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「っ、あぁんっ、やっ、んぁっ!」

 指を増やされ、中を掻き回される。二本目を入られた時はいったい、何時、アナルへ侵入されたか判らなかった。ぐちゅぐちゅにされ、声を上げる度に、ジルから地獄の甘言のように囁かれるのを繰り返すうちに、抵抗力は奪われていった。

「充葉ぁ、三本目、いこうねぇ」

 指を一旦、引き抜き、精液とグロスが混じった指を僕の眼前で披露すると、三本の指を容赦なく、アナルへと突っ込む。

「っあ、いや、ひゃぁぁ!」
「あはん、充葉ぁ。どう、どこがいい? オレねぇ、充葉の気持ち良い所はぁ、ここだと思うんだよねぇ」

 んふ、と嫌な肉声が飛んだ後、ジルの指がシコリに触れた。

「ひゃぁぁぁぁ! ぁ、あっあ、ひゃぁ、あぐ、あ」
「ふふふ、やっぱり、ココだったねぇ。充葉ぁ、博識な充葉ならねぇ、知っているかも知れないけどぉ、ここが前立腺っていうんだよぉ。男の子でも感じちゃう所なんだってぇ」
「あ! あぐぁ、っあぁん、や、ぁ、んあぁ」
「快楽をねぇ、得られる人とそうでない人がぁいるらしいんだけどぉ、充葉は、キモチイイ人みたいでぇ、良かったぁ」
「あ、よい、っぁ、んや、あ、わけが、ある、かっあ!」
「けどぉ、どうせだったらお互い、気持ち良い方がいいでしょう?」

 ねぇ、充葉ぁとジルは呟く。どうせだったら、とか。馬鹿。じゃあ、気持ちよくなかったら止めてくれたかも知れないっていう僕の淡い期待は却下されてしまったわけか。

「ひゃぁぁん! あぁっあ、んぁ!」

 ジルは三本の指を自由自在に動かしながら、僕を翻弄した。
 シコリを摘まむ度に、僕の身体は、ジルさえ舌で唇を舐めてしまうくらい反応した。前立腺が、気持ち良い所なんて知らなかった。二本の指で挟まれ、空いた三本目は第一関節を動かし、ぐっと押す。

「ひゃぁっあぁん、も、ジル、いや」
「だーめ」

 楽しそうに笑いながらジルは僕に口づけをする。熱く滑った舌が口内を犯す。その間も、変わらずアナルは弄られ、収縮を繰り返し、ひくつくアナルの運動を無視するように、三本の指は動いた。

「もうそろそろいいかなぁん」
「てゅ、あ、じ、じる」
「あは、目とろとろだねぇ充葉ぁん。充葉の綺麗な瞳から涙がじわって溢れてきていてぇ、オレは嬉しいよぉ。だって、それ、快感に溺れている証拠でしょう。うふ、充葉も良いんだねぇ。オレもねぇ、興奮して止まないよぉ」
「じ、じ、る、あっひゃぁ」
「ここ、そんなに良いんだねぇ」

 コリコリ
 前立腺をまた挟まれて弄られる。

「ねぇ、充葉ぁ、もっと気持ちよくなろうねぇ」

 すっかり身体は虚脱してしまい、正常なことを考えることが出来なくなった思考を甚振るようにジルは愉快で痛快だと言ったような声をあげた。

「充葉はぁ、エッチだねぇ。淫乱ちゃんでぇ、オレは嬉しいよぉ。それにねぇ、実験は成功みたいだよぉ。ほら、こんなに勃っちゃったぁ。オレも気持ちよくなれそうだよぉ」
「じ、る……もう、や」
「大丈夫、大丈夫だからねぇ充葉ぁん」
 ちゅっちゅっと軽い口づけをジルは繰り返す。僕は抗う術を失い、無抵抗のまま受け入れていると、気を良くしたジルは唾液を僕へ無理矢理飲ませ、顔をあげた。
 銀の糸が厭らしく二人の間を伝う。

「一緒になろうねぇ、充葉ぁ。二人で一人になろうよぉ」
「い、なに、する、つも、り」
「気持ちいいことだよぉ」

 ジルは巨大な肉棒を僕のアナルへと押し付ける。ならされたといえ、そんなの入るとは到底思えなかった。

「いや! お願い、ジル! そんなこと、しないで、くれ」
「駄目だってぇ」
「いや、いや、いやいやいやいやいやだ!」


 虚脱していた身体に抵抗の力が戻り必死に身体を動かす。人間、限界まで追い詰めれば危機管理能力で力が沸くものだ、と「いや」で埋め尽くされる脳内の中で、ぼんやりと思った。火事場の馬鹿力っていうのは本当らしい。
 嫌だった。
 だいたい、僕のアナルにお前の肉棒が入っていうことは、どういうことか判っているのかよ、ジル。
 セックスするってことだぞ。
 幼馴染じゃなくなってしまう。幼馴染という関係ですら酷く曖昧な関係で濁った部分に目を瞑りながら平行線上を歩いてきたみたいなものなのに。
 僕はどうして、ジルの傍に居るの。
 僕はどうして、ジルの傍から離れないの。
 答えは、幼馴染だから。
 もう、それで、いいじゃないか。
 だから、これ以上、僕を溺れさすような行為は止めて欲しい。
 


 どうせ、お前の一番は……―――


 パァン

「煩いよぉ、充葉ぁん。せっかく、今から気持ちよくなるのにぃ」

 無我夢中で動かしていた身体が煩わしかったのだろう。
 そういえば、少し前に抵抗した時に言っていたっけ。
 殴るって。
 頬っぺたを叩かれた。ジルからの暴力は長年一緒にいたけど初めてで、その分、衝撃が大きかったんだと思う。頭の中をすぅーと冷えた感情が突く。僕の感情と身体が濾過で分離された。
 口を半開きの状態で呆けてしまう。
 がたっと痙攣する身体。

「充葉ぁ、ごめんなさいって言おうねぇ」
「……――ごめんなさい」
「良い子、良い子」

 叩いてごめんねって言いながらジルは僕の頬を撫でた。
 力は萎んでいき、虚脱した状態に戻る。思考は完璧に停止した。
 
「いくよぉ、充葉ぁん」

 汗を滴らせながら、ジルは肉棒を僕の穴にぴたっとあて、無遠慮に犯した。













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