彼女に話し掛ける時はいつも心臓が高鳴る。今も、緊張で手に汗をかいていた。

『さ、笹川っ』
「中里くん、なぁに?」
『コレ、やるよ。この前欲しいみたいなこと言ってたろ?』
「あっ、コレ…!」

差し出したのはストラップ。よくある、ペットボトルの飲み物に付いて来るオマケの。先日話した時にこれのチョコケーキのが欲しいけど見つからないというのを言っていて。まぁそれで、あったらいいなとその程度の気持ちで近所のコンビニに行けば… というコトだ。あの時は本当に神がオレに味方したと思った。

「あったの!?」
『あぁたまたま、近くのコンビニで。それ見て、言ってたのコレかって…』
「わざわざありがとう…!あ、飲み物代渡すよっ」
『え!?いやいらねーよ!べ、別に笹川の為じゃねーし、オレも喉乾いてたし!』

言ってから気付いた。何かオレ今ツンデレ発言したんじゃねぇ?と。何だかちょっと怖くなってやや震えながら教室内を見渡せばみんながみんな、生暖かい目でオレを見ていた。無論谷本も。とりあえず奴は後でぶっ飛ばす!
というより今のプチツンデレ発言のみに関わらず、オレが本格的に笹川にアタックを開始してからというもののイヤにクラスの連中が生暖かい目で見てくるようになった。それに あれ、笹川いねぇなぁ って思うとタイミングよく誰かがどこどこに行ったよ!とか教えてくれっし…。笹川の親友である黒川も協力してくれていたりする。何でも、「(今の)沢田に渡すよりマシだわ」とのこと。
いや、助かるよ?邪魔されるよか全然助かんし嬉しいし…。けどよぉ、何かよぉ…!腑に落ちねぇ!!

「中里くん?」
『っワリィ、何でもねぇ!とにかく金はいいからっ』
「ふふっ、うん ありがとう」
『や、大したことじゃねぇからそう何度も…』
「そうじゃなくて、」
『 ? 』
「私と話したこと、覚えててくれてありがとう」
『っ!』

その笑顔は反則だろ…っ!

アタック2 完

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