「オーイ勇介ーっ!連れてきたぞーっ 」
『オジさん!』

一先ずあの後は夜も遅いってんで長谷川のオジさん家(段ボールハウス。住所は公園)に泊めさせてもらった。オレが家出たの朝だったのに夜になってるとか…。まぁそもそも世界が違うから時間の差異気にしたって意味ねーんだけど。
で、今。
オレは長谷川のオジさん家(笑)の横のベンチにて待ち中でした。なんでもオジさんがね、頼りになる人を紹介してくれるって…。その時点でなんとなく予想はしてたんだけど、予想的中ってゆーかなんつーか。オジさんと一緒にやってきたのは銀髪天パ。着物と洋服を合わせたような格好の男の人。 間違いねぇ、原作の主人公・坂田銀時だ!銀さんだ! うおおぉすげぇ!ホントに死んだ魚の目ぇしてる!

「…なーんか今ものっそい失礼な念が飛んできた気がすんだけど」
『(ぎくっ)』
「あ? またどうせロクでもない事したんだろ。その内刺されっかもよ〜銀さん」
「何言っちゃってんの長谷川さん。おれぁこう見えても女と股間には誠実に生きてんのよ?」
「それが何言っちゃってんのだよ。勇介〜、このどうしようもないオッサンが勇介 のこと助けてくれるってよ!良かったなっ」
「ハァア!?テメッ、客紹介するっつーから来てみりゃ相手子供じゃねーか!大切なもん持ってねーじゃん金持ってねーじゃん!」
「お、落ち着けって!」

金ねー。確かに必要だよね、万事屋っていつもジリ貧だし。オレも一応通学途中だったから数千円は持ってる。しかしその金は向こうのもの。いくらこっちと貨幣価値や通貨が同じでも使えないだろう。偽札となること間違いナシ。
頼み込めば無料で面倒見て、オレが向こうに帰れるよう手助けもしてくれるだろう。なんだかんだ言って人情の厚い人だから。それもこんな子供の頼みならもっと断らない。けどそんな弱味に付け込むようなこと、したくなかった。そんなんで帰ったってちっとも嬉しくない。
言い合いをしている2人を横目にベンチから降りてオジさん家に置いてあるオレのリュックを漁る。
オレの記憶が確かなら昨日… いや、もう一昨日?の夕方にコンビニ行って買ったやつを丸ごと入れていたハズ。その中に… あった!運良く未開封なそれをぎゅっと握り締めちょっとしたどつき合いになっている2人のところへ。やべぇ、コレ割って入るの怖いんだけど。

「大体なぁ!テメーで拾ったんだからテメーで面倒見るってーのが筋なんじゃねーのかアァン!?ンな中途半端だから何度も転職すんだよぉ!!」
「転職するはめになってんのはテメーらのせいもあるだろうがあああ!俺だってなぁ出来れば面倒みてやりてぇけどこんな家ナシ食ナシ妻ナシ三重苦の野郎のとこよか辛うじて家も職もある男のほうがいいだろうとなぁ…!」
「貶すなら貶せえええ!」
『ぎんいろのオジさん』
「おれぁまだお兄さんじゃあああ!」

あの、お兄さん。目ぇ血走ってます。



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