※逆ハー狙い主がいます。






そこに居合わせたのはたまたまで。神に誓って偶然だと言おう。

「いい?これ以上ツナたちに近付いたらこんなんじゃ済まないから!アイツらは姫菜の為の存在なんだから横取りしたら殺すわよ!?」
「そんな、私そんなつもり、」
「はん、嘘つきな偽善者はみんなそう言うのよ!」

意外に難しい言葉を知っている。ド派手でバカっぽい見た目の割に。吹き出しそうになるのをグッと堪える。見つかったら修羅場に巻き込まれてしまう。女の子は好きだけど、こーゆーゴタゴタに加わるのは遠慮したかった。

過去に経験した修羅場はどれも勇介が原因だったのだけれど。性活が極めて緩い己を反省するつもりは毛頭ない。隠れてジッと見ていれば言うだけ言った後バシン!と恫喝されていた女生徒、笹川京子の頬を思い切り叩いた。小さな悲鳴を上げて地面に倒れる京子を見下すと、姫菜こと木城姫菜はふんっと息を吐き出し行ってしまった。残された京子はその場に踞り頬を押さえている。

恐らく姫菜がやったのだろう。地面には京子の物と思われる荷物が散乱していた。

人気の無い校舎裏とは言えよくやる。お気に入りの彼らに見られないとも限らないのに。まあどうでいいが。
さて、彼女をどうするか。このまま見ないフリをして帰ってもいいが…。何となく、あの尻軽の思うままになるのはつまらないと自分の勘が告げている。悔しさに唇を噛み締めている京子にへらりと笑って近づいた。

『そんなに噛んじゃ、跡ついちゃうよ』
「! ぁ、勇介くん…」
『あれ、オレのこと知ってんだぁ』
「えっと、」

まぁ悪い噂が飛び交っているから知っていてもおかしくないだろう。特に女子なら。

勇介はすぐに女に手を出すから気を付けろ。触られたら妊娠するぞ。そんな噂。失礼な。すぐにでも無いし女と見たら見境なくでもない。ちゃんか簡単に股を開きそうな女にのみ声を掛けて手を出している。妊娠は…。うん、そういう意味でのお触りならたくさんしているから可能性は否定出来ない。

そもそもそんなヘマしないけど。

へらりと笑って近付けばあからさまに怯えた表情をされた。やだショック。




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