誰でもいいから、とにかく愛を感じたくて、そのときたまたま目の前にいたサッチの腕を取った。手っ取り早く愛されたかったから情事に誘い、サッチはそれに喜んで応じた。
さすがに女慣れしてるせいか前戯がうまい。でもそれ以上に優しく全身を這う手のひらの温度と、とろけるくらい甘い眼差しに下腹がじゅくりと疼いた。サッチの楔がわたしの秘部を押し拡げて擦れ合う。律動の度にその熱さがわたしを満たした。覆いかぶさるサッチの温もりに眩暈がする程深呼吸した。
情事後の処理も終え、サッチの腕の中で微睡みに浸る。朝になればこの夜に交わした熱と愛は綺麗さっぱり流れ落ち、わたしはまた愛を求めるのだろう。一時的な愛でも構わない。誰でもいいからわたしを愛して欲しかった。

「心も身体も好きにしていいからまた抱いてよ」

わたしを抱き込むように眠る背後の男にそう願えば、嫌だと短い返答が返ってきた。

「お前が、俺を好きになるまで抱いてやらねェよ」

あぁ、なんて身近に愛は転がっていたんだろう。


くるまった夜の中で


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