねーケド急に学校に連絡来たんだとー」
『ふーん。まぁ別に何とも思わんなぁ』
「オレも。でも沢田たちは相当落ち込んでたらしいぞ」
『それこそ何とも思わねーよ』

クラスメートが転校したってのに随分な言い方だとは思う。けど、絡む機会と言ったらノートやプリントを渡す時ぐらいだし。つかマジあいつ結局沢田や雲雀とか偶に町中で見る外人… 所謂イケメンに属するヤツらとしか関わってなかったような…? 男装っていうだけでなくミーハーだったんだろうか。居なくなって良かったのかもしれん。

「居なくなったらなったでさー」
『おう』
「また面倒くさいことになりそうだよな」
『何がだよ』
「沢田の、お前の彼女へのちょっかい」

半笑いのまま、谷本が指差したのはこの夏オレの彼女となった笹川。いや、京子。楽しそうに黒川と話し笑顔を浮かべるその様はマジ天使としか言えん。
その笑顔にきゅんきゅんしていれば、天使に近付く人影。

「きょ、京子ちゃんっ」
「 ? あ…」

誰かと思えば沢田だった。
はぁ? 何アイツ人の彼女に話し掛けてんの、と思いながら沢田を見れば以前のオレと同じ… 恋をする目を、していた。
…何、アイツマジで何なんだ。
少し前まで京子を好きだったかと思えば突然来た男装女子に傾倒して。そんでそいつが居なくなったと思ったらまた京子に鞍替えか?ふざけんなよ。

「あ、あのさ!今度の日曜家に来ない?リ、リボーンが久しぶりに京子ちゃんに会いたいって聞かなくてさっ」
「…悪いけどお断りするね、沢田くん。男の子と遊ぶ、ましてや家に行くなんて彼氏に怒られちゃうから」
「え、名前… い、いや、え!?彼氏って…!?」
「うん、勇介くんに他の男を名前で呼ぶな!って言われちゃったから」
『当たり前だろ。何でオレ以外を名前呼びなんて、特別扱いさせなきゃなんねーんだよ』
「勇介くんっ」


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