ていくんはいんらんでごめんなさい01





電車のホーム、黄色の点字ブロックより、一歩下がって僕は電車を待っていた。通過する電車の窓から、雑談を交わす女子高生、週刊誌を読む中年のおじさんが見える。みんな、日常を平然と過ごしているのに、僕は男の子なのに、女の子のスカートを穿いて、立っている。短い、おちんちんがギリギリ隠れるレベルの長さ。ショーツも女の子が着るもので、お尻の割れ目にきゅっと食い込む。極め付けに後孔には、小さな卵型のローターを銜え込んでいる。収縮を繰り返し、しっかり銜え込む後孔のせいで、内壁がローターの型に変えられる。僕は恥ずかしくてきゅうっと目を閉じる。
い、嫌だなぁ。けど、暫らく我慢したら、ご褒美が貰えるって知ってるから耐えることができるんだ。それに今日は安心だよ。何処にいるか知らないけど、ちゃんとトラが見守っていてくれるって約束したから、痴漢さんに脅える心配もない。


「っーーぁっ」

突然、後孔に挿れられた、ローターが揺れる。ひゃぁっと嬌声が漏れそうになるのを、唇を噛んで耐えた。結局、僅かに、声を発してしまったんだけど、小さかったから誰も気付いていない筈、だ。
スカートの襞を握って耐える。

ブゥゥゥゥ

音を立てるローターが身体を熱くする。静かなモーター音が売りの一つであるけれど、周りに聞こえていないか心配だ。何より、自由自在に動き回るので、曖昧で不確かな刺激が、窮屈だった。良い所に当たれば、突くような、堪らない快楽を味わえるけど、我慢出来なくなるから、それは困る。今だって、朦朧とする視界に耐えるように、やっとの思いで立っているのだから。



『ーーー池袋ーー池袋ーーお乗りお客様は押さず、ゆっくりご乗車下さい』


アナウンスが流れる。やっとだ! 真っ赤に潤した眸をあげ、電車を待つ。
プシューという機械音が響き、人が山のように沸きだす。僕は電車の脇により、喘がないよう気をつけながら、脚を動かした。
場所が場所だから判っていたけど、満員電車で、僕は窓の隅っこに押し遣られた。蛙が潰されたみたいな、声がでて、身体が宙に浮く。専業主婦になってから、忘れていた感覚だ。学生気分が少し戻ってくる。けど、今は女の子の格好をしているというのが、忘れてはいけないことだ。スカートの丈は短いし、パンツが割れ目に食い込んで「ひゃふっ」と小さな声が出てしまった。それが、契機となったみたいで、後孔に挿れられていたローターが強烈な刺激を僕に与えた。明らかに回転が弱から強に変わっている。


「ふっーーぁっあっくっふ、はぁっっ」


唇に手を充てるようにして耐える。敏感な粘膜に突如与えられた突き刺さるような刺激を誤魔化すことなんか出来なくて、下を向き、顔を真っ赤にして、快楽で熱くなる目尻から涙が少し漏れた。


「ひっあ、っっんっあ、と、ら」

名前を呼んじゃいけなかったのに、つい呼んでしまう。い、嫌だよう。気持ち良いのに、トラがいないなんて。やっぱり、こんなプレイ提案するんじゃなかった。紀一の馬鹿ぁ。楽しくないよ。


「ひゃぁっふぁ、もっだ、だめっーー っ、ふぁ、ひゃぁ」


玩具の無理矢理、絶頂まで押し上げられる鋭い突き上げに射精してしまいそうになる。玩具を利用してのオナニーは僕の十八番ともいえる行為だけど、自分のペースが崩れると、嬌声が漏れてしまう。
それでもローターは容赦なく、僕を責める。唸るような回転が、突き立てられる。


「ふぇ、う、と、はぁっ」

快楽に涙がぽろぽろ零れる。無関心な人間が多いと言われる都会の人々でも、うなだれ泣いている人間を変だと思わない人はいない。満員電車であるから、人混みに隠れてしまい、目立たないから、少し助かるけど。


「ひゃうっ!!!?」


冷たい指先が僕のお尻に触る。スカートがぐちゃぐちゃにたくし上げられ、パンツの隙間から、指が這うような入ってくる。爪先が鈴口の周りに指で円を描く。瞬間、狙いを定めたように、後孔の中へと指先が打ち抜かれた。きゅうきゅう襞が収縮して、入ってくることを拒むのに、ローターを更に奥へ押し込むように動く。腰がびくんっと飛び跳ねてしまった。


「はぅ、あっあっひゃぁっーーくぅ、あ、と、とらぁ?」


愛しい人の動きを間違う筈がないけれど、自信が持てなくて、尋ねてしまう。
トラは答えの代わりに、指を震わす。巧みな動きが振動を与える。ローターは規則的な行動を止め、縦横無尽に暴れ出した。僕はトラしか知らないけれど、やっぱりトラは性的なことに長けているんだろうなぁって思う。


「くっーーっはぁ、あっひゃぐぁ、と、とら」
「感じてんのか、帝」


聞き慣れた声が身体にすぅと落ちてくる。僕も喋って答えたかったけど、口を開けば喘ぎ声しか出てこないので、必死になって頷く。


「そうかよ。ま、もう、グシャグシャだしなぁ、ココも」
「ひゃぐっ!! ふぁっっくぅふっあ、やめてぇ、と、らっ」
「射精しちまうんじゃねぇの。パンツも意味ねぇくらい、濡れてるしよぉ」
「いっ、ふっぁ、ちがっ、いやだ、よっ、あっうーーくっふぁ」



おちんちんの先っぽをトラは長い指先を這わし、二つに割れた亀頭の先にある、尿道をいじくる。射精したくて、完璧に屹立し勃起している僕の膨れ上がったおちんちんは、限界なのに、そんなことされちゃ達してしまう。トラが言うように、我慢汁でパンツはぐちゃぐちゃだ。スカートにもパンツの濡れが少し広まってきていて、このままじゃ、おもらしした子になっちゃう。


「こ、ここじゃ、ひゃう、はっぁっあっくーーやだぁよぉ」
「まぁ、俺も、こんな場所で帝の可愛い声誰かに聞かすのも癪だけどよぉ」
「んっじゃ、っじゃぁ、はっあっっくふっあ、別のっばしょに、しよ、ぉっひゃあ! よぅ」
「けど、なぁ? あ、なぁ、帝?」
「な、なにぃっぁっっーー!」
「見てみろよ、電車の窓に映った顔。ヤラしいぜ、お前。無茶苦茶可愛いけどさ」
「えっ!!!? はぁっ、あっやっっっ!!!」



後孔に鍛えられていた、指が、ちゅぽん、と抜ける音がした。下を向き顔を真っ赤にしながら嬌声を我慢する目的であてられた手を押し退け、僕の顎を掴む。強引に荒々しい動きで顔を上げられ、耳朶の裏で囁かれた。


「なぁ、むちゃくちゃ可愛い、よな。んで、さ、淫乱だ。ペニス、パンパンじゃねぇか。爆発しそうだぜ」
「やぁっ、ひゃあ、ご、ごめんなさい」
「謝るなって、責めてるわけじゃねぇからさぁ」


おちんちんを絡み付けられた指先がパクパク物欲しそう開く亀頭を弄る。翻弄され、震えあがる僕の身体。背くことを拒否された眸は、ガラス越しに映る淫乱な僕の姿を見せ付けた。羞恥で顔が赤くなり、涙が溢れた。
ぼやける視界の中にガラスにはトラの端麗な顔も見えて、この表情を彼に見られてるんだ、と思うだけで、背筋が身震いをおこす。


「んっ、ふぁ、と、らぁっっ」


ペロペロと僕の咥内に押し込まれたトラの男らしい指先を舐めて奉仕する。そっと指先に舌を這わせ、指の回りに円を描く。時には、ちゅうっと吸い込んだり、舌を駆使して、爪先に入っていく。


「あんまり、煽るなよ、帝」
「!!!!!はぅっっひゃ、あ、そこっ!!!!!!」



後孔に入っていたローターが突如として暴れだす。最強だと思っていた鼓動に上があったなんて聞いてないよぉ。
ローターに弄ばれ、がくがく揺れる身体。けど、トラはそんな僕を見て興奮してくれたみたい。お尻に当たるトラのおちんちんが膨れ上がっていることが判るから。


「ふぁ、トラぁっあ、あっ」
「チッなんだよ」


僕はズボンのジッパーに手をあてる。指先で摘みあげ、トラのパンツの中に指を侵入させた。


「お、オイ! 帝!」
「はっ、ふぁぁぁん、きゅっあっ、だ、だめぇ? トラの大きなの僕の中にぶち込んで、滅茶苦茶にして欲しいのぉ」

忍び込ませた指を動かす。幹の先をゆっくり辿っていき、根元を掴む。相変わらず規格外の大きさで、大好き。僕の手は自由自在に蠢きトラのおちんちんを刺激した。

「ねぇ、トラぁん、ダメぇ。ひゃうっはぁっ、お、お願いっっ、ね、とらぁっ、僕、もう我慢出来ないよぉ」
「てめぇが煽ったんだからなっっ」


トラは僕のおちんちんを弄っていた手を掴むと、片手で僕の両手を一つに纏めた。お尻の中で僕を散々、翻弄したローターをコードごと引っ張る。邪魔だと言わないばかりの行為で、引きずられ最後まで卵型の物体は内壁にまとわりつき、刺激を与えた。
スカートの襞を乱暴にたくし上げると、パンツの隙間から、トラの赤黒く巨大な一物が押し込まれた。過敏になっている身体が身震いする。
一瞬、鈴口の前で止まったかと思うと、腰を捕まれ打ち付けられる。


「っっーーーー!!!!!!! ひゃぁっ、はぁっあぐっっーーきもっ気持ちっあっっあっくっはうっっ」
「相変わらずいい具合だぜ」
「ひっ!!! 激しいっ」



敏感な粘膜に突き刺さるような刺激が走る。前立腺を的確に押さえられ、しこりを突き上げられた。収縮を繰り返す後孔を否定するかのように、容赦なく、暴れる。


「イっちまえよ。ま、俺以外にも、沢山、色んな奴がお前を見ているけどよぉ」
「ひゃうっっふぁ、いやっトラにしか見られたくないよぉ」
「だから、てめぇが煽ったんだろうが。俺だって見られたくねぇって。帝のんな可愛いところっ。けど、仕方ねぇだろ、しょうがないから自慢してやるよっ!!!!!」


今まで忘れていた視線が一気に僕に迎う。少し注目してみると、長髪で髪の毛を染め後ろに括っている男の人や、定年退職間近に見える初老の方なんかが僕達を横目で見ていた。


「やっ、とらぁっ見てるっ。見てるよぉっっ止めて、止めてよぉ」
「だから、遅いってもう。な、一緒にイこうぜ」


トラが耳裏でそう囁いた。唾液の音が響いたかと思うと快楽の底まで落とされる。衝撃で腰が震えると、頭の中に白い閃光が走った。すると、先端から、どぷっと精液が勢いよく射精された。我慢していた分、量は凄まじい。白濁はトラの袖口にかかり、大きな手に納まる。
同時にトラの熱も僕の奥に向けて吐き出される。身体を熱が襲い、トラに犯されている至福が全身を包んだ。



「はぁっはぁっはぁっ」

肩で息をする。つぷっとトラが僕の中から出ていった。
後孔からは、たぷたぷと太ももを伝い、白濁が漏れている。


「次で降りるぞ、帝」
「は、はい。あ、あのごめんね。さ、誘って」
「謝るなよ。俺だって気持ち良かったんだから」
「あ、ありがとう」


トラはそう言って僕を正面に向かせると、僕を隠すように自身の胸板に僕の顔を押し付けた。顔、ぐちゃぐちゃだろうしなぁ。涙と涎のあとで。
鼻腔を擽るのは嗅ぎ慣れたトラの香りだ。香水が取れて発汗したトラ独自の良い匂いがする。僕はどんなトラも好きだし、全部が全部いっぱいになっていくけど、香りに関していえば一番好きな匂いかも知れない。車内は僕たちが吐き出した白濁で、独特の香りを充満させてしまっているけれど。
きゅうっと甘えるように、トラの衣服を握った。引っ張ると答えてくれて、抱き返してくれる。行為後の怠い身体を寄せると、何も言わず支えてくれた。
自動ドアが、開き、多くの人間が出ていく波に混じって僕達も出ていく。僕はトラに支えられて、電車を降りる。
電車の扉を潜るとき、擦れ違い様に、聞き覚えのある声が、耳元を霞め、いやな予感がしてトラと一緒に顔をあげた。



「マニアックだな、お前ら。ま、俺も視姦して楽しませてもらったけど」


にやっと不適に笑う、佐治くんの顔をみて、血の気が引いていく。
電車の扉が締まり「じゃあ、俺は降りないから。またね」なんて軽い声が聞こえると同時に顔が爆発したみたいに赤くなり、意識が飛んでしまった。
ご、ごめんなさい。


20110705









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