屈辱は続く。下腹部が丸見えになり、儚い抵抗も虚しく桜はМ字に開脚させられた。誰にも触れたことが無い秘部が顔を出す。飾りのような陰茎の下を捲れば、女性器が取りつけられてあり、脈を打っている。


「キモチワルイネ」


桜の心髄を抉るのは丁度良い言葉をハイネは桜に投げかけた。恥かしさや哀しさで顔を覆い尽くすことも叶わず、桜はただ涙を流した。ハイネは頬を伝う涙をお情けで舐め取ると、女性器に指を挿入する。


「なんだ、もう濡れてんじゃん」
「ひっ! あ」
「感じてたの? 無理矢理されて。こんなに痛めつけられたくせに」


流血する身体を指しながらハイネは嘲笑う。どこにも愛を微塵たりとも感じない光景が広がっていた。
ぺちゃぺちゃ
ハイネが指を動かすと体液と空気が合わさって、耳障りが悪い音を吐きだしてくる。もちろん、ハイネは桜に聞こえるように、音を出している。


「い、いやだ。そ、そこは、やめ、て、は、はじめて、で」
「だろうね。こんなの気持ち悪くて誰も相手したがらないだろうし」
「ぁがっひ!」
「スオウとはまだなんでしょう」



スオウと出来るわけがない。桜とスオウはまだキスだってしていないプラトニックな関係なのだ。自慰ですら、その中に指を一本、挿入したことだって桜はない。
黙って、首を振る。だから止めて欲しいと、願うが、ハイネは首を振られたことにより、スオウの所有物を自分が今から奪い取るという快楽に酔った。


「愛撫しなくてもいいよね。十分、濡れてるから」
「ひっ! いやだ、やめて! ハイネくん、ハイネくん! 止めて!」
「嫌だって、さっきから何回も言ってるでしょう?」


ハイネは桜の足を肩にかけ、女性器に自身の陰茎を宛がう。ハイネの陰茎は先ほどまでの行為で興奮しているせいか、膨れ上がっており、筋がくっきりと浮かび上がっていた。赤黒く、身長191pの体格に見合った陰茎は、初めての女性を犯すには十分、凶器と言える代物であった。


「ぁああああぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


桜の女性器にハイネの陰茎が侵入していく。
ゆっくりと、自分のためだけの快楽を追い求めて桜の孔をハイネは利用する。亀頭を抜けると、後は簡単なので、一気に劈くと、桜は悲鳴を上げ、床に手を食い込ませた。


「はは、黒いのが漏れているけど、これって処女膜でしょう?」
「ひっひぎぃあぁああがぁあ!」


ハイネから見れば黒い液体が溢れているだけだが、桜の目から覗きこんだ光景は見事に染まった赤であった。身体中が赤により支配されてしまったので、それが、処女膜の血であるかは分からない。しかし、ハイネの陰茎により身体を劈かれた瞬間、大切にしていたなにかが、割れる様な音が激痛と共に脳内にまで届いた。


「具合は良いんじゃない、桜」
「ぁがぁああ、ひっぎゃぁああが」
「締まりは良いよ。ほら、オレタチ、兄弟だからさぁ」
「ひぎゃぁああああ、ぐあぁあああ!」
「可愛くない喘ぎ声。ははは、そんなに気持ちよいんだ。桜のペニス勃起しているんだけど!」


痛みで萎えきっていたペニスが女性器の良い所を突かれる度に、ゆるやかに勃起しはじめた。桜にとってそれは、なによりの屈辱に思えた。感じたくないのに、身体はいうことをきかない。ハイネにされるがままだ。すべてを支配されているようだった。


「膣の中に入れても良いよね?」


じゅば、じゅぱじゅぷ
ハイネが腰を動かすリズムが早まる。中出しするつもりなのだ。


「いやがぁ、ひっ、それ、だけはっやめ、てぇ」
「赤ちゃんが出来ちゃうから? 大丈夫だって、桜、こんなに中途半端なんだから赤ちゃんなんて出来ないでしょう」


おそらくハイネの言う通りであろう。月経はくるが、桜は到底、自分が子どもを産める身体であると信じられなかった。
だが、中出しされるのは、それだけではない。残滓がハイネが出ていった後からでも、身体を蹂躙するのだ。


「いやぁあああ!!」
「んっ――イク」


ハイネが桜の願いを訊き届けることなど、ある筈がない。容赦なく、精液は桜の膣内に噴射され、身体を犯していく。
快楽を貪ったハイネは陰茎を女性器から取り出すと、焦燥する桜の身体を抱き抱え、今度は後孔に陰茎を突き刺した。








行為は、両親が帰宅する直前まで続いた。
桜はひたすら、泣き叫び、ハイネは、四六時中、笑っていた。




「じゃあね、桜。気持ち良かったよ」

血と白濁の海に溺れた桜を放置してハイネは部屋を出ていく。陽が落ちるとハイネの目が見えなくなるという理由で自動につく電気がボロボロになった桜に光を浴びせていた。
桜は脳内で、身体を早く洗わなきゃ、その後は手当てして、家族にバレないように、早く寝なきゃいけない、とか、そんなことを考えていたが、指先は一ミリだって動かなかった。
薄れゆく脳内で、幼いハイネと自分の姿が見えて、どうしてこんなことになってしまったんだろうか、と考えた。
けど、答えなんか出てこなくて、桜はゆっくりと瞼を閉じた。
最後に、スオウの顔が脳裏に浮かんだが、告白の返事は勿論「ごめんなさい」にしなくちゃいけない、とか、付き合う前で良かった、とか、そんな、ことばかりだった。
この姿をスオウにだけは見られたくなかったが、薄れ行く意識の中で、微かにスオウの自分を呼ぶ声だけが、聞こえていた。





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -