*強姦 *said柴田 *二時間目












男同士のセックスを経験して一週間が過ぎた。
俺の日常っていうのは、特に変哲もなく普通に、動いていて、相変わらず退屈だ。
微々たる変化といえば、エミちゃんと別れて、エミちゃんの彼女だったユカちゃんと付き合いだしたくらいかな。煩い女の子は嫌いじゃないけど、度を超すと面倒なので、バイバイした。
三カ月丁度経過していたし、時期的にも良かったんじゃね。
ユカちゃんはおっとりした大和撫子系の女子。けどさすがエミちゃんの友達だねって感じで、簡単に股を開いてくれた。黒髪の子とセックスするのなんて久しぶりで、ちょっと興奮したよね。
あ、けど、センセイも黒髪だったっけ。
今、ちょっと思い出すの嫌なんだよねぇ。妙な違和感っていうか。征服した喜びに浸っていたかったのに、廊下を擦れ違う時、普通に挨拶してきて意表を突かれた。
なんだ、こいつ。前と全然、態度、変わらなねぇじゃん。拍子抜けにも程があるだろうが。



「柴田くん」
「飯沼センセー」
「君、日直だったよねこの教材、職員室まで運んでくれる」
「え! マジっすか? それって日直の仕事でしたっけ」
「仕事だよ」



誤魔化そうと思ったのに、教材を無理矢理押し付けてセンセイは俺の横をすり抜けた。大人の余裕ってやつ。俺、大嫌いなんだけどね。
鋼の精神ですよ、僕は。
んなアピールとしてしか受け入れられねぇっての。イラつく。俺がイラつくのは、強姦された向こうにとって、お角違いって叫びたい問題かも知れないけどさ。
教材を持ち上げ、俺はセンセイの背中を眺めた。
白衣が似合う後ろ姿は、酷く小さくて、俺はこんな奴を抱いたのかと、ふと、思った。



「亮平――! 私も一緒に行く」
「ユカちゃん。いいの? マジ優しい」



一人で行けるっての、馬鹿女。どうして、女っていう生き物は恩着せがましく優しさを披露するのだろうか。友達の前カレと付き合っている醜態さを知っているのだから、優しくされても、偽物だって普通に気付くでしょう。優しさでもないけどね、この行為は。俺にとって迷惑以外の何物でもないよ。荷物も持たない奴が横に立っていても、役に立たねぇから。
けど、俺は欲しい台詞を言ってあげるよ。波風立てたくないからね。まだ、別れるなんてごめんだ。ユカちゃんの綺麗な生足、堪能出来てねぇ。



「飯沼って最低だよね。亮平に荷物運ばせるなんて」
「日直だからさ。しょうがねぇーじゃん。嫌だけど、運ぶは」
「大丈夫」
「うん、大丈夫だよ。ユカちゃんが横に居るから、職員室まで行くのも苦じゃねぇし」
「もうっ!」



ユカちゃんは淡く唇に塗ったリップクリームを隠すように、照れた。
これはちょっと可愛かった。俺はさ、付き合っている間はその子のこと大事にするからね。心の中は別として。
照れたユカちゃんを囃しながら、廊下を歩く。
窓から見える、科学室が視界に映り、気になって仕方なかった。












欠伸をしながら、教師の馬鹿さが目立つ授業を椅子に座りながら聞いていたら、あっという間に放課後がきた。
ユカちゃんと帰ろうと思ったら、なんと彼女は今日、茶道のお稽古があるらしく帰っていった。あんなにま○こがガバガバの子が着物の袖を通し、清楚な姿でお茶を嗜んでいるかと想像すると哄笑してしまいそうになる。
暇になっちゃったし、どうしようかね。
トラは帝ちゃんと帰宅したし、あと、一緒にいる奴らも今日は用事があるとか、ついてねぇ。かと言って、家に帰るのは、嫌だし。


「ホント、暇」



校内を闊歩しながら呟く。街へ繰り出しても良かったんだけど、脚が向かったのは、科学準備室だ。もう、センセイは姿を現さないだろうけどね。いくら、余裕ブッ扱いて、平然な態度で俺と接していても、強姦された場所に姿を表すほど、阿呆な人間はいない。身体が拒否する筈だ。
だから、俺が向かうのは、センセイに会う為じゃなくて、科学準備室で寝る為。家で寝るより、よっぽど、寝心地が良いから。


「しっつれいしまーす」


癖みたいになっている。科学準備室の扉を開ける。誰もいないっての。
鈍い音がして、脚を踏み入れた。


「はい、どうぞ」
「!!」


聞こえてきた声に硬直する。
なになに。どうなってんの。コレ。
あろうことか、飯沼和人センセイが椅子に腰掛けながら珈琲を啜っていた。鼻腔を香ばしい匂いが横切る。


「ああ、君か。柴田くん。残念だけど、この部屋は本来、科学教師が利用するための部屋だから返して貰うよ。けど、来たかったらいつでもどうぞ。そこまでして君の居場所を奪うつもりは僕にはないよ」


合間に珈琲を啜る音を入れながらセンセイは述べる。


「センセイって頭可笑しい? あんたこの前、俺に強姦されたんだけど」
「そうだね」
「じゃぁ、なんで、この部屋にいるんだよ!」
「職員室が好きじゃないんだ。息苦しい雰囲気がするでしょ。で、その他に僕が使えるのはこの教室だけだったから」


俺が聞きたい質問はソコじゃねぇんだよ! 判ってんだろ、テメェ。

座るなら勝手にどうぞというように、センセイは動作をしながら、俺を見つめた。俺を見つめる双眸に詰ったものを眺めていると、苛立ちが沸き上がってきて、切り捨てるように、センセイの胸倉を掴む。


「もう、止めてくれ。僕は君とセックスしたいわけじゃないんだ」
「だったら出てけよ! 俺に関わるな。わかってる? 俺、センセイの写真まで持ってるんだよ。ネットとか、流そうか? 嫌だって叫んだたのは、センセイだけど、俺は別にいいからさ」
「ああ、あれね。別にいいよ。勝手にしても」
「なっ!」


驚嘆のあまり、声が止まる。
センセイは俺の表情をして、緩やかに笑った。笑い方が、気持ち悪い。


「嫌だけど。しょうがないよ」
「頭、可笑しいんじゃね。職、失くすつもりかよ」
「根気良く探すことにする。それに、僕は君がネットに流す様な人間じゃないって信じたいだけだよ」


勝手はこと言ってんじゃねぇ! と叫ぶつもりだったのに、センセイの手のひらが俺の頬っぺたに触れて、何も言えなくなった。
急激に俺の怒りは、最高値まで達した。
いや、怒りと簡単に表せるものではない。腸が捩れるような痛さと共に、脳の隅っこの方から襲いくるものだ。激しい戸惑いを孕んでいるからこそ、衝動的になるのだ。

センセイの首を掴み、壁に押し当てる。衝撃が音として現れ、持っていた珈琲が毀れた。純白の白衣は、茶色の染みを塗している。


「しばった、くん、止めなさい」
「うるせぇ!」


締められた気管から、搾る様な息をセンセイは吐き出しながら、両手で俺を離そうと必死になり、抗う。
抵抗すんなよ、ウザったい。
頬骨を掴んで、センセイの顔を強引に上へ向かせると、貪り付くようなキスをした。ビビれよ。口づけされたあと、衝撃で萎えてしまうくらいに。

「止めてくれ、君に幻滅してしまう」
「したらいいんじゃね?」

葛藤を仕舞いこむように、センセイの唇に噛みつく。
舌を滑り込ませ、粘膜を結合させるように舐めまわしてやると、性的な行為に慣れていない証拠だというようにセンセイは崩れ落ちた。ヒャハハハハ! おもれぇ! こいつ、もしかして犯されたくて、来てんじゃねぇのかよ。

「センセイは男に犯されるのが好きなんだろ」
「そんなわけ、ない」

必死の抵抗が逆に加虐心を指摘する。
喉元がきゅうっと締まるように、喉仏が閉じて行く。センセイを犯そうとしている時の気分は、前回だったらならば喧嘩している時に怒る興奮と似ていたが、今は少し違う。自分の中にある、閉じてしまいたいものが晒されている。それを隠す為に、また行為を働くという矛盾が起こっている。
センセイの身体がソファーに沈んだ。非力な力で俺を押し返すけど、無駄だったみたいだね。残念、残念。

「無駄だから」
「ホントにっやめ」
「嫌じゃない、はい、嫌じゃない」

ズボンに手を掛け、降ろす。ついでに、下着ごと降ろしてやったので、陰茎が顔を出した。使い慣れてない、童貞丸出しの淡い色をしたピンクは、当然の如く萎えていたが、直接、手で掴む。

「ちょっ……!」
「まだ、余裕あるじゃん」
「一回目より、そりゃ……ね」
「ツマンネェー 屈服してくれてもいいんだぜ、センセー」
「断るよ」
「あっそう」

唾を吐き捨てると、センセイの頬に当たった。べちゃりという音がして、屈辱だと顔が歪む。あ――あ、そんなに俺が今からする行為が嫌なら必死になって泣き喚けばいいのに。
俺が一番、反吐が出る顔をして見つめてきやがる。

「んっ――くっ――」
「声、出してもイーヨ」
「こつわっる、よ」
「あっそ。じゃあ、出させるようにするまでかな」

唇を噛んで声を押し殺すセンセイが気に入らなかったので、裏筋を撫でる。
びくんと身体を痙攣させて、刺激に堪えている、紅潮した顔はたまんねぇ。

「ひゃぁ――くっう」

裏筋を撫でながら、亀頭を弄ってやる。全体に輪がかかるように、擦ったあと、解放を待ち望む、尿道口を爪先で引っ掻く。ここ、擦られて、感じねぇ男なんかいない。同じ男だ。大体、感じる場所なんて普段の感覚からしてわかる。つっても俺はオナニー頻繁にしねぇから、女の子に撫でてもらって判る感覚だけどさ。

「くっ――んっ……ふっ柴田っくん」

擦れた声で俺の名前を呼ばれる。なんか、それはいいかもね。
腿を持ち上げ、センセイのアナルが見えるようにする。
ああ、陰茎は弄ったままね。

「み、見ないでくれ」
「これから、ココ使うんだから無理でしょ」
「柴田くんっ――く、ぁ、も、う、止めて、欲しい、僕は……」
「はい、センセー。無理でーーす」

にっこりと笑みを浮かべながらセンセイのアナルを覗き見る。
ひくひくと波打つ小さな穴は、この前、俺の一物を銜え込んでいたとは思えない。
ポケットからローションを取り出し、センセイの後孔に指を一本押しいれる。

「ふっ――! ぁ、ひゃ」
「一本目――やっぱり堅いっすね」
「そこはっ排出っするだけの、場所、だかっぁら」
「挿入されて、アァンアァン喘いでいた人が何を言っているんですか」
「ひっぁあ! くっ……」

口許に手を回して、喘ぎ声を我慢するセンセイだけど無駄な努力だよ。
収縮する窄まりの動きに相反するように、ローションをたっぷりつけた指を沈めていく。もちろん、忘れずに陰茎も撫でる。
股間の付け根、陰嚢を触るように、輪っかをつくって、上下の動きを繰り返す。単純な動きだがセンセイは気持ち良いみたい。

「ふぁ……やぁっペニスの方っは、もう」
「あ、そう? そう言わないで下さいよ」
「もう、駄目だっ」
「イきますか? どうぞ」

にやっと笑う。センセイの達する瞬間の顔は屈辱に歪んでいて俺を虜にする。

「ひゃぁぁぁぁあああ! イくっ――」

イかせてやるよ、と尿道口を弄くってやる。すると、決壊寸前だった、射精感が限界を迎えたのだろう。堪え忍んでいた、嬌声を防止する手のひらの防衛はあっさり破れ、センセイは射精した。
聳え立った精液は自身の腹と眼鏡に精液をまき散らす。
イーネ。
俺、センセイのそういう顔、好きだよ。
眼鏡が精液で濡れている姿なんて最高にエロいよ。

「肩で息してるところ悪いけど、今からが本番だから、忘れないでね」
「え? ひっぁあ、やっ、触るな」
「ハハハ、冗談? 触るけど」

ない力で頭を押し返そうとするセンセイを嘲笑うように、後孔に突っ込んでいた指を三本に増やす。以外と呆気なく、押し入り、拍子抜けしたが、挿入されているセンセイとしては溜まったもんじゃないみたい。

「もっいっぱい、だから。抜いて、くれ」

三本目の指はセンセイの膣を支配しているらしく、バラバラに動かされると。少し痛いみたい。
粘膜が俺に張り付いてくるから、センセイが限界だっていう気持ちも分からなくないけど、止めないよ俺は。

「バラバラに動かされると、どんな感じ?」
「ひっ――! あぁっひゃぁ、あぐっふぁ」
「はは、喘ぎ声で返答されてもねぇ」
「ふっぐっぁぁあっひゃぁ、動かっかさっない、で、くれ」

動かすなというので、動かしてやる。
無動作に動かして、痙攣するセンセイの身体が痛さで飛び上がるのを少し眺めた後、快楽をあげようと、人差し指を、後孔の奥にある、しこりへと引っ掻ける。

「ひゃぁあっぁああ、ふぁあ、あぐ、ひっ」
「アハハハ、気持ちいいよね。センセイ、この前もここで喘いでたから」
「ひっぁぁぁ、もっ」

前立腺を弄られると本当にセンセイは身体が言う事を聞かなくなるらしく、なけなしの力で抑えていた俺の頭から退散する。手がずるり、と落ちてソファーの下へ落下していった。

「センセイ、こうされるのも良いでしょ?」
「ひっ! あぁああ、ひゃぁっくっふぁん、いやぁあぁあ」

前立腺を人差し指と中指で挟んでやる。中で震わすように揺さぶりをかけると、センセイの身体は飛び跳ねた。
ソファーの軋む音がする。

「ひゃぁぁ、あぐぁ、だめ、だっ柴田っく、ん、それっはぁ」
「へぇ? チンコ、また勃起してるけど?」
「ふぇあぁ、ひゃぁあ! 見ないで、っく、れ」
「見ないで、とかっあーもう一回、写メ撮ってあげようか」
「やぁっ、もっ! それだけ、はっ」
「ハハハハ! やっぱ、嫌なんじゃん! そうだろう! なぁ!」
「くっ……」

快楽とは別の意味で顔を歪ませるセンセイの姿が楽しくて、俺はスマフォを取り出すと、写真を取る。
パシャパシャ
音を立て、シャッターが下りる。
後孔に挿れられた、指はそのままにして、センセイはソファーへ頬を付けるように顔を逸らした。
意味がない行為だと自分でも判っているが、逸らさずにはいられなかったのだろう。

「センセイ、そろそろ、いいなぁ」

凌辱に堪えるセンセイの顔見てたら、ほら、俺も興奮してきたみたいでさ。
スマフォを適当な場所へ置いて、制服を脱ぐ。
飛び出た一物をセンセイの眸に焼きつくように、凝視させる。

「入らっない、頼む、柴田くんっ僕は」
「この前も入ってから。余裕だと思うけど」
「ちがっ……柴田くん、僕、は」

煩い唇を抑えつけ、センセイの太股を持ち上げる。

「うるせぇな! ぐちゃぐちゃ! 喋りやがって! 放課後、ここにいたってのは犯して欲しいってことだろが!」

今にもキスしそうな距離で睨みながら、怒鳴りつけてやった。
センセイは恐怖からなのか、身体が震えている。

「そうじゃないっ、ひっあぁひゃぁあああああぐ!」

あ――うるせ――
センセイの後孔から指を抜いて、代わりに俺の肉棒を宛がった。
ズブリ、ズブリと音をたて、気泡が巨大な肉棒で殺されていく。
センセイの膣は温かくて、俺を求める。粘膜が、纏わりついてくる。

「すげぇ、センセイの中って女の子より気持ち良いかもねぇ」
「ひっひゃぁああ、あぐぁっひゃぁあぁぁ」
「なに言ってるか、聞こえませーん」
「ふぁぁぁぁぁ、ひゃぁあああ、そこぉぉ!」

スパンッパンッグチュグチュ、パンッ
肉と肉がぶつかり合う音がする。
センセイの内壁を俺に亀頭が抉る。身体は痙攣し、もう、視界がぼやけ、今、自分が犯されていることしか理解出来なくなったセンセイは、涎を口角から流していた。

「ココ、気持ち良いんでしょ? センセイ? くっちょ、突然、締めつけるなよ」
「ひっひゃぁあああ、あぐぁぁあああ!」


前立腺を執拗に突いてやっていたらセンセイは射精してしまったらしい。我慢きかないのも、程々にしてね、お願いだから。
俺がもっと楽しめるように。

「オラ! センセイ、俺、まだイってないから、もっと締めてよね」
「ひゃぁあいん、ふぁあ、ひゃああぐあぁっふっひぁ」
「そうそう、いい感じじゃん!」

陰茎をギリギリまで抜いて、奥にねじ込む。これがセンセイはお気に入りなのかな。前立腺狙ってあげているし。
痙攣し、泡を吐き出す。
ああ、俺もイけそう。

「ほら、センセイ、俺、イくから締めつけろよ」
「ひひぃいいん! ひゃぁあああああ!」

ラストに向け、動きは激しさを増した。
俺はセンセイの最奥に射精をぶちかます。

「くっ――ぁああ――気持ち良いわ――」
「ひゃぁあああ、ぐあぁあああ!」

俺が達するとセンセイも達したみたい。何回、イったんだ。やっぱり、嫌だ、嫌だっていいながら、とんでもない淫乱ちゃんなんじゃないの。この顔で。不細工なこいつの顔で、そうだったとしたら、とんだ笑いものだけどな。

「けどさぁ、センセイ」

気絶してしまっているセンセイの髪を撫でながら囁く。

「もう暫く、付き合ってよ。俺、退屈で仕方ないんだよね」


それに、あんたがいけないんだ。
まるで、全てを許すみたいな言い方をするから。俺の苛立ちを増加させるから。不確かな要素なんてつまらないものは必要ない。俺の手の中で踊ってくれないやつも。把握できない、予想外の自分の行為ってやつも。

「ね、センセイ」











2011122

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