まさくんの青いスポーツカーに乗って流れてく景色を眺める。さっきの正門前での恥ずかし過ぎる仕打ちを抗議すれば、虫除けしとかなきゃだろ?とにやりと返されて何も言えなくなった。まさくんが名前のこと考えて牽制してくれるのは嬉しいけど、あんまりにも恥ずかしかったから、ちょっと拗ねてそっぽを向いてるの。でもちらちらとまさくんの方に目が行っちゃう。だって、運転するまさくんの横顔がとってもかっこいいんだもん…!そっとまさくんの方を向いたらばちりとまさくんの隻眼と目が合っちゃって、思わずがばっと視線を逸らして窓の外を見つめた。景色なんて目に入らなくてただばくばくと鳴る鼓動を抑えるのに必死で。

「名前」

まさくんの低い声が、名前を呼ぶ。まさくんの腕がそっと名前の肩を引き寄せて。赤信号で止まった車の中、まさくんと名前の口唇が重なった。そっとやわらかい熱が離れ、車が動き出す。ほっぺが熱い。心臓が苦しい。真っ赤な顔のままただまさくんの綺麗な横顔を見つめることしかできなくて。あんまcuteな反応すんな、と次の赤信号でもキスされたの。そうして赤信号で止まる度まさくんは名前にちゅうしてきたのです。



110921