きっとこの思いが、あの青くて広い大空に届く事はない。 「…失礼しました」 「…」 部屋のドアが閉められた瞬間、僕には何とも言えない気持ちに押しつぶされそうになった。ただ、奈美がなにかを言おうとしたことを止めて、言わせたくなくて、恐くて、ただそれだけだったのに。なんで彼女はあんなにも悲しそうな顔をしたのだろう。 「………奈美」 君はなんて言おうとしていたの?もう聞く事の出来ない言葉はもう聞けない。あんんあ悲しそうな顔して言うくらいだ、よほどの事なんだろうな。 「……奈美」 本当は聞きたかったんだ。君の声は本当に綺麗で、ずっと聞いていたいんだ。いつまでも、今でも聞きたい。鳴き声でもいい、怒ってる声でもいい。出来れば笑ってるときの声がいいけど君がいるだけでいい。それだけで、僕は、 「…奈美」 僕のこの気持ちは君に少しでも伝わっていた?これでも僕は頑張ったんだ。この想いがなんなのかは僕でもよく分からないけどなにか大きいもの。世間では恋だの、愛、なんて言うのかもしれない。でも僕は愛なんて知らないし、愛し方なんて分らない。 「奈美…っ」 愛、てなに?愛する、てどういう事?愛しい、てどういう気持ち?それはこの気持ちのことだとするのなら、この気持 ちを僕はどうしたらいい。 もう、奈美はいないのに 07.とどけばいいと思った (少しでも僕を考えていてほしかった) 080228 星羅 090308 書き直し (ひとりぼっちの運命(雲雀恭弥/近藤 隆)より歌詞を一部お借りしました。) |