ねむれないこどものざんげ






僕は本当に不出来な人間で、何をしても上手にいきません。
家族や数少ない友人はお情けや励ましを込めて「そんなことない」と言ってくれますが、実際に僕という人間は何も出来ないのです。僕は社会に適応されない人間です。何より他者とのコミュニケーション能力が欠如していますし、喋ることも文字でかわす関わりも、僕は得意ではなく、酷い時など、一時間以上、下を向いて過ごすときがあります。指を膝上で交差し、そのくせ、目線だけは上にあげ、皆の話を聞くだけの人間に同化します。これでは人形が置いてあることと変わりません。僕が劣っている証拠です。
能力というのは数値だけ見ればあるモノも一応存在します。両親から授かった素晴らしい宝物ですが、充分にこれを発揮すりことが出来ないのです。申し訳なさだけが募ります。家族や数少ない友人たちが誉めてくれるところは、第一声に、そこが出てくるというのに。僕はそれすらも充分に発揮出来ない不出来な人間なのです。
せめて、優しさや慈しみの精神を大切にしたいと考え、思考だけでも自分を律するようになりたいのに、欲望に塗れた身体は云うことをきかずに、大罪である、恋慕を消え去るところか、恋路を抱く方への優しさにぶら下がっている状態なのです。代わりに差し出すものすら、見当たらず、優しさにぶら下がっているというのに、彼が他の方とねんごろな関係になると、身勝手に胸を痛めるのです。この身勝手には僕自身、殺してしまいたくなるくらい、厭き厭きしているのに、消えてくれません。化膿してしまった傷口のように、ずきずきと、痛みは広がっていくのです。
僕は馬鹿で愚かな人間です。地球上に存在する生物を数えて見ると、僕が一番下等な生物に当てはまるでしょう。こんな、醜くて下劣な人間が呼吸をして、のうのうと暮らしているなんて、僕はなんて、身分不相応な人間なんでしょうか。いっそうのこと、僕の身体をばらばらに切り刻んで移植していただければ、役に立てるかも知れないのに。有難いことに、死を悲しんでくれる家族や数少ない友人たちがいるので、それは僕が死ぬ運命が決まったときにでも書類手続きをすることにしました。

どうして、こんなに恵まれた環境に身を置いているのに、僕自身は不出来なんでしょうか。申し訳なくて、情けなくて、向上しようと努力しても、自分自身という人間の壁を突き破ることは出来ず、結局、戻ってきて、指先を重ねる日々が続きます。












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