ポーテルライカと田口 | ナノ



なんでセックスする流れになるのか理解できないと田口は頭を抱えながらも、自分の下半身を舐めながら鼻息を荒くするポーテルライカを眺めた。
原稿がようやく終わり、脱稿をして一眠りだけして帰らせてと頼もうとすると、興奮しポーテルライカの姿を間近に見た。え、どうしたの? と疲れて朦朧とする頭を働かせながら尋ねると「お願い、田口くん」と小さな声が聞こえて、抱きつかれた。うわ、今、徹夜明けだし! お風呂に二日も入ってないし! 汚いって! と慌てながらポーテルライカを引き剥がそうとしたが、堅牢に抱きしめられた身体が解かれるわけもなく、非力な田口はベッドに押し倒されてしまった。いまどき、アナログで描いている田口の原稿後にはトーンカスが散らばっているし、ベッドの上にももちろん、散乱していて、そもそも自分の背中に付着しているぶんだってあるので、背中をちくちくと刺激される。

「ほら、止めてって」
「ごめん、すごく田口くんの匂いがして」
「うん、だから臭いだろう。離せって」
「無理かも……フェラさせてくれるだけでいいから」

いいからって何! と思いながら、暴れる田口の腕を一纏めにしてポケットから取り出したハンカチで縛る。ジャージにTシャツという無防備な田口の衣服を脱がして、下半身を露出させる。溜っていた苦い香りが放出され、正直、俺でも気持ち悪いと思うのに……とどこか冷静に物事を考える田口とは裏腹に、ポーテルライカは舌を伸ばした。

「っぁ、はぁ」
「はぁはぁ、田口くんの匂い。良い匂いだよっ」
「っつぁ、あぁ、どこに変態になる要素があったんだよ」

鼻息を荒くして田口の陰茎を舐めまくるポーテルライカの姿は誰が見ても変態だ。変態と言わずになにを指せば良いのだろうか。脱稿明けで疲れているんだ。しかも原稿に付き合わされてそうに違いない! と自分に言い訳しながら、今度は変態で性欲が強い攻めを書くのもありだと、田口はうっすらと現実逃避をした。

「ぁっぁ、もっぁライカ」
「田口くんっぁ。田口くんのすごい美味しい」

田口の小さな陰茎がポーテルライカの咥内にすっぽりと収まる。舌業を駆使され、縦横無尽に動かされ、睾丸まで舌先を伸ばされ、弄られる。亀頭も、裏筋も、舐めまくられ、射精を誘引される。

「っぁ、出したら、ぜったいくさいから」
「臭くてもいいよ。てか、臭くないから。田口くんのだったら」

喋るために咥内から出される時は十本のポーテルライカの透き通るように綺麗な指先が陰茎を翻弄した。その時はわざとらしく、ぐちゅぐちゅという音を田口に聴かすように音を出させる。いや、もしかしたら自分に聞かせているのかも知れない。この音をだして、田口の淫液を流させているのは自分だという高揚感が溜らないのだろう。

「おれ、一週間くらい、だしてなくてっ」
「知ってるよ」
「しかも二日間、風呂、入ってないから」
「二日間ずっと一緒に居たもんね。知ってるから。ああ、もう、弾け飛びそうだね。田口くんのココ。可愛くて仕方ないよ」
「っつぁ、はぁ、も、だめだって言ってる」

言ってるのに言葉など無視するようにして、ポーテルライカは再び咥内で田口のものを食べる。味わうように、吸い取ると、田口の腰が揺れた。海老反りになるかのように身体をくねらせ、足の筋を伸ばした。爪先が揺れて、親指の第一関節が不規則に揺れる。

「あぁっぁ、イってるっつぁ、ライカっぁ」

飲むなといいたい所だが、ごくん、ごくんと喉仏を動かされる。溜飲される音が田口には判る。咥内の蕩けてしまいそうな熱い舌が自分が吐き出した精液を取り逃すことなく、飲んでいるということが。

「おいしい、田口くん」
「っぁはぁ――あ、ぁ、そのまま、キスはしないで」

俺の飲み込んだばかりじゃん、というとポーテルライカは残念そうに肩を落としたので、縛られている腕を解いて欲しいと頼む。頼むと簡単に「ごめんね田口くん」と謝りながら解放してくれた。

「冷静になった、その」
「うん……」

申し訳ないね、といいながら虚勢を張る恋人に、なにが申し訳ないか判ってるのかなぁと田口は首を傾げながらも、しょうがないと溜息を吐いた。その溜息をちょっと畏れた眼差しで見つめるポーテルライカを不覚にも可愛いと思いながらも、衣服の上からでもわかるくらい膨張したポーテルライカの股間に触れる。

「俺だけってのも、不公平な気がするし。してもいい?」

恥ずかしそうに尋ねると、歓喜とばかりに喜んだポーテルライカは自分の股間にいそいそと、耳朶まで真っ赤にしながら顔をうずめる田口を見て、恍惚そうに口角をにやりとあげた。

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