アルコットとシヴ | ナノ




良い子にして待っていないと、俺の穴に蝋燭がぶっ込まれる。俺の父親はよぉ、クソみてぇな奴で、酒はするは、薬は飲むは煙草は吸うは、借金は作るは、自分の嫁さんは売るはと人間の良い所をひとつも持ってねぇ奴だった。ついでに息子である俺も売りに出された。
狡猾なのか頭の方もイカれていたのか判らねぇが、俺は首から自分の値段が書かれた看板を持って母親が働いていた店に立たされた。世の中には変態がいっぱいいてよぉ、幼い男の子だったら誰でも良いっていう気が狂った連中が。小さい子どもってのは、親がクズじゃねぇと中々、拐うのも難しく、俺は良い値で売れた。自我が芽生えた時には、チンコを口に押し付けられて、舐めた。母親の乳房変わりにチンコを舐めて、母乳変わりに精液を飲んだ。俺は人権など剥奪された、人形だった。奴らは俺の泣き叫ばすのが大好物でよぉ、背中に煙草を押し付けられたりした。一番、痛かったのは尿道に鉛筆を入れられた時でも、薄皮一枚を剥がされ筋肉を見せられた時でも、母親のなかにチンコを挿入させられた時でも、吊るされて一晩中放置された時でも、なく、なく、なくだぁ、ははははぁぁ、んなもんでよぉ!! 済んでたら、良かったよ。ヒヒャハハハハ!! 身体、改造されて、なんだあれ、俺の乳首にはピアスがアホみてぇについてて、オイタヲシナイヨウニダヨとか言われて、発信器つけられて、お陰でぇ、俺のぉ、乳首って夜中になっても光るんですけど。電球みてぇに。家具だ。俺は人形でもなく、家具だ。もう人間の形すらしてねぇんだよ。奴らは他にも俺の身体を改造した。ぐにゃぐにゃにしやがった。目玉は抉られた。イヒヒ、いてぇ、いてぇよ。生きたまま、目玉抉られて、潰されて、宝石類を瞼に縫い付けられた。綺麗だね、綺麗だね、とかほざきながら。綺麗なわけ、あるかよぉ。止めろよ。綺麗じゃねぇよぉ。他にも足が一本、足りない。小指がぐるっと回って一回転だぁぁぁぁ!! ヒギャギャガャ。右が四本なのに、左は六本もあるの。
俺の身体はもはや、俺のじゃねぇの。


なぁ、もう最悪だろう。死ぬしかないじゃん。
俺がこんな目にあって、親父さまは幸せそうなの。理不尽だろぅ。親父は俺が儲けた金でよぉ、幸せそうに酒とか飲んでちゃってるわけ。イヒヒ、イヒヒヒ、もう、こりゃぁだめだ。いやだいやだ、いやだなぁっていう感覚さえ、麻痺し始めた時にアルコット様に出会った。アルコット様は俺が変態たちに身体をいたぶられている時にやってきた。変態たちの足首を斧で切断していった。ずどん、ずどんって音が聞こえていた。アルコット様は、変態親父どもに交渉をするため、生け捕りにきたんだってのをあとから聞いた。アルコット様ははじめてみた時から、ムカつくくらい綺麗で、この綺麗な神様の味方でもついていますよ、とかいう面は殴り飛ばしたくなった。正義とかない人だけど、自分の中にある筋が通ってる人でさぁ、あぁ、もう嫌い過ぎて好きだ。アルコット様。
アルコット様は俺の近くにきて、俺を抱いた。はじめはよぉ、嫌いで、マフィアのくせに俺に優しくしてんじゃねぇぞ、テメェもあの変態どもの仲間かよって思ってた。したら、アルコット様、俺を抱いたまま、どうしたいとか尋ねられたから、父親を殺したいって呟いたら、殺させてくれた。父親を殺すのは簡単で、渡された拳銃を放ったら死にやがった。あんなに、俺の世界では絶対的な神様だった、父親が。
殺しちまったら、もうさぁ、生きてる意味とか、わからなくなってさぁ。俺、どうしたら良いの、あれあれって頬っぺた押さえて自分の身体かきむしったら、アルコットさまが、なにしたいって聞いてきたから、生きたいって答えた。
生きたいって、答えたんだ。


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