小学生の頃は男女の差はそこまで歴然ではないけども、中学に入れば目に見えて違いが出る。成長っていう面で男と女でハッキリ変わるもんなんだ。女は丸く柔っこくなって、男は角張って固くなってゆく。どんなに小さくてヒョロイ奴でも骨ばった体で男と分かるんだ。
それなのに男の格好している狗飼…。思わずクラス全員(沢田・獄寺・山本を除く)性同一性障害ってやつなのかと疑っちまったからな。何中学生に重い問題叩きつけてんだ担任ゴラァ!と職員室に殴り込みに行った委員長はこのクラスでは勇者と呼ばれている。

「今日もまた相変わらずの騒がしさですなー」
『谷本、』
「知ってるか? ああいうの“逆ハー”っていうらしいぜ」
『はぁ?逆ハー?何それ』
「いやぁ、うちの姉ちゃんにクラスに男装女子がいてスゲー男にモテてるって話したら“何その逆ハーww”って爆笑してさ。聞いたら、何かハーレムの逆Ver.みたいで」
『あぁ、ハーレムの逆だから逆ハーレムね』
「そゆこと」

でもあの接し方見てると男が女にっつーよりは男が男にだからアイツらの主観的に見れば同性愛なんじゃね?
うわぁ無理
大抵のことは受け入れられるオレだけど流石に野郎同士は…。だってオレ思春期真っ只中よ? 青春を性春と呼びたいお年頃よ? 何が楽しゅうて同じ男に悶々としなきゃなんないワケ。眉間にシワ寄せてそんな事を考えていれば、オレの考えてることが分かったのかオレの席、机の上に座る谷本は苦笑いを浮かべた。

「まぁな、オレも野郎は無理。やっぱ女の子がイイよ。女の子。柔らかくて甘い匂いのする女の子とアハンウフンなことシたい」
『あぁ激しく同意。オレらから見て女に男が群がってるようにしか見えなくてもなぁ』
「つかアレじゃん、勇介チャンスじゃん」
『あぁ?』
笹川。今一番のライバルがああなってる今がチャンスだろ」

わざわざその部分だけ小声で言ってくる谷本の気遣いに感謝すべきなのか何なのか分からないまま、チラリと彼女を見る。


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