本日、女子は調理実習。男子はその間体育というある種小さなイベントがある。普っ通に体育に混じってる男装女子は放っておくとして、実のところ男子は一部を除き朝からソワソワしっぱなしだ。
何故か?この後の昼休みに女子から実習で作ったカップケーキ貰えるかもだからだろうが!
気にしてる女子から貰えねぇかなとか、そういう相手がいなくてもとにかく女子から貰いたい!とか…!この年代の男子は部活か女子関係かで生きていると言っても過言ではない。
それに今回は男子が貰える確率がグンと上がっている。今までは大半の女子が獄寺か山本に渡していたが、それも今では…。理由は言わずもがな、だ。上げたところで蔑ろにされる率ハンパねーし、最悪女子からの貰い物は狗飼が嫌がるってんで捨てられる。それだったら喜んでくれる奴にやった方が何倍もマシ。誰だって傷つきたくねーんだよ。
そんな中、オレは勿論笹川からのを頂きたい。他の男子よか話すし接触するしで好感度の差は歴然!
…だと信じたい。渡すような相手はオレぐらいっきゃいねぇけども…。あ゛ーどうしよ他の奴に渡しちまったら。それがもし谷本だったりしたら、オレあいつの舌スライスするかも…。

「今お前から危険な電波を感じ取った!」
『キノセイダヨ』
「何でカタコトー!?」
『おぉ、お前ツッコミもイケたんか…』

てっきりツッコミはオレの役割だと思ってたんだがな…。そんな下らない事をして女子が片付け終わって帰ってくるのを待っていれば、ガラリと教室のドアが開いて女子が戻ってきた。満を持してのご帰還に変な緊張と期待が湧き上がる。だってなぁ…。男の子だもの。一応あんまりワーワーきゃーきゃーハシャぐのもみっともない、見栄と虚勢を張って外見上は普段通りを装ってまますよ?でもきっと貰った「中里くん、はいコレ!」

『マジでかありがとう笹川!』

全力で喜びと感謝を声に出してハッとする。
周りからの視線パネェ…!!恥ずかしさに顔が熱くなるのが分かる。が、幸いなことに笹川はそんなオレをイジる奴じゃなくって。

「そんなに喜んでくれるなんて思わなかった。渡した甲斐があるよっ」
『う、あ…!こ、コレ早速食ってみてもいいかっ?』
「うん。どうぞ召し上がれっ」
『お、おう!』


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