セックス禁止令ほど辛いものはないと、貞操帯を付けられた今なら思う。 勝手にオナニーしたお仕置きだってトラに言われて、抵抗する暇さえなく、貞操帯を付けられたのは1ヶ月前のこと。本当は、勝手にオナニーしたことじゃなくて、僕が「したい」ってトラに言えなかったことに怒っているんだと思うけど、トラは直接、僕に云わないので、勝手にオナニーしたこと、ということにしておく。 「ションベン出すときは言え」 なんて、慰めにもならない言葉をかけられた。トラに言われたことだから、我慢するけど正直、僕のお○んこは、ひくひくとトラの太いものを入れて頭を馬鹿にしてもらいたくて仕方ないみたい。 只でさえ、毎日のようにセックスしているから1ヶ月もお預けを食らって身体は疼きを止めないのに。貞操帯の鍵はトラが持っているから勝手に外すのは不可能だし。 「ひぐっ、トラ」 双眸に涙がじんわりと溜まる。快楽の捌け口を探しているらしい。限界だと訴える僕の身体はちょっとした動作でさえ、びくんと震えてしまう。ほら、今だって―― 「ん? 帝、なんか言ったかァ」 「ふっ……ぁ、止めて、トラ」 「抱き締めてるだけだぜ。ナニが恥かしいんだァ」 背後から覆いかぶさるように抱き締められている。 だけ、だけどぉ。 何時もと違う状態だから、平常心でいられるわけがない。だって、背中にはトラの体温がぎゅうっとあって、ひゃぐっと反応しちゃう。しかも、股の間に挟まれる感じで座っているから、僕のお尻にトラのおちんちんが当たっている。 うう、トラだって、やんわり反応している癖にぃ。どうして、普通に話せるの。1ヶ月我慢してるのはトラだって、一緒でしょ。 「トラぁ、お願いぃ」 「お願いって、なにが? ちゃんとコトバに直して言ってみろよ、なァ」 「ひゃっ、あっ……ふぁ」 喋りながら腹を触る手を動かされる。蛇みたいにトラの指先が僕の身体をはい上がり、敏感な乳首に触れる。シャツと上からふにふにされ、僕の嬌声と一緒に叩かれる。 「ひゃぁ!…… ふぁ、もっト、ラァ……」 「も、じゃ、ねぇよ。なに言ってんだ、帝」 「うっぁ、……ひゃぐ……ひ」 乳首を弄る手は甘くなる所か辛辣に動きを強めた。つめ先で引っ掻くように押し付けると反応を示す僕の顔を楽しむようにトラは笑う。 トラの唾液が落とされ、シャツの上だというのに、乳首だけが浮き彫りになる。角を張った乳首は真っ赤に熟れていて、羞恥心を煽った。 「もっ……言わせってぇ、トラぁ」 「だから言えばいいじゃん」 意地悪だ。トラが僕の口を動かなくしているのに。涎だけが、だらだら垂れて、真っ赤に染まり限界を迎えた口は金魚にみたいにぱくぱくと懇願する。 「セックスし、ひゃぁ、ってぇ」 「具体的にはナニして欲しいんだァ、帝」 「トラのおっきいの僕のお○んこに打ちこんで、突いてぇ!」 トラの二の腕を掴みながら、泣き叫ぶと、ようやくトラに届いたようで、啄むようなキスをしてくれた。 次第に唾液を絡めとるものへと変貌し、くちゅくちゅと音が鳴る空間で、トラはゆっくりと僕のシャツを脱がしてくれた。 「ふぁ、トラ……んっ……ぁ」 「なぁ、この下ってグショグショ、なんじゃねェ?」 下腹部に手を這わしたトラは、下着を脱がしにかかる。勿論、そこには、貞操帯が主張しており、外して欲しいと僕は乞う。 「お願い、トラ」 「ん――もうちょい辛抱な」 え、なんで!? っていう疑問を僕に吐き出させる前に、トラは乳首を再び弄り始めた。 どうして、と訳がわからず翻弄される。 「ふぁ、ひゃっひゃ、あぐ、ぁん、も、無理ぃ」 「ハハ、知ってるぜェ」 「ひんっ! だったら、やぁ、なにするっのぉ!」 乳首を弄っていた筈の手がお尻にまわり、僕はぐでんと回転させられ、お尻を突き出すような格好にさせられちゃう。 ぷるぷる震える太ももを、楽しそうに眺めたあと、パァンと軽く僕のお尻を叩いた。 「ひゃわっ!」 驚きで、びくんと身体を縮ませる。 僕の柔肌からしてみれば、トラの軽くは十分な痛みを与えるし、真っ赤な紅葉跡をつける。 「ぁっ、らめ、痛いよぉ」 「お仕置きだって言ったろう」 「ひゃぁんっ、ぁっあっ、ふぁっ!」 「ッてもお仕置きにはなってねぇ、みたいだけどよォ。なぁ、帝、お前さぁ、感じてんだろ」 暴かれてはいけなかったことが暴かれてしまった驚きに僕は身を竦める。その通りだ。萎える所かピクピク震える身体が証拠だ。 「ごめ、ごめんな、さ、い」 「別にいいって。俺は帝の淫乱な所も可愛いって思ってるぜェ」 「ひゃぁぁっ、ふぁ、いたっ」 パンッ、パァン、パァン お尻を叩く音が鼓膜を襲う。強打される度に、感じちゃう。貞操帯による締め付けが強まり、痛みは増すのに、寧ろ、その方が気持ちが良いなんて。 「ぁっあっ、も、やだぁ、トラぁ、イかせてよぉ。僕のお○んこにトラのおちんちん突き刺してバコバコしてょぉ」 「んなに、かよ。なぁ、本当にハンセイしてんの」 「ひっ、しているよぉ、ごめんなさいっ、ごめんなさい。勝手なことしてぇ」 遂に泣きだしてしまった僕に溜め息を吐き出す音が上から降ってくる。き、嫌われちゃったかなぁ。こんなことを、我慢出来ない僕なんかじゃ。 呆れられちゃったって焦るけど、限界で朦朧とし泣くことしか出来ない僕の頭をトラが優しく撫でた。 「あ――泣くなって。なぁ、帝」 「ふぐぁっ、ひっく、ふぁ」 「悪かった、悪かった。大丈夫だぞー呆れたりお前のこと嫌いになったりしてないぞ――」 子供をあやすようにトラは僕の身体を撫でる。お尻を突き出した形から、抱き抱えられ、膝に乗せられた。落ち着きはするけど、1ヶ月欲望を吐き出さなかった身体は反応を示し、顔をトラへと向け、口付けを交わす。 「し、してぇ、トラ」 媚びるような甘い声色を意識して告げると、トラは僕に着いていた貞操帯を外してくれた。 「ひゃぁっ、あっふぁ、ひゃあっイくぅぅぅぅ!」 何もされていないのに、外されただけで身体は痙攣し達してしまった。白濁をトラのズボンに打ちまけてしまって申し訳なさを感じながら、トラの顔を伺う。その双眸はズボンを脱がせと無言で言っているように思えたので膝上から降り、口でチャックを開ける。 前歯に触れると鈍い鉄の味が広がってくる。顔を埋めると僕の精液とトラの香りが交じりあって、また達してしまいそうだ。 「んっ……トラァァ」 パンツ越しに性器にしゃぶりつく。布に唾液を染み込まして、ちゅうちゅう吸っていたが、次第に直接触りたいという欲が沸いてきたので、歯でパンツをずり下ろす。 少し勃起している、トラの性器が顔を出した。 ふぁ、トラのおちんちんだぁ、なんてむせ返るような雄の匂いを鼻腔で味わうと、鬼頭に口付けをする。チュッとリップ音をたて、噛り付く。咥内いっぱいにトラのを銜え幸せしか残らない。 「ふぁんっ……はぁ、んっ……美味しいっ」 「そ、かよッ――」 あ、良かった。トラも感じていてくれるみたい。口に含んだものが膨張していくのが分かる。トラに触れられなければ、ちゃんと満足してくれるフェラが出来るみたい。裏筋をなぞり、鬼頭を甘噛みして、どうするんだろう? と伺っていると、頭を捕まれ、離された。新鮮な空気が入ってくる。 「ひゃぁっ! とらぁん」 ローションを後孔に塗り付けられる。1ヶ月していなかったから、堅く閉じられた僕の窄まりだけど、正直な話、これ以上、焦らされたくなくて、自ら腰を振る。なんて、はしたないんだって真っ赤になり、自分を叱咤してやりたいが、歯止めがきかない。 「ひっぁっ、ひゃぁっぐ、も、いい、からぁ」 「けど辛れぇだろうが」 「いいからぁ」 「切れるぞ!」 トラのおっきくて太くて長い肉棒は確かに僕の皮を裂くだろうけど、そんな些細なこと、どうだって良かった。 「良いからぁっ、もっ、お願いぃっっ、トラぁ」 ぐちゅぐちゅと後孔が弄られる。本当に最低限の慣らしだけど「チッ」というトラの低い舌打ちが聞こえた後、指を抜かれ、変わりにトラの凶器みたいな肉棒が突き刺さった。 「あぁぁぁん! ひゃぁ、ふぁぁぁぁん、ひっお、きぃぃい!」 「くそっ!」 「ひっあぁあぁんっ! いいよぉ! トラぁぁぁ! だ、だいじょ、ぶ、だからぁっ!」 遠慮勝ちに緩くなった行動を締めつけるように後孔に力を入れる。皮は切れてしまったけど、それ以上の快楽が僕を襲う。 トラの性器でいっぱいになって幸せだ。内壁をなぞるように上がると、前立腺目掛けて、突き刺さる。 「ひゃぁぁぁぁっ! ふあぁ、とらぁぁ!」 「っ……帝!」 「もっとぉ、ひゃぁ、あぐ、あっそこぁぁぁ、やぁぁぁ!」 今度は気持ち良いだけの涙が溢れてきた。一カ月ぶりのトラだぁ。 口の切れ目から涎が情けなく垂れ落ち、意識が白く飛んでいく。こうやって、抱かれている時が一番、幸せかも知れない。 身体から、なんて馬鹿だと言われるかも知れないけれど、トラの吐息を聞いていると僕は、とても安心するんだ。 だから、こうやって、もう一度、腰を踊らす。 「お願い、トラ」 君がキスを返してくれる喜びをかみしめながら。 |