「あけましておめでとうございます」

帝が深々と頭を下げた。振り袖に身を包んだ体は可愛い意外の他に会う言葉が見当たらねェ。柴田が見繕っただけある。女モノだが華奢な帝によくあっている。首にかけた白いファーが顔に埋もれて、帝の透き通りそうなくらい白い肌がよく映えた。お化粧もうっすら施されているのか、今の帝はどこから見ても女だった。俺の好みじゃねェけど、帝のような存在は好みという枠に縛るには余りにも矮小な考え方だ。恥ずかしがる帝を抱き上げ、軽くキスを交わす。今日は二人きりの正月だ。三が日までは俺らは実家へ帰省してたからな。今時、家族集まって食事する機会なんて滅多にねェから、俺は意外と、まぁ、楽しいんだけど。不満があるとすれば、帝と一緒に過ごせねェのと、セックス出来ねェことか。


「行くか、帝」


お姫様抱っこして担ぎ上げると帝は恥ずかしそうに頬を染めた。堪らねェ。お前って人間はどうして、こんなに俺の支柱を突いてくるんだ。













「初詣楽しかったね」

振り袖を脱ぎ私服に着替えた帝は緑茶をテーブルの上にことん、と起き椅子に腰掛けた。

「だな」
「甘酒美味しかった、トラ?」


神社に甘酒が売られてあり、俺だけが飲んだ。帝に飲ませても良かったんだが、アルコールを節酒することにより淫乱ちゃんに帝はなっちまうから、止めさせた。初詣に来たのに記憶を失ったらこの子が可哀相だ。哀愁漂う雰囲気なんてのはこの子には不要なものだ。

「美味かったぜ」
「ふふ、良かった。あ、和菓子もあるから、出してくるね」

茶請けの菓子をだしに帝は立ち上がる。いつの間に作ったのか色とりどりの和菓子が並べられた。細かい模様が浮かびあがり、様々な形を作っている。帝は一つ。俺には八個ほど置かれてある。


「和菓子は珍しいな」
「お、お正月だから」

率直で馬鹿な子だ。そこが良いのだが。帝が作るものなんて、なんでも美味いので口に放り込む。

「美味いぜ」
「わぁ、本当。良かったぁ」

にっこりと泣きそうな儚い笑みで喜びを表現した。無性に抱き締めてセックスして、誤魔化してやりたくなった。無茶苦茶に扱って俺だけの所有物だと脳髄から身体、内臓へと刻み込んでやる。
誤魔化しを求めているのは俺の心なのか。んなことは知らねェが。


「帝、食べたらセックスするか」
「え、い、いいの? トラ疲れてない。遠出したし」
「別に。体力あるからなァ、俺は」

だったら良いんだけど、と帝は言い、俺は和菓子を口に放り込む。早く食べてセックスして潰してしまいたかった。










寝室まで運び、ベッドへ帝を投げる。うつ伏せになった帝の顎を掴み、唇に口付けをした。舌を噛み切るように、吸い付いてやる。酸欠で帝の顔は真っ赤に染まった。ヤカンみてェだ。
涎を流し込み飲むように促す。飲み切れなかった涎は口角から透明の糸を垂れ流す。


「トラぁ」
「飲み込めってわかってただろう」
「わ、わかってた、けど、ごめんなさい」
「今回だけ許してやる」

素直なこの子は柔和に笑う。俺は帝にうつ伏せになるよう命じる。突き上げられた尻が俺を誘うかのようだった。男にしては小さい帝の柔肌に触れる。赤ん坊みたいな尻が俺の肉棒を貪るなんて未だに信じられねェな。
寝台に置いてあるローションを手にとり、帝の尻に塗り付ける。


「ひっぁ!」

直接塗ったから、冷たいのだろう。身体を震わした帝の尻をたたく。


「ぁっあ! ん……」

尻叩かれてもこの子は感じちまうらしい。変態で淫乱なんて手がつけられない子だ。
パァン、パァン
緩く叩く。
加減なしに叩くて帝の肉は木っ端微塵に吹っ飛んでしまうだろう。俺、グロいのは好きじゃねェからさ。

「ひっぁっ、ひゃっああ!」


尻たぶを叩いているだけなのに、帝は見事なまでに感じている。帝のペニスが勃起を始め、鈴口から我慢汁が漏れていた。

「叩かれてるだけなのに、なんでこんなに漏れてんだよ」

尿道口を爪で弄るように突いてやる。帝は瞼を閉じ、快楽に耐えている。


「答えなさい」

今日はとろとろになるまで甘やかして優しくしてやる予定だから、帝が素直に吐き出したらあとはこの子の好きにさせてやろうと決め尋ねる。


「お尻た、たたかれて、勃っちゃったの」

ずるずると泣きながら帝は述べる。嗚咽が靡、音は中々に良かったが、違う。理解している筈だ。この子は聡い子なのだから。
パァン、パァン
再び尻を叩いてやる。赤く紅葉が何重にも折り重なった形がよくみえる。皮膚は叩かれ過ぎて爛れてきていた。


「帝」


名前を呼ぶ。
震える帝は振り返り、俺の双眼を見つめた。鋭い視線を覗いたあと、物欲しそうに瞳を熱くする。自覚が欠如するのも問題だ。男を誘う眼差しに生唾を咀嚼する。自制心なんてものが俺にあるのなら感謝してやりたい。

「帝」

念を押すようにいう。自分に打ち勝つための行為でもあった。
帝は息を熱く飲み込みながら、喉を震わす。


「トラのぉ、おおきなお手で叩かれて、興奮して、い、淫乱だからぁ、勃起しちゃったぁのぉ」


屈辱に耐えるこの子は最上級に可愛い。良い子だと頭を撫でてやる。帝は安堵したようで顔を緩めた。


「淫乱な帝はどうして欲しいんだ」

帝の腕を掴み抱き上げる。膝の上にのせ、俺の膨張した肉棒に当たるように接すると、腰をびくんと帝は動かした。
ご褒美だ。今年はじめてのセックスなんだから素直になれよ。お前は尻を叩かれるだけで感じちまう淫乱さんなんだからよぉ。


「あ、あの、ね、トラ」

吐息を荒くしながら、帝は俺のペニスに触れる。熱を味わうかのように、小さな帝の手のひらで俺のペニスを擦った。発言権が与えられているというのに喉元で懇願の我が儘が停止しているのかと想像し、生唾を飲み込む。


「トラの、おっきくてぇ長いおちんちんを帝のお○んこの中にいれて、はめはめしてぇ」

涎を垂らしながら人間の尊厳が失われたような表情で帝は告げた。快楽がじわりじわり足元から迫ってきているのだろう。僅かだが痙攣を起こしていた。



「イイゼ」

許可を下し、尻たぶを持ち上げ、解していない帝の後孔に肉棒をブチ込む。正月は実家だったから、三日ほどセックスしてなかったが、帝の後孔は喜んで俺を受け入れた。普段より若干キツいが、膣が俺の肉棒にまとわりつく。きゅうきゅうと呼吸をしてるみてェだ。もっと、もっと、てよぉ。

「トラぁ」
「っ、ぁ……良いぜ、なぁ、帝、お前が好きなように動けよ」


言ってやると帝は容赦なく上下運動をはじめた。騎乗位って言葉の意味が、よく理解できる光景だ。天井を見つめるように、男の肉棒を銜え込む。テメェ俺じゃなくても良いだろうがとペニス狂いの帝に暴言を吐き出したくなるが寸前のところで飲み込む。まぁ、他の奴とお前が望んでセックスしたら家からもう出してやらねェけどな。



「ひゃっあぁっあっあ! イくよぉ、イっちゃうよぉ」



この子はこうやって俺の中で踊っていれば良いのだ。







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