I like, but not love | ナノ

「ごきげんよう、ドン・ボンゴレ」
「お久しぶりです、」


パーティーなんてただの退屈しのぎでしかない、もはや退屈をしのいでいるのかさえわからない。準備に時間かかるし、会場にいれば常に声をかけられるから疲れる。でもリボーンがマフィアのボスなら他のマフィアとの繋がりでもつくれ、なんて言うから仕方なく出る。(出なかったらどうなることやら)そして、やっぱり俺の考え通りパーティーではずっと声をかけられてばかりで休憩する時間もない。


「ツナ、大丈夫か?」
「、山本…ありがとう大丈夫」
「そうか、ならいいんだけどな」


大丈夫、なわけがない。(山本もわかってるんだろうけど)ため息をひとつして、適当に回ることにした。いつか会った事のあるマフィアのボスやら令嬢もいれば、著名人もいる。息が詰まるような光景に俺は反吐が出そうになる。なんで、俺はこんなところにいるのだろう。


「お客様、困ります!」
「通しなさいよ!」
「ですから、先ほどから申していますように招待状がないと入場は出来ません!」
「だから、待ち人が先に会場にいるのよ!」


なんだ、なんだ、とたくさんの野次馬が扉のところでたむろっている。甲高い女の声が防音設備完備の会場に響く。本当に待ち人がいるのかは知らないが、彼女は誰かを探そうとはしていない。


「あ、いた!」
「え」
「ちょっとー!なんで先に行っちゃうのよ!」
「は、」
「もう、なんで私がこんな目にあわなきゃいけないのよ!」
「お連れの方ですか?」
「そうよ!ドン・ボンゴレ、沢田綱吉よ!」


なにを、言ってるんだこの女。指をさされたと思ったら今度は馴れ馴れしく話され、まるで本当の連れのように振る舞われ、名前まで言われた。驚きを隠せないと言うか、驚きを通り越してなにも思わない。


「では、招待状を確認してもよろしいでしょうか?」
「あ、はあ…」
「失礼いたします」


気づいたら招待状を渡していた、という感じで招待状は俺の手から消えた。確認作業というのかは知らないけどスタッフの人ごしに俺は女を睨みつけた。そしたら奴はウィンクをした。…なんだ、この女。





1. The opening was that girl





2009年初!今年もどうぞよろしくお願いします
まさかのシリーズものです(^ω^)
090306 星羅