僕は耐性というものが欠如しているみたい。トラの裸を見ているだけで興奮してくるなんて、色情魔過ぎて、言い訳さえ聞かない。身体っていうのは欲望に素直なんだって思ってしまう。

「んっ――ふぁ、トラぁ」
「いいぜ、帝」

髪の毛から雫が落ちる。場所はお風呂。僕は洗い場でトラの膝の上に腰掛けながら、キスをしている。粘膜が絡まり合う音がお風呂の中で反響する。
お風呂ではキスするだけで、どうにかなりそうになる。声が響くので、脳内が麻痺していくのが早い為だ。
はしたない子と思われたくないから嬌声を上げるのは嫌なのに、トラは僕のそんな気持ちなんかお構いなしに、口づけを交わす。
舌を絡めていると、トラの陰茎が勃起してきたことが判って、僕もびくんと身体を揺らす。
揺らした様が見えたのだろう。キスしながら、トラは不敵に笑い、僕の腰を持ち上げ、自分の方へと向けた。

「トラぁ」
「帝、お前も感じてきてんだろう」
「うう。そうです。僕のおちんちんも勃起しちゃいました」

水気で保温されたトラの手のひらが僕の陰茎に触れる。淡いピンク色の亀頭に爪先を立てて、勃起している様子を僕に見るよう強制する。

「ん――ぁ、トラ、も、出ちゃう」
「早いなァ、オイ」
「ふぁ、出させてぇ、んっんぁぁあ」
「いくらなんでも、早すぎるから、我慢な」

陰茎から手を離すと、金具に掛けてあったシャワーをとった。
嫌な予感しか脳裏を過らなくて背筋がぞわりとするが、発射抗をこちらへ向けると、蛇口を捻る。

「ぶあぁあ、トラ、水っ顔にあたってるよぉ」
「あ、ワリィ、ワリィ」
「ひ、酷いよお、トラ」
「ごめん、ごめん、本当はこうするつもりだったんだぜ、帝」
「ふ、へ、あひゃぁぁぁん!」

勢いよく水が噴出されるシャワーを僕の陰茎に当ててきた。
玩具でも人間でも出来ない刺激が僕の身体を巡る。電力をびりびり身体に通されているような感覚だ。
先が尖った針で突かれる感覚といっても良いかも知れない。
痺れるような痛みと、確かな快楽が僕を混乱へと導く。


「やぁ、トラァァァ、水がぁぁ、いたい、いたいよ、ひっぁあぁぁん」
「痛いのに勃起してるなぁ、お前」
「ひゃぁぁぁぁ、だってぇ」

身体の力が指先から抜けて行く。
裏筋をもの凄い勢いで水圧の針が刺さるので、射精感が沸騰する。

「そんなに痛いんなら乳首も弄ってやるよ」
「ぁああ、そんな、そこも一緒にされたら駄目だよぉお!」

乳輪を爪で引っ掻かれ、乳首を指の腹で押される。
乳首を弄くられる度に僕の腰は面白い位、跳ね上がり、ガクンと音をたてた。

「もう、イくぅぅぅぅ!」
「だから、お前は本当に辛抱出来ない子だな」
「ひっひっぁあひゃぁああ、ご、ごめんなさっい!」

射精寸前の腫れあがった尿道口にシャワーを当てられる。
出口を求めて彷徨っているのに、水圧によって押し返されて、身体が痙攣してしまう。

「あぁああ、やめてぇ、ふぁ、とらぁぁ、お水、入ってきちゃうよぉぉぉぉ!」
「入ってきてもダイジョウブじゃね?」
「大丈夫じゃない、よぉぉぉ! やぁ!」

必死の叫びが届いたのかトラはシャワーの位置を陰嚢へとずらしてきれた。陰嚢と竿のあたりにシャワーを浴びせられ、うっとりとし恍惚な表情を浮かべてしまう。

「タマん中、すっげぇぶるぶる震えてんじゃん、イきてぇんだろ」
「ぁぁああああん、ひゃわぁぁん、イくぅぅぅぅぅ!」

トラに囁かれ、僕は達してしまった。
精液をトラのお腹にばら撒き、肩で息をする。すーはーすーはーと、ようやく空気が入ってくる息遣いだ。

「すげぇ、気持ち良かっただろう帝」
「う、うん」
「なら、俺のも気持ち良くしてくれよな」

そう言うとトラは僕の太股と掴み、後孔に指を突っ込んできた。ローションなんてないから、シャンプーが潤滑油の代わりを果たしてくれているみたいで、意外と、すんなり入ってきた。

「んっ! あ、そこ」
「ココが良いんだろ?」
「そ、ふぁ、そこぉ」

子どもが打楽器を叩くようにトラは僕の内壁を突いた。リズム良い動きで腰を捻らすと、そんな僕を可愛いと言ってくれているみたいに、首筋に口づけをしてくれた。
くすぐったいよトラって言う前に、皮膚を貫く感触がして、ああ、噛んでもらったんだって判り、悦楽に溺れる。
トラの頑丈な歯が僕の身体に食い込んでいる。キスマークも好きだけど、歯型を残して貰える時はもっと嬉しい。
血液が、ゆっくり下がっていく。

「お前の血だったらウメェ」
「ほ、ひゃぁ、ほんと、にぃ」
「ああ、本当だって」
「ふっあぁああ、ひゃぁあ、そこぉ、トラ」

両手を使い、人差し指で僕の後孔を広げる。トラの陰茎を銜え込むくらい大きく開かれ、とうてい、人のモノと思えない大きさの陰茎が僕の後孔に突き立てられた。

「ひゃぁぁあ、ふあぁっあぁああ!」
「お前の声、すげぇ、響いてるぜ」
「ふぁぁあああ、トラぁぁぁ、止めてぇぇ、聞かないでぇ!」

懇願したけど、トラは僕にもっと声を出させたいようで、感じる所を陰茎で突きまくる。
乱暴な動きがさらに気持ちよくて、あぁん、と喘ぎ声を出してしまう。トラとセックスしているかた仕方ないって諦めるべき話なんだけど、中々、難しい。


「ひゃぁああん!」











そうやって、セックスは僕が逆上せるまで続いた。
倒れてしまった僕をトラが担ぎあげ、看病してくれて、とっても申し訳ない気持ちになり謝ったんだけど、トラは気にするなと頭を撫でてくれた。それより、「噛み痕の消毒するぞ」なんて、誤魔化してくれたんだ。
けど、後日、友人にこの話をしたら「変なの」って言われちゃった。どうしてだろう。



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