「まじキメェ。無理に決まってるだろうが」


紀一は自慢のチンコを俺の目の前に差し出した。しゃぶれということらしい。無理。絶対に無理。吐き気する。自分がしゃぶって貰っておいて、無理だと云うのは、世間一般的に見てどうなのだろう? という反応を取られるかも知れないけど、少なくとも俺は無理だね。大体、紀一が俺のチンコをしゃぶって舐めてシコいたのだって俺が強制させた訳じゃねぇ。夜になんとなく、そういう雰囲気になったから致し方なく、だ。
付き合ってるからって最強にめんどくさい言葉だなぁって初めて舐められた時は思ったっけ。まぁ、何回か所謂、フェラっていうのをされる度に、オナニーがめんどくさかった俺は楽でいいやーくらいに思っていた。認めるの嫌だけど、こいつ、無茶苦茶上手いんだもん。フェラされる度に俺の知らない紀一がいっぱい詰まっていると実感させられて、心境は穏やかではなくなる。紀一の知らない俺がいて、俺が知らない紀一がいるのは当たり前であるけど、気に食わない。昔から、飄々と物事をこなしてきた男であるが、性的なことまで完璧だとか、ああ神様って不平等。って、わけで、俺が舐めてやる理由はない。

「本当に無理なの、健太」
「いや、無理だろ。だから、終えって」
「紀一さんのこんなに大きくなってるのに」
「知るか。オナニーでも一人でしてこい」
「健太が煽るから、紀一さんのは、こんなになったのに」
「俺のせいなわけがあるか!」

紀一の言葉があまりにもウザったかったので、ベッドの上に置いてあるクッションを投げつけてやる。
因みにここ、俺の家ね。一人っ子だからお情けで与えられたことが丸判りな俺の部屋なんだけど、付き合うようになって、離れていた数年を埋める様に紀一が俺の家に通うようになったんだけど、そこで、二人、ゲームして、俺が紀一へ学校で起こる出来事の報告をして(まぁ、愚痴だけど)本当は紀一も自分自身のことを喋りたかったんだろうけど、紀一が良い子良い子なお友達のクロヌマテイくんのお話を始めるたびに無視を決め込むようにゲームに集中し始めた俺に対し、紀一は口を閉ざした。その代わり、いきなり服の下に手を潜り込ませて、乳首を痛いくらい握ってきやがったけど。そんな所触ってどこが楽しいんだよ! 変態! って叫んだけど、好きなように弄られてきた乳首をコリコリ両手で遊ばれ、気付いたら息が荒くなり、射精してしまった。ち、乳首だけ、乳首だけでイかされたんだぞ! 信じられねぇ! ああああ、もう、この現実最悪だ、死ね、糞野郎! と叫んだが、気にも留めない紀一は、俺の下着を脱がしたあと、精液を食べるようにチンコを舐めた。射精したばかりのチンコを舐められた、無駄に勃起を繰り返してしまった俺だったが、もう少しでイける! という所で、紀一が口を止め、俺の顔面に自身のチンポを晒し舐めるように強請ってきたのだ。
回答は、まぁ、さきほどの通り。
無理だっての!

「無理だからな。紀一。いくらなんでも。つーかキタねぇから、早く、それ、どけろよ」
「……うう、健太っ――。わかった、ごめんね。今からオナニーしてくるから」
「おー早く行ってこい、行ってこい」
「やっぱり……ダメ?」
「駄目に決まってるだろうがぁ。ッチ」
「けど、紀一さんオナニーするの久しぶりだから時間かかったらごめんね」
「久しぶり、なのかよ」
「うん、紀一さん、健太でしか抜けないから。想像するとき。だから、健太に拒絶された間は背徳感が身体を覆ってオナニーは出来なかったからね」
「……あっそ」
「そうなんだ。だから、ごめんね、健太」

紀一はそう言って俺の部屋から出ようとする。つーか、オナニー久しぶりとか。訊かねぇけど、お前さ、俺と一緒にいない時間ってやっぱりセックスとかしてたの。色んな人と。なんとなく察してはいたけどさ。街で歩いていても気軽に声をかけてくる人間の屑みたいな野郎が無駄に多いから。だろうなぁーなんて軽い予想はついていたけど、見せつけられると苛立つ。

「チッ……―― 紀一!」

大声で呼び止める。情けねぇ丸まった背中を蹴ると、押し倒し、俺がオナニーするとき様に真夜中の自販機で買ったゴムに手を伸ばす。

「健太?」
「舐める、くらいはしてやるよ。ただ、どこかの誰かの菌が入っている場合のあるチンコを生で触るのなんか、ごめんだけどな」

ゴムを歯を使い開けると、紀一に渡し自分のに装着しろ、と命じる。馬乗りになった状態じゃ無理だと云われたのでしょうがなく降りてやって、紀一は部屋のドアを背もたれにする体勢で、股を開き、チンコにゴムを装着する。おーおー、慣れた手つきだねぇ。糞野郎が。
俺はチンコへ顔を近づけ、腰を突き出すような体制になる。ふーと息を吹きかけてやり、ビクンと震える身体が滑稽で、顔を見上げると、紀一は柄にもなく顔を真っ赤
させて狼狽していた。あ、これは面白いかも知れない、と楽しくなってきた俺はチンポをしゃぶる。

「んっ――はぁ」

グチュグチュ。
ゴムの鼻にくる臭いと、チンポの生温かさが気持ち悪い。堅くはなってきているけど、まだ、太めのハムみたいで、噛み切れそう、と歯を立てると、紀一の身体が震え上げる。反応、してんだ。
あーー
なんだか、だんだん、ゴム、邪魔になってきてかも。けど、ぜってぇ、取ってやらねぇ。調子に載らせるだけだし。

ぐちゅ、ちゅぽちゅぽ、ぐちゅ。

顎をスライドさせて、しこく。段々、口の中に収まりきらない大きさになってきて、多分、限界が近い。

「ん、んっんん、ふ、んぅぅ」
「け、健太」

あ、息が荒い。俺を呼ぶときの声が今まで聞いてきた紀一の声の中で一番好きかも知れないと錯覚する。
イけよって思い、舌を伸ばして、チンポに絡みつけると喉を奥まで突っ込ませて、吸い上げながら、頭を左右にふる。紀一のチンポを俺が支配しているみたいで、楽しい。

「ん゛ぐっう゛う゛う゛んん゛ひゅぐっ!」

どば。
あ、射精しやがった、こいつ。
ゴムつけといて良かったって、チンポから頭外して、ゴムの中に吐き出された白濁を見て思う。うっわ。なんだか、やってる最中は楽しかったけど、冷静になって考えてみると、紀一の精液、一歩間違えれば飲む所だったなんて、恐ろしい体験だ。背筋が凍るっての。まぁ、偶にだったらやってやってもいいけど。支配する感覚は楽しかったし。童貞かよっていうくらい、顔真っ赤にする紀一は気持ちよかった。ざまぁみろ。


「紀一、これで文句ねぇだろう」

顔をあげ、どやって威張って見せようとすると、息を荒くした紀一の抱きよせられ、濃厚なキスを落とされた。舌をくちゃくちゃ絡み合わせ、まるで余裕がないといった紀一に暫く付き合ってやっていたけど、床に無理やり押し倒され、尻の穴を触ろうとしたので、鳩尾に蹴りを食らわせてやった。
ついでに、チンポも踏みつける。
もう、絶対、フェラなんかしてやらねぇ。調子のるな、糞が。











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