パフェ




注文しますよ。


肉を下さい。
滴るお肉を希望するのですか。肉体から零れ落ちた汁をスパイスにして、野獣のように噛み付きたいのですか。
冗談ですよ。理解しています。貴女には焦げ色がついた肉より、飾り付けられたパフェが似合うことくらい。艶やかな生クリームに、弾ける果実、透明な容器に盛りたて、貴女は小さなスプーンですくい上げ、美味しい美味しいと言いながら食べるのでしょう。俺はそんな貴女を眺めているのが面白くて仕方ありません。
いいえ、馬鹿にしているのではありません。私は自分の腹が満腹になるくらい、貴女が美味しそうに食べている所を見るのが好きなんです。
あ、はい、そうです。可愛いですね。可愛いよ。はは、常識ですよね。全世界の。可愛くて可愛くて仕方ないです。俺は貴女に夢中なんです。貴女が俺の一番なんです。
あ、笑いましたね。笑ってないって、誤魔化す必要はないよね。うん、そうだね。俺は良いですよ。誤魔化す貴女も可愛いから。
え? なんで、じゃあ最初にお肉って言ったって。最初、貴女が不貞腐れていたみたいだから、俺流の冗談ですよ。冗談に思えないってすみません。けど、不貞腐れてる貴女は不細工ですよ。
はい、不細工ですから。不貞腐れてる貴女は。いつもの可愛らしい貴女を隠してしまっている。一体、どうしたんですか。

ああ、なるほど。
理解しました。
俺のことが好きだっていう子に言われたんですか。

あ! ここは素直に抱き締められて下さいよ。
ありがとうございます。
ねぇ、ネネ、俺はね、どんな女の子よりネネが一番可愛いと思っているよ。釣り合わない訳がないじゃないか。寧ろ、俺がネネに釣り合っているか不安だよ。
え? カッコいいって。ありがとう。ネネにそう言われると自信がもてるよ。
俺はそうなんだけど、ネネは違うの。

そっか。さすが、ネネだね。ありがとう。俺を信じてくれて。
あとさ、さっきも言ったけど不貞腐れていたから、不細工にその子達にも映ったのかもね。あ、納得って顔だね。
うん、俺は不貞腐れていないネネのネネである表情、すごく可愛いと感じるよ。ほら、もっと、その顔を見せてよ。世界で一番可愛い俺のネネ。
綺麗だね。眸は吸い込まれてしまうかと俺は錯覚するよ。
そうだね、当たり前だね。ネネだもん、ね。当たり前だから俺も知ってるよ。

だから、良いよね。
ふふ、ありがとう。
あ、けど、その前にちょっと待ってね。















見せてあげるのは 、ここまで 、です 。パフェでも食べて時間を潰していて下さい 。







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