夢の続きは続かない4の没ネタ
2014/03/09 23:34

途中まで書いてハッとした。これ碧へ本編のクロスと会うときの話とおんなじだわと。故にボツ! でも上げとく(^o^)






源外に頼まれた物を全て買い終え、家路につく。それ以外にもやはり誌面で見ていた世界ということもありフラフラと見て歩いてしまって。今は陽も沈みかけている。

濃密な橙がビルの向こうに消えようとしている。早く帰らねば心配するだろうか。己の強さを知っている癖にやたと過保護な面があるから、あのじいさんは。父も、そうだった。
小言を言われるのは勘弁願いたい。そう思いながら荷物を抱え直し近道の路地裏にするりと入る。なんとまぁ定番と言えば定番だが。

強面で決して素行の良くないであろう者たちがたむろしていた。いつの世もこれは変わらない。あの灰色の世界も、己の元の世界もそうだった。何で路地裏なのかと一度聞いてみたいものだ。
人の事は言えないけど。

『(更に定番だとー…)』
「よぉ嬢ちゃん。こんな所にいちゃ危ないぜぇ?」
『(期待を裏切らないねコイツらは)』

一人で歩く自分も悪いが何なんだ本当に。女子供には必ず声を掛けろとでも言われているのか?
既に何回かこういう手合いには声を掛けられているが大半がこんな掛け声だ。

やれやれ。無視してもいいがそれはそれで面倒だ。その場合おおよそがいきなり肩を掴んでくる。嫌だ、着物が汚れるじゃないか。折角源外が買ってくれたのに。
表情を変えず振り向けば通路を塞ぐように男が二人。前を見れば案の定此方は三人。道を塞いでいた。動じもしないし大したことでもないと思うがこれが少女一人にする行動か。大人げない。
だが火月という人物を知っていたならそれで正解だ。寧ろ何人いようと構わない。足りない。

不埒な輩に出会ったと源外に悟られてはならぬ。助かることに荷物はビニール製。血が飛んでも拭える。

『何か』
「へへへ、オレらちょっと懐が寂しくてよぉ。お嬢ちゃん暖めてくんねーか」
「ついでに俺らと体も暖めよーぜ」
「そうそう!飛びっきり気持ちよくしてやっからよ!」
『下品』
「ぐぶっ」

薬でもキメているのかフラフラと立ち塞がっていた男が火月に近付く。卑猥な想像でも浮かべているのが表情で分かる。着物の合わせ目を、胸元を狙って手を出してきた男の腹部をワンパン。的確に急所を突いたお陰で一発で沈んだ。もう少し鍛えたらどうかね。

「なっ、テメェ!」
『こちとら急いでるんだ。さっさと終わらせよう』

さも面倒だと言わんばかりに火月はため息を吐く。それが男たちの怒りを余計に煽った。女だとか子供だとかそんなのを気にする気配は微塵もなく、全力で痛めつけようと拳を振るい足を上げる。
中には落ちていた廃材を手にするものまで。短気な男は嫌われるぞ。

この程度のチンピラ、火月を怯えさせる事もない。至って冷静なのがまた癪に触るのか青筋を浮かべながら男が一人廃材片手に突っ込んできた。それをするりと横に避け、通り過ぎる間際に男の首筋に手刀を落とす。首を落としてしまわぬよう手加減しなければならないから素人相手は困る。
いっそ殺してしまっても構わないが、金にならない仕事はしない。汚れるし。

地に伏せていく仲間たち。恐れ戦いたのかはたまた激昂したあまりか。最後の一人が闇雲に拳を繰り出してきた。その全てがスローモーションに見えてしまうのだから、自分もなかなかの域に達っしているのだろうか。傲りはしない。父がそう教えたから。その一人も難なく片付け大して付いてもいない埃を払った。



この後高杉現る!で展開同じと気付いて終了のお知らせが私の中で鳴りました(笑)

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