『で?』
「え?」
『あなたの意見を聞きたいんだけど?』
「あ、そうだったね…。うん、オレも薄汚れた取り引きや殺し合いは苦手っていうか嫌いだな。自分のファミリーを守るためには仕方ない、と思うときもあるけど…。極力こちらからは手を出さないよう努力してる」
『そう…。』
「なんか、オレたち気が合うね」

随分とナンパな言葉を吐いてしまった。口にしてから あ、 と思えば彼女も同じことを思ったらしく。ぷっと吹き出して笑った。 笑顔を初めて見た気がする。

『やーね、口説いてるつもり? そんな軽薄なセリフじゃ私は落ちないわよ!』
「あはは…」
『私を口説くつもりならドレスの一着も持ってきてくれないとっ』
「 ? …そのドレス、気に入ってないの?」
『当たり前よ!私もう15なのにこんな子供っぽいの…!もっと大人っぽくてモダンなのがいいわ!』

ぷんぷんと再び憤慨する少女。どうやら本当に今晩のことに不満があるようだ。いや、この状態なら不満しかないと言うべきか。
着ているエメラルドグリーンのドレスは肌の白い彼女にとてもよく似合っているが、年齢を聞けば確かに少し子供っぽいかなとも思う。 多感な年頃だ、些細なことも彼女には重大なことなのだろう
ツナは小さく微笑むと、そっと少女の手を取った。

「じゃあ後日改めてドレスを手土産にデートを申し込みに行くよ。それならいいかな」
『…本気? 私、あなたより10は年下だと思うけど…。ロリコンなの?』
「そうじゃないよ。でも君と話しててとても楽しかったんだ。だからもっと話してみたくって… ダメ?」
『そうね…。私好みのドレスを持ってくることが出来たらデートしてあげてもいいわ』
「あはは、頑張るよ」

何とも大人の女性のような言い方をする。つい笑いが零れてしまった。さて、明日になったら大急ぎでドレスを探さなければ。きっとどんな仕事よりやりがいがあるだろう。

社交界ルージュ

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